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怖いと感じない人はホラー映画のどんなところを面白いと思うのか?

ツイッターにこう書いたら、えとうさんから次のような質問をいただいた。

ツイッターでリプライするには少し返事が長くなりそうだったので、久しぶりにnoteに書くことにしてみました。


ホラー映画の中で、例えば貞子みたいなお化けが出てきても、私は残念ながら怖いとは思えません(お化けをぜんぜん信じてないので)。ただし何も感じないのかというとそうでもなくて、怖さよりもむしろ面白さ・楽しさを感じてしまうことが多いです。多分「お化けが出てくるという現象」を映像でどう表現しているのかに興味があるんだと思います。つまり、お化けの造形であるとか、出現の仕方に意外性があって良いなとか、お化けが出てきて怖がっている登場人物の怖がり方が面白いなとか、一歩引いた視点から見て楽しんでいる感じです。

あとホラージャンルってお約束がいろいろありますよね。コイツここでこれやったら絶対死ぬだろ、ほら死んだアハハみたいな。逆に、あれ?死ななかった意外!とか…やはり怖いというより面白がって笑って見ていることのほうが多いです。

あと、これはホラー映画に限らずどんな映画でもそうなんですが、例えば昼間の明るい住宅地の中を登場人物が歩いてるシーンがあるとして、風に揺れている庭木の葉っぱであるとか、路上に差している電柱の黒い影とか、そこからさびしい一軒家(どうやらお化け屋敷らしい)の玄関をくぐって中に入っていくときの周囲の明暗の変化であるとか。そういった画面上に現れては消えるいろいろな事物や風景、現象をただひたすら眺めて、なんかこの感じ好きだなーという。ストーリー(あらすじ)を追うだけでは味わえない映画の面白さってあると思うんです。その映画の質感、テクスチャーを楽しむ。

アート系とか実験的な映画は、わりとそういう見方をされることが多いと思うんですが、ホラーとかサスペンスとか、アクション、戦争物、西部劇、SF…どんなジャンルの映画であっても同じように楽しむことはできます。だから私の場合、ホラー映画なので怖いと感じられないと面白くないとは、必ずしもならないんですよね。

本当は素直に怖いと感じられたほうが、味わえる面白さの種類が増えて、映画の楽しみも広がると思うんですけど。


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