胸がいたむ
子供のことなんだけど
赤ちゃんの頃から
甘やかしているつもりはないが
大事に育ててきた。
危ないものから遠ざけ
悪いものに近づかないように
大事に大事に。
私は自分の人生、
一生、
そういうふうに
こどもを守りたいと思っていた。それが私の願いだった。
もちろんそれが叶わぬ夢であり
叶えてはいけない夢であることも知っていた。
格好つけて言わせてもらえれば、
その気持ちはまるでJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の主人公ホールデンのようだった。
ライ麦畑で走り回っている子供が
そこから落ちてしまわないように見張る役目を
そろそろ終わりにする時期がきてしまった。
私はこどもから離れなければいけない。
今日、なにか辛いことがあったみたいだ。
毎晩、夜遅くまで起きているくせに
今夜にかぎって
早くベッドに向かってしまった。
今、子供は自分と向き合っている。
お父さんも自分と向き合っている。
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