解けない人のミステリの書き方
こんにちは。伯林(ベルリン)です。
二十九歳、神奈川県厚木市在住の独身男。
サムライギタリストを目指して上京するも芽が出ず、バイト先の牛丼屋でカリスマバイトになってしまい困っている――というのは真っ赤な嘘であり、私のプロフィールは全くもって秘密ということでご容赦願いたいと思います。
さて、きょうのお題は『解けない人のミステリの書き方』……ということで、
ミステリ初心者・他人の本を読んでも全く犯人を当てられない人間は、どうやってミステリを書けばいいのか?
ということを書いていきたいと思います。
一番大事:優良読者だからこそ、作者の意図を感じられる
突然ですが、問題です。
解けない読者は、ミステリを読み慣れた名探偵読者の方には絶対にできない、とある経験ができます。
なんでしょうか?
それは、作者の意図通りに綺麗に騙されることです。
作者が仕込んだ伏線に綺麗に騙され、どんでん返しで呆然とする……これは、解けないからこそ得られる経験です。
本を読みながら推理する必要はありません、どうせ解けないのだから。
その代わり、読み終えたあとにびっくりしたことを、そのままメモしておきましょう。
驚きの感想が素直であればあるほど、それは、作者が意図して読ませたかった伏線やトリックである可能性が高いです。
「あれでびっくりした」「これが全然気づかなかった」など、素直な気持ちを細かく書いておくと、のちに役立ちます。
謎が解けないのに書く方法?
さて、では書いてみようと思って、「謎が思いつかない」「すごい犯行とか分かんない」という壁にぶち当たるわけですが、これも綺麗に騙される優良読者だからこそできることがあります。
めっちゃめちゃネタバレで恐縮なのですが、
斜線堂有紀先生の『楽園とは探偵の不在なり』と今村昌弘先生の屍人荘の殺人』で使われたトリックのびっくりポイントに共通点があったので、それを例に挙げます。
(ネタバレ部分は読み飛ばしても大丈夫です)
▼▼▼ここからスーパーネタバレ▼▼▼
▲▲▲スーパーネタバレおわり▲▲▲
こんな感じで、共通してびっくりしたものが見つけられたら、それを真似する方法を全力で考えます。
真似をして書いてみたところで、どうせ劣化版コピーになりますが、それでもいいのです。
完璧にコピーできてしまったらそれは即ちパクりですので、うまくできないものを試行錯誤するうちに原作とかけ離れていったら、それはオリジナルではありませんか。
世の中の大多数は優良読者です
多分、世の中にいるほとんどのミステリ読者は、犯人を当てられず綺麗に騙される優良読者です。
つまり、多分自分と同じところでほぼ同じ感想でびっくりしているはずなので、素直にそのことをやれば、打率が上がります。
以上が、解けない人のミステリの書き方でした。
イラスト/ノーコピーライトガール
記事を書いた人/伯林(ベルリン)
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