小論文の作り方✑具体例を吟味する場合
(美術系の小論文を教えています。ここでは短く小論文を講じます。)
小論文の具体例をどうやって決めるか。アイデアを思いついたとき自然に「これ」と定まっていることも多いと思いますが、「眼」をテーマにした自作を使って、具体例を吟味すべきケースを紹介したいと思います。
こちらが最初の「眼」の文章です。
こちらは「眼がどんな言葉をしゃべるか」を考察するというアイデアの小論文。第2段落では「いろいろ」感がある具体例を列挙したいわけですが、わかりやすく、並べてちょうどよい重さのものを選んでいます。
第3段落では(眼力で伝わらなそうな)「情のない情報」を考えています。文章全体では小さなパートでも、細部が充実すると小論文は面白くなると思うので、よりよい具体例を選んでみることにしました。
つづいて、次の「眼」の文章です。
こちらは「眼はものを生み出す」という主張を書いているんですが、私にとって輪島氏の登場はアイデアの中心にあるのでこの具体例は取り替えできないケースの文章です。
ただ、細かな演出として、①漫画『はじめの一歩』で読んだ知識をボクシングに詳しいように書く、という要素と、②「蛙飛びアッパー」という技も書いて「眼を逸らす」の技感を高めるという演出をしています。
どんな具体例を選ぶかで小論文の説得力が変わる場合があり、どのように具体例を描くかでも小論文は変わります。ぜひ試してみてください<(_ _)>
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