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漫画界の亀仙人福山庸治を力いっぱい紹介します!(画像なしですみません!)

日本の漫画家福山庸治(1950~)は日本を代表する漫画家です! 現在新作が読めないですが、私にとって年月が経つほどに偉大な漫画家だと再認識させられつづけている存在です。画像なしですが、こんな私の情熱をまとめます!

📚まず、福山庸治の基本情報を押さえましょう!

『漫画アクション』(双葉社)に掲載の「納屋の中」でデビュー。代表作は『マドモアゼル モーツァルト』。/1993年から『週刊ダイヤモンド』に連載された『F氏的日常』で2001年12月、第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。(フリー百科事典ウィキペディア、「福山庸治」のページから引用)

ということで、福山庸治はメ芸大賞作家というグレートな肩書をもつ漫画家の1人。『F氏的日常』は1コマ漫画を中心としたもの。なので、長編、短編、1コマ漫画でその才能を発揮している作家といえます(ちなみに、たぶん4コマは描いていないでしょう)!←(この点について嬉しい追加情報です。2017年5月8日時点,で 氏のtwitterアカウントの固定されたツイートで氏の福山式の4コマ作品が読めました! オールラウンダーですね!)

📚そして、福山庸治は孤高の漫画家です!

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作風にしろ、作品を発表していたときの創作ペースにしろ、衆にこびない孤高の作家という印象があります。また、その姿勢から作られた作品が単に個性的という以上に、たまらなくエンターテイメントであることも彼の特徴と言えるでしょう!

📚作中の言葉を引用して、福山漫画への思い入れを語らせてください!

✑まず代表作『マドモアゼル・モーツァルト』についてです!

敵役の音楽家サリエリが狂おしい愛を抱いて幻のモーツァルトに出遭う外伝。骨太な物語、温かな描線、自在な展開をふくむ『マドモアゼル・モーツァルト』は私にとっての雑誌モーニングの魅力そのものです!

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福山庸治の代表作は、メジャー誌モーニングで連載されたこの作品を挙げるべきでしょう。この骨太で温かな線で語られる自由な物語をぜひ読んでほしいですが、この「ワインの染み」を連想させる色づかいで描かれた外伝も本当にいいです。いま思いついたのですが、本作の物語の魅力は『リボンの騎士』や『ルードウィヒ・B』を描いた手塚治虫にも通じるもの。福山庸治に手塚治虫リスペクトと彼を越える野心があったかどうかについて興味深いです!

✑短編作品で福山漫画の凄さが分かりやすくチェックできます!

その①。娘さんが別荘の戸締まりから次々発生するイベントのさ中につぶやく言葉。来週も漫画ツイートを続けたいので、私も同じく考え中です。ところで漫画界の亀仙人福山庸治の短編は最高にチャーミングです!

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短編「夜は散歩者」。ガスの元栓を気にしつつ別荘の戸締りをした娘さんがとんでもない目に遭う物語です。次々とアクションが展開する「語り口の妙」に、この漫画家の手腕がいかんなく発揮されています!

その②。漫画のなかで投棄された空き缶のたてる擬音。なぜか漢字ですが、深夜の不思議なドライブを不思議なドライブ感で描いた作品の開始にうってつけと思います。私はこの短編の福山庸治にガツンとやられました!

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こちらが「ある夜のピクニック」。深夜に車を走らせるカップルに起きる奇妙な出来事。シュールかつジェットコースター的な展開がひたすら楽しい作品です。上のツイートで書いたように、この擬音の漢字が不気味なような、あっけらかんとしたような、とにかくばっちり合っています。私はこの1作で福山漫画のファンになりました!

その③。とつぜん機械文明が終焉をむかえた世界でマイカー族の家族がいう言葉。オチの味わいが独特で、福山庸治がショートショートの名手だと分かります!

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こちらは短編連作「B♭のソナタ」。連作の1部は『ベストアルバム』にも収録されるのですが、これはその選からこぼれたもの。こんな超絶うまいオチを含んだ作品が選からこぼれる豪華さが福山漫画だと思います!

その④。未来の大地にたつ家族の1人の言葉。きっといまもそう。懺悔しますが、SFマガジンの収集で知った福山庸治の名前を大友克洋の変名だと思い込んだ時期があります。両氏とも画力が圧倒的で作風が自在です!

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こちらはSF「いちごロード」。あるタイプの漫画ファンは、大友克洋の『AKIRA』を読んだあとに、彼の長編、短編と読み継いでいくと思います。そのタイプだった私も福山庸治の短編集を読んだら「こんな面白い漫画がまだあったのか!」と目からウロコでした!

📚そしていま一押しの福山漫画は『ドン・ジョヴァンニ』です!

福山庸治の長編というと『マドモアゼル・モーツァルト』『臥夢螺館』が挙げられますが、本作もものすごいです。フェリーニや鈴木清順の映画とも異なる奇妙なオペラ。きっと、漫画でしか描けない奇想です!

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モーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』を江戸時代にSFファンタジーとして描くという解説のしかたが心細くなるほどの不思議な力感に貫かれた物語です。『臥夢螺館』や『17』や『うろしま物語』の性や暴力の描き方ともまた違った、不気味さといとおしさの両立した作品です。(と書きましたが、大友克洋ファンが一番読むべき福山長編は『臥夢螺館』だと思います。すごいSFです! あと、未完の名作『レトロポリス』も!)

📚最後は、『F氏的日常』の引用でしめくくります!

草食系古代人が空を見ていう言葉。小ゴマですがいい顔が描かれた場面。この漫画の雑談は、予定と異なり福山庸治だけ扱いました。(新作が拝めないものの)いま私の大好きな作家の紹介をこれで終わります!

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私は35年以上漫画ファンをつづけていますが、私の35年の漫画読書ファンの生活のなかで断然輝きを放っているのが福山庸治です。新作を心待ちにしていますし、電子書籍でこの寡作作家の作品が買えるこの時代にこそ力をこめて紹介したい作家でしょう。私の乱文を読んでいただいたみなさまと、福山庸治に感謝します!

📚最後の最後に、彼のツイッターも要チェックです!

https://twitter.com/yojira
がそのリンクですが、こちらに単行本未収録の短い作品を(電子書籍の)宣伝として載せています(2020年2月26日現在)。未読の作品が読め、しかも福山節が健在で読んで泣きました!


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