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コドクの職場

友人に転職の相談をされた話。

丁度その時に転職したばかりの友人と
やたらと転職回数の多い私の二人が
相談という名の元に久しぶりに食事に行った。

お店で話している間は、お互いの職場の話で盛り上がった。

ほぼ愚痴だったが。

悩んでいた友人の話を聞くと、職場にあまりにも仕事ができないおじさんがいるらしかった。しかも複数。そして上司。地獄である。

そのおじさん達はみな新卒で入社した生え抜きの人達らしい。それなのに仕事ができなくて(しない?)役職が付いてるってなんの地獄?シンプルに生き地獄?

私が以前働いていた会社でも、上司だったおじさんは仕事をしているかしていないのかが不明だった。色んな支店を異動させられた結果、私の入社した部署にいることになったらしかった。このおじさんは中途採用だったらしいがしかし、何処からもはじかれて私のいた部署にきたと噂に聞いた。

どちらも、そのどうしようもない人達に疲れて心を疲弊し仕事を辞める人が続く。私もそうだった。私の前に同じポジションにいた人もそうだった。次に入った人もそこで働いている先輩に1年で辞めたと聞いた。友人の職場でも人の入れ替わりが激しいと聞く。

そこで我々はその現象に名前をつけた。

「蠱毒(コドク)の職場」と。

蠱毒とは、毒を持つ虫や爬虫類などを1つの入れ物に入れ、食わせ合うことで最強の毒を決める恐ろしい呪術である。私が蠱毒を知ったのは確か犬夜叉だったと思う。大事なことは大体漫画に書いてある。

どうしようもない人の毒にやられて退職・転職を選ぶ人が続く。職場ではその毒に耐えられる者だけが残っていく。毒は浄化されることなく、煮詰まっていき、より強力な毒となり新しく入ってくる人間に襲いかかる。中途採用などで他の環境を見てきた人間はその場がおかしいことに気づく。ある程度の経験を積んだ時点で、早々に脱出することを選択する。しかし、新卒で入社した若者は、それが社会のスタンダードであると思い、脱出を目指すものは減るのだろう。そして、毒に染まっていくのだ。

とてつもなく恐ろしいサイクルだ。この毒が浄化されることはあるのだろうか。残っている人たちは毒に勝っているのかというとそういうことでもない。良い人は心を殺して無になって働いている。麻痺しているだけではないかと思う。それが良いかどうかは解らないが私は無理だ。

今ご自身が仕事で、人間関係で悩んでいるのなら考えて欲しい。そこは心を殺してまで耐える価値があるのかどうか。転職することは決して悪いことではない。経験を積みそこで得られるものがなくなったと感じたのなら、次の場所に向かって欲しい。毒に当てられて死んでしまう前に脱出して欲しい。

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