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自然の中から色の名前が生まれた

前回、様々なグレー色を
日本の色名では何と呼ぶのかと調べてみました。
銀鼠、鴇鼠、白梅鼠…
楽しくて良い名前がいろいろとありました。
私は撮った写真を画像で見ていたので、
色見本もインターネットの中で見比べてみたのですが、あれから、名前の由来や、紙で見た時の色はどんなだろう?というのが気になり、本を探してみました。

「美しい日本の伝統色」
見開き片側には
マンセルカラー表を用いて、
日本の色名と名前の由来、説明が
書かれています。
もう片側には自然の写真や、日本の美術品、
浮世絵や日本画など、
色名に合った写真が載っていて、
見ているだけでも楽しくなります。
また季節を順に追って色名が出てくるので、
分かり易くイメージ出来ました。

本のはじめには
刻一刻と変わりゆく自然の情景を眺め、
その一瞬を色として切り取ることで、大切に伝承さらてきた様に思う。
と書かれていました。

例えば、
自然界に多くある植物のみどり色

同じみどりでも
季節や、種類、印影や重なりなど
によって様々なみどり色に見えます。
そのひとつひとつに名前を付け、
その美しさを共有してきた人々の暮らしの中に
心の豊かさを感じました。

自然の中から選び取った様々な色合いは暮らしの中に活かされ、染織や工芸品などの身近なものとして創造性のある豊かな文化を育んできたのだそうです。

実際に、植物や、鉱物から色をとり、
染色したり、絵を描いていたのですから
人々の暮らしも、芸術も、自然とは切り離せない大切なものだったと分かりました。

絶妙な色の違いを見分けることのできた(その心を持った)昔の人々
その感性と観察力が、美しい作品を生み出してきたのではないか?
そんなふうに私は思いました。

今、生活しているこの時代、この環境で、
見たものの中にどんな美しい色があるだろう?
と、じっくり観察して見てみる。
日が差したり暗くなったり、時が変わるごとに、天気が移ろうたびに見える色も変わっていく。
意識して散歩に出て見るといつもの色(景色)がまた違って見えました。

前回載せた写真と色の名前を
もう一度、
「美しい日本の伝統色」の本の中から見てみます。

二見浦夫婦岩
夕暮れ 

【月白・ゲッパク】
本には掲載無し

【白鼠・シロネズミ】
(銀色)
銀の様な輝きのある灰白色
明るい灰色

【御召御納戸・オメシオナンド】
灰がかった渋みのある青色
本来は、御召ちりめんの御納戸の意味
御召ちりめんは、とても上質なもので、
11代将軍家斉が愛用し、徳川将軍家以外に着用する事をとめられたところから御召の名があると言われているのだそうです。
また、納戸は衣類や調度品を納めておく部屋のことで、暗いところの意味がつけられたことばなのだそうです。
【藍鉄・アイテツ】
本には記載無し
同じ色を指す色として下記がありました
[鉄紺色・テツコンイロ]
鉄色がかった紺色
暗い青色で、暗い緑色である鉄色と、紺色の中間色のような色合いである。
鉄色は焼いた鉄肌の色からきたとも、また陶器に用いる釉薬の一種である呉須に含まれる鉄分の色からきたとも言われている。

【漆黒・シッコク】
本には記載無し
純白の対義語
黒の中でもっとも暗い黒です。

名前と、説明をつらつらと書いて見ましたが、
写真の中から当てはまりそうな色は見つかったでしょうか?


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