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語学書の著者のコラム

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ベレ出版語学書の著者による、本を書くこと以外のお仕事の話、教えること、ことばにまつわること、言語について。
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2022年10月の記事一覧

慣用句から学ぶ韓国語 #4

徐旻廷(ソ・ミンジョン) 「궁합이 맞다(クンハビ マッタ)」 =「相性がいい」 韓国では、結婚する前に相手の生年月日(四柱)で占いをする風習があります。これを「궁합(クンハップ)=宮合」といいます。「宮合」の辞書的意味とは、「結婚する男女の四柱を五行(五行説における万象を変化させる5つの元素。木・火・土・金・水)にしたがって相性の良し悪しを判断する占い」です。「궁합을 보다(クンハブル ポダ)= 男女の相性を占う」、「궁합이 좋다(クンハビ ジョタ)= 男女の相性が良い」

慣用句から学ぶ韓国語 #3

徐旻廷(ソ・ミンジョン) 「국물도 없다(クンムルド オプタ)」 =「スープもない」  最近、寒くなってきて、温かい「국물(クンムル)」(スープ)が恋しくなる季節になりましたね。皆さんは、このような季節に思い出す「クンムル」がありますか。ここで「クンムル(국물)」は、「汁ものやチゲなどの料理から具を除いた部分」を意味します。韓国では、このような「クンムル料理」に「~국(~クック)」、「~찌개(〜チゲ)」、「~탕」(〜タン)などを付けます。例えば、「미역국(ミヨックック):

慣用句から学ぶ韓国語 #2

徐旻廷(ソ・ミンジョン) 「콩밥을 먹다(コンパブル モクタ)」 =「豆ご飯を食べる」 上の会話文は、韓国のドラマや映画で相手を怖がらせたり、脅かしたりする場面でよく登場するセリフです。美味しくて栄養たっぷりの「豆ご飯」がどうしてこんな恐ろしい場面に登場するのでしょうか。  朝鮮半島では、かつて刑務所にいる受刑者に提供した食事が「豆ご飯」だったといいます。当時の豆は「大豆」を指します。白米の値段が高かった時代、大豆は栽培しやすかったため、値段も安くてよく食べられる穀物でし

慣用句から学ぶ韓国語 #1

徐旻廷(ソ・ミンジョン) 「파김치가 되다(パキムチガトェダ)」 =「ネギキムチになる」 韓国語には「파김치가 되다(パキムチガトェダ)」という慣用句があります。「파김치(パキムチ)」は「ネギキムチ」、「〜가 되다」は「〜になる」という意味です。直訳すると、「ネギキムチになる」となりますが、これはどういう意味でしょうか。  まず、「ネギキムチ」について考えてみましょう。なんとなく、ネギで作られたキムチではないかと思いませんでしたか。その通りです。一般的にキムチの名前は、主