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ドイツの子育て-お風呂-

★お風呂

ドイツ、いうまでもなく、大人はシャワーですますことがほとんどであるが、赤ん坊用には日本と同様、専用のバスタブが売られている。

日本はキッチンのシンクが大きいから、そこで済ませられる場合もあるようだけど、ドイツのシンクはどこも小さい。食器洗浄機を持っていることが前提なのかもしれない。
いずれにせよ、私もこの赤ん坊用バスタブを購入。周りが水浸しにならないよう、大きな普通のバスタブの中にこれを置いて使った。

その点、日本のお風呂場は洗い場があっていいな、と思う。いったんお風呂場にはいってしまえば、どこが濡れる、という気をつかう必要がない。こちらもバス・トイレの床はタイルだから、濡れてもふけばいいだけなのだか、やはりストレスである。

さて、赤ん坊をいつからお風呂にいれるか。
日本では、赤ん坊は新陳代謝がいいから、毎日お風呂に入れてきれいにしてあげましょう、というのが基本だ(よね?)。
でも、ドイツでは生まれてから、へその緒がとれるまでは無理していれなくてもよい、という考え方である。実際、私も生後3週間くらいに初めてお風呂にいれた。

初めてお風呂に入れた後も、特に毎日はお風呂にいれない


その理由としては、気候と水質の違いがあげられるだろう。

ドイツは北海道よりも北に位置する、というと、想像しやすいのではないかと思うが、冬は乾燥して寒く、夏は湿気がなく、カラっとしている。そのため、夏は日差しが強くても、室内や木陰に入ると快適に過ごせる。
ただし、ここ数年、気候が変化していて、夏にはこれまでなかったようなムシっとする日が続いている。基本的に個人宅に冷房はないが、アパートやマンションの階―特に上層階―や日当たりによっては、日が落ちても暑く、寝苦しい場合もあるようで、近い将来、個人宅の冷房が当たり前になるのではないか、と心配している。
むろん、こうした蒸し暑い日には、汗をかいて体がべたべたするため、大人はシャワーをするし、赤ん坊もお風呂にいれる。しかし、そのように特別に暑い日ではなければ、赤ん坊を毎日お風呂にいれたりはしない。3-5日に1回くらい、というのが周りのママ友にも聞いた平均の回数である。

冬も同様である。日本だと、寝る前にお風呂に入って体をあっためるとぐっすり眠れる、と考えられている。私の実家は木造の戸建てだったから、暖房を家じゅうに入れることはなく、こたつから出てからの室内の移動は常に「さむい、さむい」と言いながら、足早に行ったものだ(古い?)。
そういう意味では、お風呂で体を芯まであたためてから、冷たいベッドにもぐりこむ、というのは納得だ。これはきっと昔からの知恵なんだと思うが、その習慣は日本人にしっかりしみついていて、マンションなど暖房がしっかりきいている家に住んでいる場合でも、自然と毎日お風呂にはいるようになっているのだと思う。

他方、ドイツの冬は寒いため、どこの家にも(戸建て・マンションにかかわらず)、至るところに暖房がはいっていて、家じゅうが暖かい。この暖房は温水を循環させるタイプのもので、空気が汚れることがない。また、つけたり消したりするよりも、つけっぱなしのほうが経済的だということで、数日家を空ける、という場合以外、冬中つけっぱなしである。
そういったこともあり、寝る前に体をしっかり温めて、、、という発想はない。そのことも、お風呂に毎日入るという習慣が根付かなかった理由だと思う。

もう一つの水質だが、ドイツは世界でも数少ない、水道水が安心して飲める国である。これは、同様に水道水が飲める国からきている私にとって、非常に楽である(もちろん、日本でもドイツでも浄水器は使っているが)。
が、水質は日独でかなり異なる。日本は軟水だが、ドイツは硬質だ

ドイツの水はミネラル成分を含んでいるから、水道水をそのまま湯沸かし器で沸かすとすぐに湯沸かし器がカルキでしろーくなってしまう。そういう水質の違いは顔を洗ったり、シャワーを浴びるととたんにわかる。顔がつっぱり、髪の毛はごわごわになるからだ。こうした水質のため、ドイツでは毎日シャワーを浴びることは肌によくない、と考えられてきた。
今の若い人たちは、おしゃれや体臭を気にしたり、健康のためにスポーツをしたりするから、毎日シャワーをすることが珍しくない。けれど、そういう必要がない限り、無条件に毎日子供をお風呂にいれる、という発想はドイツにはない。

そういうわけで、赤ん坊を毎日お風呂にいれないため、赤ん坊の頭に、いわゆる脂漏性湿疹がびっしりあるのを見かけることがある。
こちらでは、それは乳児にありがちなもので問題なく、放っておけばよい、という考え方だ。
私の子にも頭皮にうろこのようなかさぶたができた。放っておけばいいとはいえ、やはり気になる。

ということで、日本のサイトをいろいろと読んでみた。そうすると、入浴前にオリーブオイルなどでかさぶたをふやかしておいてから、石鹸やシャンプーで毎日少しづつやさしくとっていく、、、と書かれていた。なるほど、日本はやはり、見た目も「清潔」が大事なようだ。
私も気になるから、それこそシンクの横で、髪の毛だけ、日本の石鹸を使ってガーゼで優しく洗ってみた。すると数日できれいにとれた。見た目もきれいなのはやっぱり気持ちがいい。

日本式とドイツ式、いいところどりでうまく育児ができたらいいな。

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