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友達の結婚

小学校から高校まで一緒だった友達が結婚した。

地元のマドンナのお話。
誰が見ても可愛くて、スタイルが良くて、みんなに優しい。
成績もトップで足も一番速かった。
こんな完璧な女の子いるんだな、と小学生ながらに思っていた。

クラスの男子はみんな彼女のことを必ず1度は好きになっていると思う。
「あいつ好きな人とかいるのかな?何か知っている?」と
聞かれたことが何度もある。
小学校から高校までの間で本当に何度も。

私はそんな高嶺の花の横にいるただのモブキャラだったけれど、
彼女のことを妬んだり嫌いになったことは1度もなかった。

中学のとき、クラスで一番モテていたサッカー部の男子と彼女が付き合うことになったんだけど、そのサッカー男のことが好きだった周りの女子に嫌がらせを受けていたことがある。
数人の女子が彼女の教科書にカメムシを挟んでいるところを
たまたま部活中に私が見かけた。
なかなかエグいことするなあと思いながら彼女に見つからないように
そのカメムシをティッシュにくるんで捨てた。
モテる女も大変だなと感じた記憶がある。

私と彼女の実家はすぐ近くなので、高校は毎日2人で自転車に乗って登校した。
お互い朝が苦手でいつも遅刻ギリギリだった。
彼女はとにかく足が速かったので駐輪場にチャリを停めた後は
よく置いて行かれた。

2年生と3年生の時はクラスが離れたけど、時間が合えば一緒に帰った。
高校でも彼女は爆モテしていて、恋愛の話を聞いているのが楽しかった。
「生徒会長に立候補したいんだけど、応援演説やってくれない?」と言われて
全校生徒の前で2人で演説したこともあった。無事に彼女は生徒会長になれた。
いろんなことを器用にこなす彼女は私の自慢の友達だった。

受験生になって学校全体がピリピリし始めて、
模試の結果に毎日振り回されていた頃。
夜勉強していたら「ちょっと星見に行かない?」とLINEがきて
お風呂上がりパジャマで近所の空き地に集合したことがある。
私たちの家は丘の上にあって、星が本当に綺麗に見える。
その時彼女は「東京に行く」と話してくれた。
なりたいものは特にないけど、都会に出てみたいんだ〜って。
じゃあ離ればなれになっちゃうね、寂しいね、みたいな会話をしたのを覚えている。

彼女は東京の有名大学に合格して、私は地方の大学に進んだ。
結局私は大学を辞めて上京することになったんだけど。

東京に来てからもよく飲みに行ったし、地元に帰省したタイミングでも遊んでいた。大人になっても高校生の頃と何も変わらないところが居心地が良かった。

それから数年後、インスタで彼女が「結婚しました」と投稿しているのをスタバにいる時に見て、少し泣いた。
直接報告できなくてごめんねと言われたけど、本当に嬉しかった。

マドンナの結婚は地元でも少し話題になったんじゃないかなと思う。
帰省した時たまたま空港で男友達に会ったんだけど、
「ついこの前、実は俺告白したんだよね。でも結婚しちゃったわ。」と嘆いていた。
その男友達も小学校と中学校が同じで、ずっと彼女のことが好きだった。
「略奪すれば?まだ間に合うかもよ」と言ったら、バカなこと言わんでくれと笑っていたけれど結構落ち込んでいるみたいだった。ナイスファイトだよ。

新宿で一緒にランチをしたとき、結婚式の予定を聞いたけど
かなり小さい規模でやるらしく、お互いの家族や共通の友人を呼んだら
地元の友達を呼ぶキャパがなくなったと嘆いていたので、
絶対写真送ってねと約束して解散した。

そしてまさに今日、彼女から結婚式の写真が送られてきたというわけだ。
地元からも東京からも離れた会場で挙げたんだって。
その写真を見てまたちょっと泣いた。本当に綺麗だった。

ふと空港で会った男友達のことを思い出して連絡してみた。
「生きてる?」
「あいつが結婚したからって俺は死なんぞ」

彼女の結婚式にこいつが「ちょっと待った!」って乗り込んだらアツいのにな〜とか思ったりもしていたけど、まあそんなドラマみたいなことが起こるわけもなく
友達も無事に生きていた。良かった。


私もいつか誰かと結婚する日が来るんだろうか。
25歳ぐらいで結婚したいなと思って生きてきたけど
気づいたらもう27歳になってしまってた。
周りの友達はどんどん次のステージに進んでいるのに
私だけずっと同じ場所で足踏みをしているだけで何も変わっていない。

と思っていたけど、よく考えたら
1年前よりも今の方がずっと毎日楽しいし、私はちゃんといい方向に変われているのかもなと書きながら思った。

「まだ若いうちは、大事なものは遠くにあると思う。
もうちょっと年齢いくと、大事なものは近くにあるって気づく。
そしてもっと歳を重ねると、大事なものは自分の中にあるって気づくの。
だからそのとき君の隣に誰がいるか。
まだまだ分からない、答えはゆっくり出せばいい」

今どハマりしているドラマにこんなセリフがあった。
今の私は、大事なものは近くにあるって気づいた段階のような気がする。
そして松下洸平はマジで沼。


好きな人は電話を切るとき必ず「遅い時間までありがとう」と言ってくれる。
ごめんねじゃなくてありがとうって。
そういうところが好き。
もう何も後悔したくないな。

今日も読んでくれてありがとうございました。
おやすみなさい!


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