高槻市資産家養子の高井凛容疑者が自殺

大阪府高槻市の資産家の高井直子さんが、1億5千万円の生命保険をかけられ、浴槽で溺死させられた事件で、容疑者で養子の高井凛が福島警察の留置場で首を釣って自殺を図り、病院に搬送されましたが、午後10時21分に死亡が確認されました。

これは、大阪府警の大失態ですね。高井凛容疑者は持っていたTシャツを裂いて紐にして2メートルのところからぶら下げて首つり自殺を図ったようです。責任も取らずに自殺するとは身勝手過ぎて、遺族もやりきれないでしょう。

今回の事件から、働く意義についても考えてみたいと思います。どう考えれば、こういう事件を起こしてしまうのか、どう考えて仕事や人生に取り組むべきか、ということです。

それにしても、お粗末な事件です。署名を偽造して養子縁組をし、高井直子さんを殺害後、養子縁組を解消しようとしていたそうです。

それ以外にも、事件の前にも、高井凛容疑者は人殺しを知らないか、とか聞いていたり、事件後も養子縁組を解消しようとしたりと怪しまれる行動をたくさんしています。

さらに、高級車や高額のタワマンに引っ越したりなど、お金回りがよくなったことをSNSで投稿したり、怪しまれないのが不思議な行動をしています。

こんなあからさまにバレる行為をしていたのは、ある意味本当の悪党にはなりきれなかったのかも知れません。あるいは、単なるバカだから警戒心がなかったのか・・・

高校時代は、関西学院大学附属高校のアメフト部でクオーターバックをしていて、日本代表にも選出されていたので、スポーツエリートだったのでしょう。家も西宮でいわゆる上流階級だったのではないでしょうか?

とはいえ、西宮市も広いですから、西宮出身と言っても、藤原紀香の出身地の名塩はインターのある田舎なので、全てが高級住宅地というわけではありませんが。

そんな中で、高井凛は、上昇志向が強かったそうですから、周りの高級住宅地に住む人達よりは、所得の低い家庭に育ったのかも知れません。そういう家庭では、得てしてエリート家族に対する恨みを持っていて、復讐心をたぎらせている家族もいたりします。

西宮の資産家の家出身であれば、数億円、数十億円、人によっては1000億円以上の資産を持っていますから、そういう家庭の出身であれば、今回のような事件を起こすことはないでしょう。むしろ先祖伝来の財産を守ればよく、おっとりした性格の人も多いです。

高井凛は高校生の時期に、アメフトでオールジャパンに選ばれるほどでしたから、成功するのはチョロい、と思ってしまったのかも知れません。

将来アメフトでも活躍することを嘱望されていたのでしょうが、大学で筋トレ中の事故で脳出血を起こし、選手生命を絶たれたようです。アメフトから離れた後、高井凛の素行が変化したそうです。

それでも、関西学院大学卒業後は、ITコンサル会社に就職し、その後、日本最大手のプルデンシャル生命保険にヘッドハントされるくらいでしたから、サラリーマンとしても優秀な成績を残していたのでしょう。

ところが、保険契約を客に無断で高額なものに変更するなど、コンプライアンス違反が発覚し、さらに、殺し屋を知らないか、などと発言したことで、プルデンシャルも解雇されてしまいます。

そんな不正をしなくても、とも思いますが、プルデンシャルで不正をして月収100万円超え程度だったので、保険のトップセールスマンのMDRTが大勢いるプルデンシャルでは、普通の成績だったのではないでしょうか?

エリートでないと気が済まない性格だったのかも知れません。理想が高すぎるのも考え物です。

有名な話ですが、アメリカのチアガールで全米一を目指していた高校生が、全米2位で終わったことを苦にして自殺した、という話があります。1位でなければ意味が無い、という発想で生きてきたのかも知れません。

高井容疑者も似たような発想だったのかも知れません。

しかし、勝負は時の運、スポーツで故障して選手生命を絶たれる人も大勢います。

だからと言って、不正をして、養子縁組を偽造し、高額の保険金をかけて殺人して保険金をだまし取ろうとまでは、普通考えないでしょう。

高級外車に乗る、高級タワマンに住むなどステイタスを求めて無理をしすぎてしまったのでしょうか?

身の丈にあった給与で満足し、毎日改善を繰り返していけば、いずれMDRTとしてトップセールスマンになることもできたはずです。

なぜ、そこまで焦って成果を性急に求めてしまったのでしょうか?我慢して努力ができなかったのでしょうか?自分をエリートと勘違いした可能性もあります。

ガールズバーの女性に入れあげて数十万円のプレゼントを何度もしていたそうですから、見栄っ張りだったのかも知れません。それも、自分の収入の範囲内でやるなら別に問題ありません。

しかし、常にショートカットを求め、楽な道を選ぼうとしたことがこのような事件につながった可能性があります。

そういう話を聞くと、撰難楽という、言葉を思い出します。楽な道と難しい道があれば、あえて難しい道を選ぶ、それが結局は楽につながる、と言ったような意味です。楽しようとすると、ふと悪魔のささやきに耳を傾けてしまうこともあり得ます。

魂を磨くために、あえて難しい道、厳しい道を選ぶ考え方が高井凛にあったら、全然違った人生になっていたことでしょう。しかし、選択を誤ったために、他人に迷惑をかけるだけの人生になってしまいました。しかも、罪を償わず、自殺してしまうとは勝手過ぎです。

この事件を見て思うことは、先日亡くなった稲盛和夫さんのいうように、「人間として何が正しいか?」を常に考える生き方をすべきでしょう。仕事でも、「動機善なりや?」「私心なかりしか?」と常に問う生き方をしていれば、今回のような事件を起こすことはなかったでしょう。

そういう意味でも、今回の事件は、仕事への取り組み方、生き方について多くのことを考えさせられました。成功を焦らず、身の丈に合った努力を地道に継続し、稲盛和夫さんや、撰難楽の生き方をすることが長期的に成功する鍵、と再認識しました。

高井直子さんのご冥福をお祈りいたします。

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