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◆会社員だった夫が便利屋さんになった話◆


私たちが出会ったとき彼は
小さな会社で勤続15年、まあそれは取り柄のない普通の営業マンだった。

お付き合いをしているとき、いつか独立したいんだよね・・・と彼はよく話していた。

だからと言ってどういうことがしたいとか、どんな会社にしていきたいとか。そういったビジョンは曖昧だったように思う。

彼:本当は30までに独立したかったんだよね
私:・・・(もう過ぎてるけど?・・・大丈夫かなこのひと・・・)

アパレルで働いていた当時の私(3才年下)の年収と大差がないと知ったときは、結婚相手としてどうなのだろうかと正直真剣に考えた。



◆実はやんちゃな交友関係

華奢で色白で大人しくて、女の私から見ても頼りない見た目の彼

しかし知り合ううちにだんだんとお友達を紹介してもらう機会も増えてゆき、真面目そうに見えてこの人、実はそうでもないのかもと思うようになった。(友人の皆さんごめんなさい。笑)

それが彼の印象を覆すある意味、良い裏切りだったかもしれない。

特に地元の同級生には驚かされた、それはそれは個性豊かな面々だったからだ。
ごつくて一見怖そうなお友達から(このタイプの友人が一番多い)、見るからに優しそうなお友達(安心安心)、海外で自分のお店を経営しているお友達(意外~!)まで

度々連絡を取り合っては呑みに行ったり、夏にはBBQ、地域の秋祭りではみんなで神輿を担ぐのは恒例行事…
40代になった今でも学生時代のその交友関係は続いていて、はたから見ていて本当に微笑ましい関係である。

前途からお分かりになる通り、
もちろん夫は眩しい光を放つリーダータイプではない。自己主張だって少ない。普通にしているだけなのに夫の周りに人が、友達が集まってきて、彼を介していろんな事が潤滑に回っているような、そんな人柄なのだ。

交友関係は人柄を表す。私が尊敬している夫の一面である。



◆すでに決まったいた?便利屋さんへの道

独身時代、いつか独立したいと話していた彼だったが、私と出会う少し前から知人の紹介で副業をしていた
それが便利屋さん。今のお仕事の種になるものだった。

私もその知人の方に何度かお会いした。その方は彼より少し年上で便利屋さんのフランチャイズに加盟されていた。

フランチャイズ料(お仕事の紹介料)を支払い、依頼をもらい、お客様のところへ向かう。彼は平日昼間の会社員をしながら、仕事終わった夕方や休日に。人手が足りない時に知人から連絡がきてそれを手伝っていた。

今でも覚えている
仕事が終わった私を車で迎えに来くれた彼だったが、「このあと便利屋さんのお仕事があるけどすぐ終わるから待っててくれる?」と言われ、
デートの前に40分ほど車の中で待ちぼうけしたことがあった。

私が見たのはそれくらいだったが、知らないところで実は、便利屋さんとしての色々な経験を積んでいたのではないかと思う。そして本業と副業をしていく中で、自分にはこれだ!というものに出会ったのだ。

独立といえば、会社員で培った職歴を活かして!というのが一般的。そう想像してきたが、まさか彼が副業でしていた便利屋さんで独立し、自分がその妻になるとは。当時は思ってもみなかった。。


◆便利屋さんってなに?

そのお仕事に対して、はてなが多かった私だが
独立して5年以上が経過した今ではそんな質問の受け答えにもなんなく応じられる。

例えば小学校や保育園の保護者の集まりでは
「ご主人は何のお仕事をされているんですか?」そんな会話はよくある

クラスに20人、30人いたとしても便利屋さんをやってるお父さんには滅多に出会わない。

便利屋さんしています。というとそれはもう保護者たちの注目の的である。
「こんど○○お願いしちゃおうかな~」なんて言われることも少なくないので、なんだか自分の夫の口コミをしているようで恥ずかしい気もする。

ここ数年は夫への仕事の依頼が多く(コロナ渦もなかなか忙しかった)
平日週末関係なく私はワンオペになることも多い。夫婦揃って行事に参加できない時もあるので、この事を周囲の人が理解してくれていると私も居心地がよい。

便利屋さんに限らず、近年では独立や自営、フリーランスなどの肩書を持つ親は多い。そんな人たちが働きやすい・生きやすい世の中であってほしい。
この場所を借りて、そんな人たちや家族たちと交流ができることを願っている。


次回からは、実際に夫が便利屋さんでしていることや、びっくりするような依頼の話、便利屋夫の葛藤、便利屋さんあるあるなどを綴ってゆきたい。

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