答案講評例⑰:平成29年 意匠
平成29年の意匠は、偏差値としては53程度だと考えます。
問I問(1)について、靴下のかかとのように、物品の部分は物品には含まれません。2条1項かっこ書は、物品の部分の形態が意匠に含まれることを規定しているのであって、「物品に物品の部分が含まれる」とするのは不正確です。
問I問(2)の解答は、やや雑な印象です。問題文には、「意匠が物品に係るものとされている観点から述べよ。」とあります。保護の範囲が、平成18年改正以前、平成18年改正、現在の審査基準で、徐々に拡充してきたことを、それぞれ3-4行で説明する必要があります。
問IIについて、販売が譲渡であることをできればあてはめたほうがよいです。また、設問でははじめに、「侵害だと言われる理由」が問われていますから、「〜が侵害だと言われる理由である。」と、設問表現と解答表現とを対応させたほうがよいです。
侵害を否認できない→抗弁の説明、の流れはOKです。ただ、抗弁についても、「~を説明すべきである」という体裁で解答したほうがよいです。
先使用権について、受注活動が準備に該当するかは、ウォーキングビーム事件に即してあてはめたほうがよいです。それ以外の記載はOKです。
29条の2についてはOKです。
無効審判については、趣旨の記載が弱いです。
「瑕疵ある登録に基づき独占排他権を付与するのは妥当ではない」というのが制度趣旨です。
無効理由については、ちゃんと指摘できています。
設問表現と解答表現とをしっかり対応させるだけで、偏差値としては2〜3程度は上がります。
時間が残ったらこの点もチェックしたほうがよさそうです。
宗教法人としての法人格は有していませんが、お布施・お賽銭・玉串料・初穂料、いかなる名義や名目をもってするかを問わず、すべての浄財は24時間受け付けています(笑)