答案講評例⑭:平成28年 意匠

平成28年の意匠の答案は、偏差値でいうと54は確保できると考えます。

問題Iについて、設問の創作が「発明」(2条1項)であることを明示してください。
また、設問の美的外観が「意匠」(2条1項)であることを明示してください。
根拠条文は、できる限り条文の文言の直前で示すと、理解が伝わります。

 どのような態様で保護されるかについて、まず形式面ですが、問題では「説明すべき」対応を聞かれているので「〜を説明すべきである。」と解答してください。
 各論について、全体意匠が「取引の対象である意匠」あるいは、「現実に実施する意匠」であることを示したほうがよいです。
 部分意匠について、省令改正によって、部分意匠である旨の表示は不要になり(施規2条様式2備考8が削除)、意匠の説明の欄に登録を受けようとする部分を記載することはマストではなくなりました(施規3条様式6備考11)。令和元年の本試験では、改訂後の本試験で解答する必要があります。
関連意匠、秘密意匠の解答はOKです。

問題II問(1)について、意匠法の目的で、「競業秩序の維持」と書いてしまうと、「商標法の目的と混同している」印象を与えてしまいます。そのため、(3)の記載は書かないほうがよいです。そのほかの記載はOKです。

問(2)について、意匠の類否判断は、最高裁では一般需要者基準法律では需要者基準、と、正しく書き分けましょう。また、24条2項の明示はマストです。

 なお、問題IIでは、「法目的との関係で」という限定が設問にはあるのですが、この点について多くの受験生は満足のいく解答ができないと予想しますので、今回のように法目的との関係を書いていなくても、大きな失点にはならないと考えます。

 本問は、事案整理に時間を要さない分、問Iでは、解答表現の完成度が求められると想定できます。
 とりわけ、問題Iの「説明すべき」という設問表現と、解答表現とは、噛み合わせるように留意したほうがよいです。
 また、解答時間には余裕があるようなので、根拠条文は施行規則の様式レベルまで確認し、正しく明示するようにしたほうがよいです。

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