見出し画像

【音楽雑記】#66 ケヴィン・レトー(Kevyn Lettau):Your Smile(1991年④)

この頃に、ケヴィン・レトー(Kevyn Lettau)の「Your Smile」という曲に出会った。今でも定期的に聴きたくなるブラジリアンテイスト溢れる名曲だ。
作曲はドリ・カイミで、セルジオ・メンデスやサラ・ヴォーンのアルバムにも収録されている。(当時そちらを聴いたことはなかった)

ケヴィン・レトーの「Your Smile」

ケヴィン・レトーはポップスからブラジリアン・ジャズまで、ジャンルクロスオーバーなヴォーカリストだ。
1984年、セルジオ・メンデスに見いだされ、レコーディングやツアーに参加した後、1991年にソロデビューを果たす。

デビューアルバムは全体として、ブラジリアンテイストがありながらウエストコースト的な爽やかさもあるポップ、ジャズ、フュージョンサウンド。その洗練されたオシャレ感で当時J-WAVEなどでもオンエアされていたと思う。

デビューアルバム収録曲 「Your Smile」を聴いて、まずイントロから耳をもっていかれた。ガットギターに琴の音色が重なっていく美しいイントロのアレンジ。ブラジルフレイバーなメロディーが続き、サビでは転調を繰り返ながらメロディーが上昇していく浮遊感あるコードワーク。なんて良い曲だろうと感動した。

すぐさま参加ミュージシャンを確認すると、作編曲、ギターにドリ・カイミ(Dori Caymmi)の名前。そして琴を演奏し、アレンジをしているのはYUTAKAという日本人だった。(そこからドリ・カイミやYUTAKAについても調べて、アルバムを聴くようになっていった)

ドリ・カイミは父親とともに有名なブラジルのミュージシャン。今もJ-WAVEの「サウージ・サウダージ」によく取り上げられるレジェンドだ。
YUTAKA(横倉裕)は東京出身でGRPレコードと日本人として初めて契約したミュージシャンでセルジオ•メンデスとも繋がりがあるようだ。
現在、配信されているアルバムは少なく、日本であまり知名度は高くないようだが、素晴らしい作品を残している。

アルバム「ユア・スマイル」は他の収録曲も良い曲が多かったが、1曲目「Whenever Your Heart Wants to Sing」やラストの「Shooting For The Stars」も秀逸な曲だった。こちらはYUTAKAの作品だった。

ケヴィン・レトーはその後もコンスタントにアルバムをリリース。90年代前半に来日した折に、ライブを見ることもできた。(渋谷クワトロだった気がする)

YUTAKAの「Brazasia」

ケヴィン・レトーをきっかけに知ったYUTAKAは特に気に入って、その後もアルバムを買っていった。GRPレーベルからは4枚リリースしているが1989年のアルバム「Brazasia」は配信でも聴ける。ジャケットで見る外見はちょっと胡散臭い感じもあるが、その作品はアルバムを通してすこぶる完成度が高い。


1989年の「Budweiser Newport Jazz Festival in 斑尾」で、セルジオメンデス、ケヴィン・レトー、ドリ・カイミが映っている映像が残っている。

この記事が参加している募集

思い出の曲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?