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Talktuneがリリースされるまで#07

 前回、予告配信についての話をしたが、この裏では同時進行で音源の回収が行われていた。

歌データって?

 この記事を読んでくださっている方の中で、バンド活動や歌ってみたの活動をしたことがある事がある方が居ればわかって頂けるだろうが、基本的な収録は宅録と呼ばれる自宅での録音になる。
 もちろん、本格的なバンドCD作成や歌ってみた活動をしている方は、スタジオを借りての収録であろうが、今回の合唱企画はほぼ全員が宅録だ。更に言うと、機材(インターフェイスやマイク)無しのスマートフォン直撮りのメンバーも居る。
 もちろん19人も参加者がいて、各々に様々な環境や事情があり、そして全員が全国に散らばっている事もあり「この日までに全員必ず提出してください」とも言えない。タイミングを完璧に合わせることは不可能だ。

 各参加者に連絡を取るのはbeniwakareの担当だった。正直な話、前述のような理由で、データを集め始める前からきっと納期は延びるだろうと予想していた。
 しかし、これは嬉しい誤算だが、参加者のほとんどは納期をしっかりと守ってくれた。また、納期を超えそうな人は「遅れそうです」と連絡をしてくれた。
 単刀直入に言うと嬉しかった。と、同時に「みんなちゃんと社会人なんだな」と当たり前の感想を持った。ご協力、本当に感謝します。

 ただ、やはり一部の人はプライベートの都合でどうしても連絡が付き辛かったり、納期が遅れたりした。
 しかし、beniwakareからは「急いで欲しい」「早くして」と急かす事は出来なかった。基本的には「お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします」の姿勢だ。

 この「Talktuneがリリースされるまで」にも何度か出てきた話だが「beniwakareとナカザトトモヤがやりたい事に付き合ってもらっている」と言う、いわば引け目がこの頃にはまだ強かったように思う。二人のやりたい事を強要してしまっては意味がない。ややこしいプライドもあるが、「歌いたい」と思って貰いたい。その気持ちが強かった。

 納期を少しオーバーして、全員のデータを集め終わった。
 一番最初にデータを送ってくださった方から、一番最後にデータを送ってくださった方まで、丸2ヶ月と言う超長期スパンでのデータ回収となった。
 これは、遅かった方が悪い訳でも、早かった方がせっかちな訳でもなく、スケジュールを管理していたbeniwakareの責任だと今になって思う。もっと緻密なスケジュール立てをし、短期間でも歌えるような工夫はもっと出来たように思う。このデータ回収が遅れた事で、MIXを担当するナカザトトモヤも気を揉んだ事だろう。最後のデータを送った時は、心の中で「 お ま た せ 」と言ったものである。気苦労を掛けた事は申し訳ないと思っている。
 このデータ回収で学んだ事は多い。大人数の場合、グループDM等でまとめて発信すると確認して貰えるまでにラグが発生する事。連絡の頻度が低すぎると進捗しているか分からず参加者を不安にさせてしまうこと。納期は長めに設定しておいて正解だったこと。TwitterのDMグループはグループ名がつけれること…。
 もし、以後同様な企画を立てた時、活かしていこうと思う。

DMグループ作成からかなり時間が経ってから変更されたグループ名。誰からもツッコまれなかったのが辛かった。

 しかし正直、beniwakare、ナカザトトモヤ以外の16人(さがみ若竹センター様はナカザトトモヤが連絡を取っていた)全員と個別にやり取りを続けるのいささか大変だったので、次回以降は人数を絞りたい次第である。

ナカザトトモヤの苦悩

 前章の通り、歌データは一気に全員分が入る訳ではなく、日を追うごとに増えていった。beniwakareはデータを受け取り、ナカザトトモヤへ流す。もし不備などがあればまたbeniwakareがやり取りをする。ナカザトトモヤは受け取ったデータをオケ音源とMIXする。
 これを2ヶ月続けた事になる。
 一言で「MIXする」と聴くと、経験のない方は「オケとボーカル同時再生するだけじゃ」と思うかも知れないが、大間違いである。大切な事なのでもう一度言うが、大間違いである
 いわゆるMIXとは「ノイズ除去」「ピッチの補正」「歌音量の調整」「残響(エコー)追加」等を行うミキシングと、「全体の音量調整」「音圧をあげる」「(MP3やWAV等に)書き出す」等を行うマスタリングの事を指す。これだけ聞いて「へー結構大変なんだ」と思った方もおられると思うが、何度も言うように今回の参加者は19名である。前述のミキシングを19人分、しかもパート別(Aメロ+サビ+歓声声等)にデータを貰っているので、19✕3ないし4もあるデータを全部ミキシングしなくてはならない。
 尋常ではない。あたまおかしなるで。

 これはある意味、2ヶ月を掛けて徐々にデータを送って貰った事が功を奏したとも言える。
 仮に19人分のデータを1週間で一気に貰った日には、ナカザトトモヤは発狂していた事だろう。いや、発狂はしていたが。
 なにせ、Talktuneは完全オリジナル楽曲。既存の曲の既存のオケ音源を使って歌うのとは話が全く違う。楽曲のためのトラック(ドラム、ベース、アコギ、エレキetc…)もあるのだ。
 後日発覚したことだが、総トラック数は100を超えていたそうだ。想像を絶する労力である。ありがとうナカザトトモヤ、ありがとうMacbook(重すぎるという愚痴を幾度と聞いた)。

意見を貰える喜び

 こうしてMIXされた音源を、まず参加者全員に聴いてもらおうと言う事になった。聴いて貰うということが進捗報告にもなるからだ。最初に聴いて貰った音源は、作業が進んでいる事を知っていて欲しかった側面が強い。
 よって、最初に聴いて貰ったMIX音源は完成にはまだ至っておらず「これからしっかりMIXしていきますが一旦聴いてください」という状態だった。そして、まだ完成してないので「気になる所は教えて下さい」と。

 本音を言うと、ここで意見をしてくる人はいないだろうと思っていた。悪い意味ではなく「任せるよ」と言うスタンスの人が多いように思っていたからだ。しかし、実際はここで多くの意見を頂戴することになった。
 「ここのボリューム大きすぎると思います」「音質がもっと良くなってほしいです」「声が籠もって聴こえる人がいる」「アコギをもう少し聴こえるようにした方が」…
 ここに書ききれないほどの意見を頂いた。正直、beniwakareは嬉しくてニヤニヤしていた。自分の書いた歌を歌ってくれただけに留まらず「もっと良くなるはず」と改善点を教えてくれているのだ。こんなに嬉しい事はない。
 そしてきっと、ナカザトトモヤも同じ気持ちだったのだろう。頂いた意見を投げると「なるほど!やってみます!」とすぐに修正に入ってくれた。
 この「もっとよくしたい」という熱量に関してだけ言えば、beniwakareとナカザトトモヤはずば抜けているという自負がある。
 妥協は、したくなかった。

(そんなMIX作業をやっているさなか、Radiotalkの「バーガーピエロ」という企画番組にbeniwakareとナカザトトモヤがゲストとして呼ばれた。そしてそこでTalktuneの宣伝をさせて貰ったのだが、その時の音源と最終音源ではかなり差があるように思う。もし、バーガーピエロのその回を聴いて下さっていた方がいたら気づくかも知れない) 

 大きく改善されたのは音質やボリュームバランスだが、もっともっと細かいところまで調整をしていった。
 例をあげると「この人の声はもう少し中音域を上げて抜けるようにしたほうがいい」「女声のところがどうしても弱く聴こえるからもう少しだけボリュームをあげよう」「落ちサビはボーカルが徐々にクレシェンドするように」……本当にキリがなくなってしまうが、気になる所はすべてチェックしていった。

 最初に参加者に確認して貰ったデータも合わせると、MIX確認用音源はトータル7か8…。その全てが少しずつ違っていて、聴き比べるとどんどん良くなっていっているのがわかった。
 beniwakareは、漫画のセリフ的言い回しをすると「こいつ…戦いの中で成長してやがる…!!!」の気持ちでナカザトトモヤから送られてくる確認用音源を聴いていた。

 意見を頂いて、修正しては確認して貰う。この繰り返しではあったが、この繰り返しこそが「全員で作っている」と言う気持ちを強くさせた。それが、二人は嬉しかった。

 意見を出してくれた方からのOKを受け、beniwakareとナカザトが感じる違和感を全て払拭し、MIX作業は完了した。

そしてリリースへ

 2023年1月4日から転がり始めたこの物語は、いよいよ最終章、リリースだ。
 ここまでこの「Talktuneがリリースされるまで」を読んで下さった方。ありがとうございました。Tarlktuneを作るに当たって、多大なご協力を頂いた参加者の皆様に最大限の感謝を。ありがとうございます。この気持ちは筆舌に尽くし難いほどです。

 皆様にこの音楽をお届け出来ることを、とても嬉しく思います。
 リリース日、決定致しました。

2023年7月21日12時 Radiotalk内ナカザトトモヤの番組にてリリース決定!

 乞うご期待。

 そして更に…!
 リリース日当日の20時半頃からbeniwakareとナカザトによる打ち上げ配信も決定!!こちらもナカザトトモヤの番組にて敢行します!!
 みんなでTalktune聴きましょう!お疲れ様しましょう!!裏話もたくさんしたいですね。
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