バルサが育てた次代の帝―上橋菜穂子【守り人シリーズ】を読み終えて
もし誰かが表題のようなことを言っているのを聞いたら、私の中のバルサはきっとこんなふうに答えるのだろう。
「ちょっと待っておくれ、なんだいそりゃあ。わたしは、そんな大層な人間じゃあないよ。あれは、正真正銘あの子の選択の結果さ」
そんなバルサの声を空想しながら、それでも私は、チャグムという皇太子を育てたのはバルサだと思う。
【精霊の守り人】から始まるシリーズ奔流。
先日、【天と地の守り人 第3部】までを読み終えた。まだ短編など3冊(資料集まで含めると4冊)が残っているが、ひ