見出し画像

正月4日、学生は休み リビングのこたつヨギボに3人座ってる
「あけおめことよろ!」
ビールを注いだカップを伸ばし乾杯

「いつの時代の挨拶さ藤町さん」
香織がおしかけて宅呑み

「で?二人はどこかへ行ったの?」
「四ツ谷のお寺に行って、後はここに居た」

「なになに、ふたりでしっぽり愛を深めていたの?」
「うん、寝かせて貰えなかった」
僕はビールを吹き出しそうになった

「涼次の性技を味わっていたのね」
「まるで格闘技、涼次の弱点も解った」

「なになに、どこどこ?」
「んっとね」
「止めなさいって」
僕は缶からビールを注ぎながら止める

「今度教えてん♪」
「教える教える」

「実地で試そうよ」
「それも良いかも」
あのな、僕を貸し出すのか?

「やりすぎて少し飽きた?」
「飽きない、あの多幸感を香織ンにも分けてあげたい、まぢで」

「アヤさんさ、その発想、ある意味不遜だからね(笑) 香織さんは僕よりうーんと良い漢を捕まえるかもじゃん」
「あ~アルバイト終わってからさ、FFしてたらパーティ組んだ男が誘ってきて逢ったんよ」

僕はローストビーフとチキンを喰いながらアヤはビアカップを持って話を聞く
「チャットしてたら、けっこう頭の回転速くて、音声通話したらイケボ、FFだけど狩るでしょって年明けに会ったのさ 初詣」
「どこへ行ったの?」 とアヤ

「振袖着て豊川稲荷」
「香織ン着つけ出来るもんね」
来たのがチー牛とか言う落ち?

「それがさ身長180超え、ぴっとブランドものでセンス良く纏めたイケメン、女の子のエスコートの仕方も堂に入ってて」
アヤは目をキラキラさせながら聞いている

「32歳で大人じゃん、勤め先も商事だって言うから突っ込んで聞いたら丸の内に本社のあるあそこ、出身校も幼稚舎からあそこ 現在独り暮らしのマンション住み」
ほぉほぉ有望だね

「初詣終わって、晴れ着から洋装に着替えておいでって言われ、3時間インターバル後、弁慶橋を渡ったホテルで鴨を食べてボルドーの年代物を開けたと思いねぇ」
楽しい正月だね、着替えて来たってぇことは

「きぬぎぬのわかれ♪ 正月なのにセミスイート取っててさ」
あらゴージャス、

「でも、一応末永いお付き合いが出来る方かなと想ったから、エレベーター前で軽く拒否ってみた」
安く見られたくないもんね

「そうしたらさ聞いてよアヤっぺ」
アヤが興味津々でうんうんと頷く

「私の手首掴んで、エレベーターに引きずり込んで」
あららら

「鬼の形相で大人しくしてりゃいいんだよっ、ひぃひぃ言わせてやるだって」
余程切羽詰まってたのねぇ

「あざに為っちゃった」
香織の細い左手首が蒼くなっている

「本当凄い力でさ、部屋に連れ込まれたから、とりあえず大人しくする振りをしたら、ベッドルームへ押し込まれて、押し倒すって一連のコンボ」
香織さん危機一髪

「恥骨に硬いのぐりぐりされてさ、力抜いて、相手の首筋舐めて濡らしてから」
そこまではエロい 秘密クラブの元ナンバー1

「私だって、か弱い女の子だぞ」
逆転したんでしょ?

「たっぷり濡らした所にスタンガン押し付けた」
うわっ でもバッグは放しませんでした、隙見て取り出しましたって

「びんって私の上で痙攣しやがってさ、顎に頭突きくらっちゃった」
災難だったねぇ

「でさ、失神してベッドに上半身、下半身は膝ついてって感じだったから、思い切り蹴り上げ×5」
その気になってるところを蹴り上げたら折れてるんじゃない? 相手がひぃひぃ言わされちゃったわけだ

「免許証と名刺写真とってきたし、音声データーは有るから、ここへ来る前に晒してやった」
ひぃひぃどころじゃなくて泣きの涙だな(笑)

「涼次、よしよししてよ アヤッペお年玉だと想って我慢してね」
香織が僕の隣に座りなおす、胸に頭を預けてきた、アヤがうんうん頷いている、黒いパーカーにファンデーションがほんのり着いた。

こたつの中でアヤの脚が僕の脹脛にタッチしてる
「どうして無理やりなんだろう、良い雰囲気だったのに」

自分の感情、欲望をほんの少し抑えて思考のチャートを伸ばして香織の機嫌をとれたら、香織って言うステキな女の子と深い縁が出来たのにね
「そう思うでしょう、ジェンガを上まで積んでいったのに、いきなり跳ね飛ばす様なもんだよね」

大学や勤め先は嘘じゃないけど、中での立場は微妙なのかもね、本当に出来る人はIQ高いから、そんな事しないもん
「無理やりっぽいのも嫌いじゃないし、おぼこい少女でもないけどさ、まず信頼を築いて、女が怖いと思わないのが前提じゃんね」

人格がガキのままなんだろうね 困ったね、僕の唇に唇がタッチ、ぎゅっと抱きしめた

お尻をアヤに抓られた

「お年玉有難う、さて、帰ってモンハンやろうっと ごちそうさま」
用心の為タクシーを呼んだ、ロビーで待っていたら安全に乗れるでしょう

「男と女っていつになったら解り合えるのかな?」
アヤが僕の右の胸に頬を当てている

「男が膂力の差をきちんと考えて振る舞わないと、今は社会的な規制なんかで暴力を振るわない様に流れているけれど、システムに縛られてるから力を振るわないってのが現状じゃん?」
「gentleが必要だね、涼次は本当にジェントルで好き、安心できる」

「アヤが好きで堪らないからgentleをチャージしてるんだ、愛しいから嫌な思いをさせないように怖い思いをさせないようにって思考が動く」
「きっと女ごころ解っていないニブチンだけど、一所懸命予測して動いてるよね、あ~」

「何さ」
「私愛されてるんだ」

「何をいまさら」
「愛してるよ涼次」

アヤ、愛してる

女と漢 星に願いを捧げても解り合えるか否か











星に願いを

お邪魔でなければ、サポートをお願いします。 本日はおいでいただき、誠にありがとうございます。