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鎧戸が、かたかたと揺れるくらい風が強い、ティアは寝所で寝ていた、コーヒーを淹れるのに、IHをつけて、コーヒースプーンとドリッパーを支度したら降りて来た。

ドリップが降り切ったころ、爪とぎをバリバリして背筋を伸ばす。
「あいよ」 
僕はお気に入りのステンレスマグに入った珈琲を持って階段を降りて行く、
外猫さんの器を回収しないと、玄米を撒くのも、どうするか?

ドアを開けると、横殴りの雨
桜猫用の器は完食、雨水が器を洗ってくれている、外水道で洗って回収。
ティアは降りてこない。

2階の踊り場で不安そうにしていた
「横殴りの雨だよ、上へ行こうか」

僕が言うと踵を返す、僕の頭の中に在るイメージを観ているのが判る
3階に戻り、キッチンの爪とぎでバリバリをして、3つ有る猫器の真ん中前にちょこなんをする、イメージを読むのが下手な僕の為に、動作でイントロダクションしてくれる。

貴女から教わる事がなんと多いか

本当のコミュニケーション
相手が五感で感じていることに共鳴する事。
僕の発信する、それは容易く感じてくれる、僕は言の葉に頼りすぎる人という不完全な動物だから、受け取るのが上手くない。

コミュニケーションは共感で、どこまで深く共感出来るかが肝要

言の葉は人同士が共感を得る為、情報伝達のために使うのだけれど、共感の根元を、きちんとしていないと、大きな、ずれが出来てあやふやになる。

「人は、バカにゃっ」
「そうだね」
「言葉で思考するから、本当の危険以外の不安を呼び寄せて、その不安が、また不安を呼び寄せて、コミュニケーションの真ん中を見逃す」
「言葉を持っただけで、他の動物より、他の命より偉い気になっている?」

「言葉は確かにグレートツールだけれど、扱いが難しい分、邪魔になってるにゃっ」
「そうかもしれないね」

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「空気の様に、わらわたちを包む魂を感じられたら、言の葉の使い方も容易く、優しさをもって使えるようになると思うにゃっ」
「生命毎に身体と言う袋に入った、部屋毎の空気の様な魂か」

「それぞれの部屋の中身は部屋によって違うように見えても元は同じ、だから、言葉だけじゃなくコミュニケーションが取れる筈にゃ」
「見て、聞いて、思って、思い遣る」

「花が咲きたがっているのを感じたにゃっ?」
「元嫁が持ってきたから捨てようかと思ったのだけど」

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「人同士のしがらみより、生命のコミュニケーションを大切にしたにゃ」
「その方が楽しそうだから」

「爺の身体という部屋の外へ爺の空気を少しだけ出して、華の空気に触れたにゃ」
「それがコミュニケーションか」

「元嫁を嫌うのも、過去に囚われ、未来を不安に思うから、今、そこに居る花だけ見たら良いにゃ」
「貴女たちは、本当に身の危険の不安だけだものね」

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「あれこれ言の葉で未来の妄想を作り上げて、不安に陥る人はバカだし、そのとばっちりを喰うのは迷惑だにゃ」
「今在る事だけ楽しめば、不安は減る」

「自明の理にゃ」

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