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5月の御所グラウンド②

鴨川沿いを行く

朝の鴨川を眺むる

 旅に出ても、我らの目覚めは早い。午前4時には目覚め、好きな朝風呂と洒落込む。二度寝しそうな自分を励まし、6時半朝食。食べ終え、朝の散歩開始。
 鴨川沿いを散歩したいと言う相棒の希望通り、鴨川沿いを歩く。朝から、ランニング、散歩、自転車での通勤?と、いろんなスタンスで川沿いに人がいる。水は透き通り、朝日に照らされ輝いている。気持ちいいなぁ。

おーい、友達、元気?


 いくつかの橋をくぐったが、四条大橋を渡り、街なかを行く。どこを歩いているのかさっぱりわからぬが、町家風の建物にアウトドアの看板があったり、すごくおしゃれ。

モノクロでシック

  道々出会う修学旅行生のように、私もウキウキしてる。にぎやかな通り。シックな通り。自分の目が大喜び。そんな街なかに伊藤若冲ゆかりのお寺があってびっくり。それが京都という街なのだろう。
 かれこれ1時間ほど歩いただろうか。イノダコーヒー着。ちょうど甘いものが欲しくなっていた。珈琲とチーズケーキのセットをぺろり。

お店を出る頃には行列

 定番過ぎるけれど、イノダコーヒーはやっぱりはずせない。太朗も修学旅行で行ってきたと話していたっけ。

 

 
嵐電に乗る


嵐電

 またまた歩き、嵐電四条大宮駅へ。嵐電、乗ってみたかった。江ノ電と嵐電、そして弘南鉄道しか知らんけど。太朗と駅で落ち合い、一緒に嵐山へ。さすがに駅が人でごった返している。人の流れに沿って歩く。目の前に、いつか見た景色が広がる。あ~、修学旅行の写真のまんまだぁ!(また、これかよ!)しかし、このすごい人数の人間を内包してしまう嵐山の広さよ。緑濃く川の流れは清く・・・桂川にかかる渡月橋を渡り、今日の計画を話し合うのであった。

桂川にかかる渡月橋


 大好きなあの方に会う

 私は、嵐電の途中駅の太秦・広隆寺駅が気になっていた。調べてみると、広隆寺は京都最古の寺で、その本尊が国宝第1号の弥勒菩薩像とある。な、なんと、あれですよあれ、木造弥勒菩薩半跏思惟像!!
 と、いうことで同行者を説得し、また嵐電に乗り、太秦広隆寺駅へ向かう。太秦ですよ、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の舞台、「太秦ライムライト」の太秦・・・。


広隆寺


 京都は、どこに行っても混み合っているのであるが、広隆寺も例にもれず、ちょうど霊宝殿は修学旅行生が入った後であった。がっかりして、そのあとに続いた我らだったが、なんと静かな高校生たちよ。自分はどうであったろうとつい振り返ってしまった。そんな昔の自分など思い出せもしないが、薄暗がりの中、各時代の仏像たちと対面しているうちに、昔暗い中で巡り合ったであろう仏像たちに何となく親しみを感じた。その当時は、その魅力や価値に気が付きもしなかったろう。今だって、どうだか。でも、はっきりと今では、好きだと思う。待ちに待った弥勒菩薩の前では、「お久しぶりです。会いたかったです」なんて心の中で会話。思わず手を合わせた。大きな千手観音座像や手の欠けてしまった観音像が並んでいた。
 太秦横丁と呼ばれる通りを歩いていくと、大魔神の像が立っていた。わが妹が昔映画で見たという大魔神であろうか。

ここにおいででしたか


 また嵐電に乗り、御室仁和寺駅で下車。これまたすごい建物が目の前に迫ってきた。

仁和寺

 「古都京都の文化財」の構成資産として世界遺産に登録されているとあるように両側の仁王像がもうすごい。しかし、空腹の我らは、仁和寺近くの蕎麦屋「沙門」へ。運よく入れたのであったが、我らの後に入った隣の席の修学旅行生が、「(集合時間まで)あと〇分」とかいうのを聞いて間に合うのであろうかと気になった。あっという間に蕎麦屋の前に行列ができ、並ばずに入れて、今日は運がいいなあと思う。

お腹すいた〜


 蕎麦を食べ終え、仁和寺に後ろ髪をひかれながらも、次の目的地龍安寺へ。やっぱり行かないとね。石庭を見なくちゃ。ここもまた人でごった返しているのだけれど、みんな縁側に座ってじっと石を見ている。だんだん周りの人が気にならなくなる。いや、気になるかな。でも、見たかった、感じたかった。心が静まってくる。龍安寺周辺の緑の木々が木陰を作り出しているのが実にいい感じ。さわやかだ。

庭を眺める縁側にはたくさんの人

バスの運転手は千手観音のごとく
 
 

 バスに乗り御所グラウンドへ向かうことにする。あっという間にバスは満車になった。満車のバスを運転しながら、乗客を裁く運転手の手並みに感動した。わが街の弘南バスに見せたいお手並みである。観光の街のバス運転手はこうあらねばならないのであろう。ハンドルは、優しく、アナウンスも丁寧に。今日広隆寺で見た元48手あった観音様や千手観音様のようだった。まるで手が何本もあるかのように乗客を誘導し、目的地まで運ぶ。
「お客様、お詰めください。」物腰は、あくまでもソフト。ああ・・手を合わせて拝みたいと思った。

5月の御所グラウンドへ
 

 同志社前で降り、とうとう御所グラウンドへ。今日1日随分歩いたような気がするが、またまた歩いている。グラウンドでは、少年野球のチームが練習をしていた。歩いても歩いても出口が見つからないような気がしてきた。
 さすがに夕方近くなり、朝四時から行動している我らはちょっと息切れしてきたのだろう。早い話がもう眠いのである。喫茶店で一息いれて、夕方4時からやっている店を太郎が見つけてくれてそこへ行くことにする。ホテルに戻ったら寝てしまいそう。行列の出来ているラーメン屋さんの近くを通る。さすが京都、行列は当たり前なんだろうけれど、どうも苦手。
 お店に到着。どんなところだろうか。

いい感じの入り口


串焼きのお店でした

 席に通されてほっと一息。電話がじゃんじゃん鳴り、店主が全部断っていたところを見ると、入店できたのは、ラッキーだったのだろう。先手必勝の1日だった。
 今日1日の旅をふりかえり乾杯。あらためて京都の奥深さ、懐の深さに感服。この地で学べる太朗を祝福し、訪れることのできた我らも感謝し喜んだ。
 
 
 


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