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【029】情報という「執着」製造機

こんばんは。300カモです。
先日初めて他の事務所の弁護士と共同受任した事件で,
その弁護士が相手方からの書面などをそのまま全てスキャンしてクライアントへpdfでメールしているのを見て驚きました。

僕の内心「これ弁護士いる意味ある?笑」
先輩なので言わなかったですが,これだとただの伝書鳩です。

情報が執着を生む
よく言われる話を思い出したので考えをまとめてみます。

余分な情報が執着を生む

「良く」生きる方法として,執着を減らすということが言われます。
執着とは,ある事柄に心が奪われてしまう状態のこと。
たとえば朝のワイドショーで凄惨な事件のニュースを見たとして,
それで気分が落ち込むのも執着です。「悲しい事件」ということで執着が生まれているのです。

そのニュースは明らかに余分な情報。
知ったところで自分は何も出来ないし,行動にも繋がらないからです。
7つの習慣でいうところの影響力の範囲外だということです。

だから僕は朝はテレビをつけません。
犬を見たら「かわい〜」とかは思いますが,それ以上何もうまれません。
朝の時間はリラックスタイムでもないので別にほっこりする必要もありません。

朝のワイドショー以外でも,
知らなくて良い情報が人の執着を生みます。

誰が誰のことが好きだとか嫌いだとか。
誰がなんて言っていたとか。

そんな人間関係のことを知ったところで何も変わりません。
影響力の範囲外です。

こうした情報をデトックスすることが執着を減らす方向へ繋がります。

弁護士は全ての情報を見せるべきか

それで最初の話に戻ります。
弁護士はクライアントにあらゆる情報を見せるべきでしょうか。

弁護士倫理上はさまざまな議論があることは知っています。
でも僕は,場合によっては全ては見せません。

よくある例が感情のもつれが多い家事事件。
相手方から「あの人(クライアント)のあそこが気に食わないって言っといて!!!」と言われたとしてもクライアントには伝えないことの方が多いと思います。
伝えたからって何もならないから。

では裁判での書面はどうでしょうか。
僕は毎回,裁判案件では,クライアントの方へ「相手方から書面が提出された場合,書面をそのままご覧になりますか。それとも要旨だけまとめて私からお伝えした方が良いですか。」と尋ねます。

ほとんどの方は裁判経験がないので,人生の勉強として「そのままを見てみたい」という方が多い印象です。
しかし中には,事実関係の認識の齟齬や,当方への批判などを含む書面も提出されるので,それを見たらどうしても気分を害します。

もちろん反論はするのですが,
一旦情報として見てしまった時点で,相手方へのヘイト,憎悪,悲しみなどの負の感情が生じることがほとんどです。

執着が生じるのです。

弁護士が要旨を伝えて,事実関係で確認が必要であれば表現を変えて質問すればいい。
クライアント本人が「見なくていい」「見たくない」と明言するケースにおいては,僕はもう書面自体は見せず,
要旨のお伝えと質問だけします。
本人がどう感じられたかももちろん重要ですが,反論のための情報さえあれば書面は作れるからです(その提出書面は必ず事前確認していただけますが)

これって結局,弁護士を含む士業って公的サイドに寄ることもありますが,本質はサービス業だという点に帰着します。
サービス業である以上,クライアントのニーズを最大化しなければならない。
ということは無用な執着は与えるべきではない。

冒頭に挙げた弁護士は保身保身的な弁護士です。
弁護士はサービス業」との価値観が違っているのかもしれません。

紛争を弁護士に依頼するメリットの1つは,自身が矢面に立たなくてよくなること。
それにもかかわらず,相手から反論書面という「矢」を本人に浴びさせるのは,そのメリットを提供していないということ。
ただの伝書鳩です。

人のやり方にケチをつけるのは良くないですが,機械的に情報全部を伝える冒頭の弁護士のやり方は疑問に思います。


29日目ステータス

スキル +1


最近毎日心拍数140回/分で早歩きをしています。
ラーメンも食べてないので健康体まっしぐらです。
もっと本要約チャンネルで健康を勉強します。

ではまた明日👋



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