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アマゾンの港町のバーテンダー事情。


今回いくつかのブラジルはアマゾン体験の記事を書いた。↓



そもそもなんでアマゾンへ行ったのか?


それはもう単純に行きたかったし
昔から大いに憧れていた場所。


でも一言で一口にアマゾンと言っても広大だ。
アンデス山脈から程近いボリビアやペルーなどの源流域から国境を越えブラジル。中流域、下流域と。僕らが赴いたのは中流と下流域の間のサンタレンというアマゾン本流域の港町を拠点に回った。

マナウスをちょっと下ったとこあたりにサンタレンという街がある。




なんでサンタレンという街を拠点にしたのか?


きっかけは一通のInstagramからのメールだった。

僕が今年の3月にボリビア行ってた時にもらったメール



そこから話が進んで
サンタレンの街でゲストバーテンダーと現地のバーテンダー向けにセミナーをやってくれとの事でアマゾン行きが決まった。

現地のローカルのバーテンダーだと
カイピリーニャかモヒートくらいしか知らないから『色々教えてやってくれ』みたいな感じで、その代わりの報酬として【アマゾンを色々案内】するみたいな形で話がまとまった。

そう、逢ったこともない人に
『アマゾンおいでよ!案内するからさ‼︎』

正に【出会い系】みたいな感じのノリで
そのアマゾンのブラジル人を信じて友達の日本人バーテンダーとみんなで一緒に仲良くアマゾンへ行った。

大阪『craft room』店主 藤井氏
福岡『Sebek』 店主 大津氏
東京『liquid factory』店主齋藤氏 
東京『BenFiddich』店主鹿山

そして真ん中がサンタレンの港町の中心街にある『Maniva Bar』の店主ロドリゴだ。
彼はサンパウロやロシア、タイ、アフリカなど世界各国でバーテンダーを経験し、今はアマゾン川の本流域の港町のサンタレンで自身のBarを開いた。

テラスのある席でも飲める。
夜でも昼間の熱が籠っていて立っているだけでも汗がでる過酷な環境。


そして日中には日本人バーテンダーセミナーをやった。サンタレンの街にも日系人コミュニティがあり日本語→ポルトガル語で通訳をしてもらった。

若いバーテンダーの子達が集まってくれた。
遠くはわざわざサンパウロから。


ブラジルは国土が広大だ。

ブラジルで一番大きな都市であるサンパウロならば何でも揃うだろう。

日本も小さな国というのもあるが日本全国どこにでもインフラが整っててどんな田舎でも東京の物は大抵手に入る。

アマゾンの本流域の港町では
酒類がほとんど揃わない。

まず
カンパリやベルモット、その他カクテルに使われる副材料が酒屋に出回っていない。
だからBarにおいてはお客様が出張や旅行の際に持ち帰ってもらう事が多いそうだ。
現に鹿山も店主のロドリゴから

店主ロドリゴ
『サンタレンの街ではライウィスキーが手に入らないからNY経由でブラジル入りするならライウィスキーを買ってきてくれ』

と頼まれた程だ。

でも手に入らないからこそ
人はたくましくなる


まずサンタレンの街のバーテンダーは

①カンパリやベルモットが手に入らないから例えばベルモットなどはブラジル産ワインで自家製を造る。ビターズもだいたい自家製だ。

日本だとクラシックカクテルで使う酒類は全て手に入るし都市部ならば電話一つで酒屋が当日でも配送してくれる。

②純氷の氷屋がないので大きなバケツで氷の塊を作り自分達で切り分けて造る。

日本だと氷屋文化が存在するのでクオリティの高い氷がいつでもどこでも手に入る。

③水道事情が日本みたいにそこまで良くないから水はチョロチョロだし、アマゾンの水は酸性だから洗い物してるて手がシワシワになる。電気も脆弱だ。基本自分で配線、配管は自身で管理できてた方が良さそうだ。

日本の都市部だとなんでも故障したら電話一つで修理に業者が駆けつけてくれる。

④アマゾンの果実類に関しては超豊富。日本の比じゃない。安いし選択肢が多い。

これに関しては日本は負けてる。
果実が超美味い(トロピカル系)

①②③に関して。
日本は本当に恵まれてるなぁって。


少なくともアマゾンのサンタレンの港町のバーテンダーは①②③に関しては自分達でボチボチのところまでやらなくてはならない。
『大変だなぁ』っていうんじゃなくて
なんかちょっと
『羨ましいなぁ』とも思った。

店主のロドリゴはモスクワやバンコク、ドバイ、アフリカ、サンパウロなど色々な場所で経験をしてるから知ってるけど
サンタレンの若いバーテンダーの子達は①②③に関しては自分達でなんとかしないといけない環境下からスタートをしている。
つまりは楽な環境を知らない。

もちろんネットとかでは知ってるかもしれないけど
体験はしていない。

日本や他の国々でインフラが整ったとこでいきなりバーテンダー始めるよりもこういった所からスタートすると強いなぁって。
19歳だったかな。1人の若いバーテンダーの子は『チャンスがあるなら日本へ行きたい』って言ってた。
バーテンダーへの情熱がそのままあるならば是非ともBenFiddichでも雇いたいなぁって思った。

アマゾンのサンタレンの港町のManiva Barのスタッフ達と日本のバーテンダー達



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