チリ.ピスコ蒸留所の現在
チリ大使館よりチリ.ピスコを日本に普及させる為の活動の一環として日本のバーテンダー及びインポーターが現地のチリに招待され短い期間ながら様々なチリ.ピスコ体験、探訪をしてきました。
『ペルーのピスコ』,『ボリビアのシンガニ』のように最近日本に少しずつ定着し始めてますが
『チリのピスコ』ってそれらよりもまだまだ認知は少ないかなぁって思います。
チリ渡航で得た経験を僕自身の備忘録として少しずつ記事にして置いておきます。
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素敵なチリ独特の現代的飲酒文化↓
【現地五日間訪問したチリ.ピスコ蒸留所】
〜コキンボ州、アタカマ州〜
piedras Juntas蒸留所
paitanas蒸留所
El churcal 蒸留所
Fundo Mirador蒸留所
Don Gudelia蒸留所
Pisco Coquena蒸留所
Armidita蒸留所
Desert 蒸溜所
Fundo Los Nichos蒸留所
Mistlal蒸留所
Capel蒸留所
Tomas gray蒸留所
12のチリ.ピスコ蒸留所。
写真の通り緑の部分と木々も生えない場所が分かりやすく別れてるのがピスコ蒸留所のあるエリアの特徴だ。↓
場所によっては一面広がる砂漠だ。
チリにおいては
ピスコと名乗れるのは法律的に
コキンボ州とアタカマ州の2州のみ。
現在チリにはいわゆるオフィシャルで
ピスコを作る免許を取得しているのは
アタカマ州 23社
コキンボ州 52社
となる。
特徴で言うと
アタカマ州のピスコは小規模な個人経営
コキンボ州は近代的な設備を整えた会社経営
といった感じか。
造り手の多いコキンボ州は
ピスコ.エレキ(Pisco Elqui)というチリピスコにおいてピスコ発祥の地と謳う大切な谷がある。
ピスコ.エレキ(Pisco Elqui)には大規模な生産者が多い。
24時間稼働し
年間1000万本以上もピスコを生産する力を持っている蒸留所がいくつもある。
それに加えて1800年代に創業した老舗も多くまさしくチリ.ピスコにおいての桃源郷。
反対に小規模の生産者が多いアタカマ州。
例えばpaitanas蒸留所の蒸留機。
アルマニャック式の小型蒸留機で作っている年間生産量4500ボトルの小規模ピスコ蒸留所。
El churcal蒸留所においては
シンプルな単式蒸留機。↓
こういうスタイルもチリにはある。
Fundo Mirador蒸留所においては
バスタブを冷却層にして作っているバスタブピスコ。3年前まで実際に使っていたらしい。
それ以外の小規模〜中規模になると
こちらの蒸溜機がいわゆるチリスタイルとして広く使われている。
一回蒸留で蒸留塔の中にプレートが6枚〜10枚入っており一度の蒸留でアルコール度数を精製するシステムだ。そして加水をして瓶詰めする。
たぶんこれがチリピスコとペルーピスコとの大きな違いだろう。
僕の中で↑が教科書で勉強した知っているチリピスコの世界観だ。
でも実際にチリに赴き現地を見る事で教科書にはないチリピスコも見る事ができた。
免許を受けているところでも
単式蒸留機で作ってるとこもあれば
バスタブの冷却路で数年前まで作っていた蒸留所もあれば千差万別だ。
チリ国内には75社のピスコ蒸留所。
聞くところによると
ここ15年以内に小さな造り手も製造免許を取得し
ピスコを作り始めたらしい。
(実際は免許交付以前から皆が作っていた)
そして世代交代が進んでいると。
小規模生産者も順次右のような小さな蒸溜機から左のチリスタイルの蒸溜機へ切り替わっている。実際に僕らが訪れた時にいくつかの蒸留所は『あと少しで新しい蒸留機が届くんだ‼︎』みたいな話をしていた。
たぶん大手などに葡萄だけを供給している葡萄農家は今でも自前で小さな単式蒸留機で作ってるのかなぁって思う。
はたまた免許を取得しこれから外に売り出そうという小規模ピスコ蒸留所はいま順次設備を整えて準備しているのだなぁって感じた。
ちょうどそのチリピスコ黎明期を見た気がした。
チリ政府の政策によって
15年以内続々誕生した小規模ピスコ蒸留所と
歴史と伝統を持つ大手のピスコ蒸留所。
この二つのタイプがこれからチリ.ピスコスタイルを面白くしてゆくのだろうと感じた。
チリの皆様、良い経験ができました。
本当にありがとうございました。
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