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チリのピスコサワーとペルーのピスコサワーの比較。



今では世界での
グローバルスタンダードカクテル    
『ピスコサワー』


ピスコとは南米のペルー又はチリが発祥と謳う葡萄由来の蒸留酒だ。どちらが発祥かは諸説ありチリとペルー間で論争が起こっている。
細かいところは各々の言い分があるので割愛するがそれらピスコを使ったカクテルで世界中で認知されてるカクテルが
『ピスコサワー』

空港内で見かけたピスコサワーの絵面。


基本的に世界中で認知されているピスコサワーは上の絵面で分かるようにフワフワ卵白を使ったペルースタイルのピスコサワーが主流だ。

【ペルースタイルのピスコサワー】

ピスコ
ライムジュース
シュガーシロップ
卵白
アンゴスチェラビターズ


2023年にペルーの首都『リマ』へ伺った際もこの卵白を使ったフカフカなピスコサワーが標準だった。

真ん中にチョコンとアンゴスチェラビターを垂らすのがペルースタイル



チリのピスコサワーはというと
白とアンゴスチェラビターズを使わない。

【チリスタイルのピスコサワー】

ピスコ
ライムジュース又はレモン
シュガーシロップ

シャンパングラスで提供されるケースが多い


両方現地行って色々な場所で頼んだピスコサワー。もちろん店によって標準スタイルのレシピが違うが自分が感じたチリピスコサワーとペルーピスコサワーの違いがこちら↓

あとチリピスコのもう一つの大きな特徴はレストランなどの大型店に行くとフローズンスタイルでピスコサワーが提供されているのも大きな特徴の一つだ。

フローズンスタイル
ジャスコとかのショッピングセンターのフードコートにあるフローズンマシンでピスコサワーがグルグル回ってるのだ。実はこれがかなり美味。


このフローズンスタイルのピスコサワーはかなり
広範囲にチリという国に定着している。


では卵白入りのピスコサワーは
チリにはあるのか?

チリピスコ協会の偉い人に聞いてみた。

チリピスコ協会の偉い人

鹿山
『なんでチリのピスコサワーは卵白やアンゴスチェラビターを使わないの??

チリピスコ協会の人
『19世紀のピスコサワーの古典的なレシピというのはピスコ、柑橘、砂糖のみ。このレシピを協会では推奨している。卵白やビターズは使わないんだ。卵白入りは20世紀初頭以降ペルーから始まってるんだよ。』

鹿山
『それじゃあ20世紀初頭以降でもチリでは卵白入りのピスコサワーは作らなかったの?』

チリピスコ協会の人
『いや昔は卵白入り作ってた。然し乍らその後に卵白は使用されなかった。なぜなら今から約25年前〜30年前にチリでは食品衛生法で生卵の使用を禁止した事があるんだ。故にピスコサワーの卵白入りは協会としては推奨されなくなった経緯があるんだ。因みに今では生卵は使用可能となっているよ』


そう、一度チリにおける食品衛生法で生卵の使用が禁じられた経緯からチリピスコ協会としては卵白無しのピスコサワーを一つの理由として推奨している。

それが故に進化しいつからなのだろう、このジェラード状のチリピスコサワーが誕生したのだ。

鹿山お気に入りのチリ式ピスコサワー


美味しいんだなぁ。これが。
これをBenFiddichでやってみたい。
ジェラード状のピスコサワーに様々なハーブやスパイスを混入した魔改造チリピスコサワーを作りたい。

ヤフオクで検索したらあった。

けっこう高いんだなぁ。あれって。

買うかどうかは今これを書きながら悩んでいる。

BenFiddich行って置いてなかったら泣く泣く諦めたと思ってくれ。


※ピスコサワーの歴史については
ペルー側の解釈とチリ側の解釈
そして発祥の地でもお互いの国の主張があり、さらにはカクテル歴史家でも色んな主張があるのでここでは簡単にはまとめられない

一つ言えるのはスペインが葡萄の苗木と蒸留技術を500年前に今のチリとペルーの場所に持ち込んだ段階で同時多発的に新しい文化が育まれたのは確か。

今回僕はチリ側のピスコサワー文化圏に足を踏み入れた。ジェラード状のピスコサワーは美味しかったし、今後広めてゆきたい。


BenFiddich 店主
鹿山博康


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