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いつも、とくべつ。

いつもの朝が、
とくべつな朝に、
変わるとき。

いまから降るだろう雨の匂い、
少しじめっとした頰を撫でる空気、
まばらに道を歩く通行人。

見える景色も、聴こえる音も、
いつもと同じはずなのに、
まったく、ちがう。
明るく、ちがう。
なぜだか、愛おしい。

すやすや光る北極星、
心地よい鈴虫のメロディー、
ひんやりしたはらっぱの感触。
夜がこのまま明けて欲しくないと、
心の中で密かに願った、永い夜。

あたたかな木漏れ日を纏う感情は、
いつもをとくべつにしてくれた。
それだけで、しあわせだった。
隣にいるだけで、涙が出た。
しあわせ、ひと粒。


会いたいと思ったら、
会わなければいけない。
好きな人がいたら、
好きだと言わなければいけない。
花が咲いたら、祝おう。
恋をしたら、溺れよう。
嬉しかったら、分かち合おう。
幸せな時は、
その幸せを抱きしめて、
百パーセントかみしめる。
それがたぶん、
人間にできる、あらんかぎりのことなのだ。
「日々是好日」森下典子

#空 #エッセイ #秋の朝
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#素直が1番

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