「駅構内の売店でタバコを売っているのに喫煙所がないのはおかしい」投稿への批判にお答えします。

Twitterで、匿名アカウントから散々なご批判をいただきました。私がTwitterで、駅のゴミ箱が撤収されていることへのコメントに合わせて、「駅構内の売店でタバコを売っているのに喫煙所がないのはおかしい」と書いたところ、多くの方からご批判をいただきました。

匿名で実名顔出しの人間を批判する。
面識のない人間に当てて匿名で見下したようなリプライを送る。

SNSは匿名で自由に投稿できるとは言え、なんともモヤモヤした気持ちになりました。Twitterで反論しても、相手は匿名で自分を安全な場所に置いた上で罵るわけですから、議論になりません。こちらは実名顔出しです。

以前、「同じことを実名顔出しで言えますか？」と返信したら、「ここはTwitterだ、嫌ならTwitterやめればいいだろう」と言われました。そうか、そもそも話が通じないんだ。会話するつもりもない。言いたいことだけを言って立ち去る。それがSNSだと。（誰が決めたのだろう）

匿名の方は「問題解決のために議論をする」のではないのです。チューハイの空き缶を見えない場所から投げつけるような、品のない言葉を使われるので、個別の反論そのものには意味がないと考えました。

以下、私なりの経験から、駅のゴミ箱問題と喫煙所問題を考察します。

問題提起になればと思います。ご興味があればお読みください。論点は、

駅のゴミ箱がないことの功罪
駅構内の売店でタバコを売っているのに喫煙所が整備されていないことの是非

です。私の意見が絶対正義ではありませんから、反対側の意見も大歓迎です。駅利用者の方や鉄道現場の方の生のご意見も是非、伺いたいです。

ただし、人格攻撃や品のない言葉でのマウントはお控えください。

＜お伝えしたいこと＞
・私は喫煙者ではない、副流煙嫌い、ゴミも持ち帰る
・駅員時代の現場感覚
・思考停止の締め付けは逆効果
・ゴミ箱はあったほうが治安は保たれる
・喫煙者は絶対悪か
・禁煙ファシズムとワクチンファシズムは根が同じ
・無自覚なファシズムへの加担
・Twitterの匿名性とSNSの功罪

・私は喫煙者ではない、副流煙嫌い、ゴミも持ち帰る

前提条件として、私はタバコは吸いませんし、副流煙は大嫌いです。吸い殻のポイ捨てもけしからんと思います。駅にゴミ箱がなければ自分で出したごみは自宅まで持ち帰ります。当たり前のことです。

・駅員時代の現場感覚

駅のゴミ箱と喫煙問題は、私が駅員をやっていた頃に遡ります。私は小田急線の経堂、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵の３駅で勤務していました。

駅員としてゴミ箱から適宜ゴミを回収するのですが、駅のゴミ箱って、信じられないようなものが投げ込まれます。

家庭ごみはもちろん、
酔客の汚物（ゲロ）、糞尿、赤ちゃんのオムツ、動物の死骸、注射器、スリが中身を抜き取ったのち捨てた空の財布。

人生の縮図というか、駅のゴミ箱がこれなんだから、清掃会社の方はどんな思いで日々仕事をされているのだろうと思いました。

そして今、様々な理由で駅からゴミ箱がなくなりました。

・思考停止の締め付けは逆効果
・ゴミ箱はあったほうが治安は保たれる

駅員さんがどんな気持ちかはわかりませんが、ゴミ箱がなくなると駅は逆に汚れるのです。私にリプで汚い言葉を投げかけた方々の主張は「持って帰ればいいだろ」です。そう、その通りなのですが、私を責め立てた皆さんのように（言葉は汚いけれど）品行方正な方ばかりではないのです。

ゴミ箱が駅からなくなると、ホームのベンチ、自販機の裏、トイレ、駅の様々な死角にごみは放置されます。車内も同様です。ワンカップやビールの空き瓶、空き缶が車内を転がっています。

タバコも同じです。喫煙所を撤廃すると、隠れて吸う輩がいます。
電車内や駅構内のトイレ、柱の向こう側、ホームの端など。
駅員さんが注意すると、確実にキレます。

厳しく罰すればいいだろうと簡単に言いますが、駅員や車掌が注意すると高い確率でキレます。警察に突き出せと簡単に言いますが、駅構内やトイレでの喫煙程度では警察も動きません。
暴行や傷害があって、ようやくです。それでも現行犯逮捕などしてはくれません。被害届を出してもほぼ不起訴処分です。

殴られ損です。

喫煙を咎めて、私も何度、殴られたかわかりません。胸ぐら掴まれる、突き飛ばされるなど日常の光景です。

品行方正な方は「ダメ、絶対」で思考停止です。
その先のドロドロした現場からは目をそらします。

・喫煙者は絶対悪か

成人喫煙率は男性27.1％、女性7.6％、男女計16.7％（2019年）。
私の近しい人にも喫煙者は何人もいます。皆さん、素敵な方ばかりです。
喫煙者＝悪　の構図を定着させるのは良くないです。

副流煙の問題は完全分煙で解決します。駅構内に密閉された喫煙所を設けるなどすれば良いのです。煙がもれて臭い？私もそう思います。でもね、何事にも完璧はありません。煙臭いのは、パチンコ屋さんの強力換気システムから学ぶことはありそうです。（私はパチンコはやりませんが、パチンコファシズムも反対です）

・禁煙ファシズムとワクチンファシズムは根が同じ
・無自覚なファシズムへの加担

今回、叩かれて改めて感じたのがファシズムへの恐れです。東京の緑の都知事がコロナ初期に夜の街とパチンコ店をスケープゴートにして叩いた時、世間は安易に同調しましたよね。時の権力者はこの「ファシズム」を必ず利用します。

タバコも叩いておけば世間の多くの人が同調します。タバコ税をあげても批判の声はほとんど聞かれません。

駅構内に喫煙所がないのはおかしいと書いただけで、これだけ叩かれるのです。そして、私を面白がって責め立てた人たちにはファシズムに加担している自覚がない。

戦争もこうやって起きるのです。私の母も、親戚も、当時のファシズムに気がついていました。大本営、憲兵、みんなおかしいと思いながら、真面目な人ほど同調する。今、同じことが起きていませんか。
ワクチンを打ちたくない人を責め立てるのも、同じ構図です。

コロナ禍で、スケープゴートにされた対象を思い出してみてください。

パチンコ屋
夜の街
飲食店
お酒
旅行
学校

ファシズムは決して可視化されません。だから怖いのです。

・Twitterの匿名性とSNSの功罪

最後に、SNSの匿名性について。
社会で多くのストレスを抱えた人たちは、そのはけ口を探します。
それこそ、タバコかも知れないし、お酒やパチンコ、ギャンブル、夜の世界、またはゲームや趣味の世界でガスを抜きます。私は旅をします。

スポーツに昇華できる人は立派でタバコを吸うのはダメだと、誰が言い切れるでしょうか。タバコを吸わなきゃやってられない仕事はあります。現場のブルーワーカーの人たち、医療関係者にも喫煙者は多いです。ストレスが半端ないのです。

SNSで、匿名だからと自分を安全な場所に置いた上で他人を無自覚に攻撃する人が最も危ないと思っています。

まだタバコを投げ捨てている人の方がマシです。

タバコを投げ捨てても人は死にませんが、女子プロレスラーの方の悲劇があったように、SNSの匿名性は人の命すら奪います。
加担している側に自覚がないって、怖いのです。

私のような無名の人間でも、叩かれたりバカにされたり、マウントを取られたら心が揺らぎます。

芸能人や有名人だって人間です。匿名アカウントから面白半分で叩かれたら、メンタルやられるだろうなあと同情します。

詰まらないマウントを取って溜飲を下げる人たちに伝えたいのですが、ガス抜きはSNSの匿名アカウントでは、やらないほうがいいです。人を不快にさせて、あなたは幸せですか。あなたの人生の目的って、匿名で人に唾を吐き捨てることですか。

あなたも実名の世界では真面目な社会人なのでしょうから、匿名の世界に来た途端に人格を変えるようなことはやめましょう。

同じ社会の一員なのですから、もうちょっと違う人生を送られてはいかがでしょうか。

SNSを匿名で発信できることには多くのメリットがあります。巨悪や権力への監視、時には批判、愚痴など。立場上、実名では言えないこともあるでしょう。

今の子供たちのようなデジタルネイティブ世代は、むしろ安全性への教育なども行われています。

成人してからスマホやSNSを獲得した世代の大人たちは、リテラシー教育など受けていないので、平気で無自覚に人を貶めるような行為に走るわけです。

タバコのポイ捨てには火災になるリスクや街が汚れるリスクが可視化されていますが、SNSの攻撃やマウントは「相手への心理的ダメージが見えない」だけに深刻です。

炎上というほどでもないので、Twitterをやめるほどのことではありませんが、スマホのアプリは削除して、自分の人生の大切な可処分時間を、匿名で無自覚な人に奪われないようにしようと、学びました。

Twitterは善意の人が繋がれば、素晴らしいツールなんですが、秒で恐ろしい人工災害が発生するリスクも高いことに気づかされました。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

私は自分の発言には責任を持ちたいので、これからも実名顔出しで発信を続けます。

文責：ベルテンポ代表　高萩徳宗