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毎日着物生活 新しい日常

今年のゴールデンウィークに入ってから、毎日を普段着用の着物で過ごしています。

まる1ヶ月を毎日着物で生活して、今の私が思うことをまとめてみたいと思います。

普段着物を始めた理由

さて。そもそもなぜ、普段着物で生活しようと思ったか。理由は簡単です。

「閉塞された日常を変えたい」

2021年現在、世界的なパンデミックで日常が、今までの日常から形を変えてきています。望むと望まざるとに関わらず。

自分でコントロールできないところからの圧力は人間の精神を蝕むのです。そんな時こそ「自分でコントロール出来ることに注力する」世界を嘆き、政治や文化や慣習に意を唱える、それは確かに大切です。でも、自分ひとりのコントロール下に無いというのは事実として認めなくてはなりません。

私たち人間は「他(人)を変えることはできない。変えられるの自分だけ」

世界が日常を変化させてる。それなら私は、自分の日常の衣食住を見直す。自分がコントロール出来る範囲で。

私が取り組んだ事がこれでした。私の理想の衣食住の「衣」。それは、「好きなものをシンプルに着て健康的に暮らす」こと。

好きなものってなんだろう、着たいものってなんだろう、快適なものって、健康的なものって、シンプルなものって…

それらを考えて、たどり着いたのが「普段着物」だったのです。

私にとっての普段着物

私の洋服での普段着はジーンズにニットが定番。インナーはカットソーか柔らかなシャツ。夏ならトップスはカットが綺麗なTシャツになります。

アクセサリーはリングとネックレスを必ず。

これがいわゆる「ご近所スタイル」で、朝から夜のお風呂に入るまでの普段着です。仕事で出勤する時はもっとカッチリしているので「普段着」ではありません。

この「ご近所スタイル」を着物に変え、かつシンプルにする、というのが私にとっての普段着物です。

必然的に、気軽に洗濯できるものが必須です。

着物は木綿の洗濯できるもの。

インナーは衿付き襦袢と裾除けだけ。長襦袢は着ない。

帯は半幅の結びやすいもの。

着付けの紐類は最小限。

下駄に靴下。

意外にアイテム数は少ないものです。

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普段着物での平日のルーティン

朝、洗顔とメイク、髪を簡単なアップにしたら着物を着ます。着付け時間は5分程度です。長くても10分はかかりません。

洗濯ものを干したら仕事。いまは緊急事態宣言下のため在宅でのリモートワークです。

午前中にひたすら仕事をしたら、ランチタイムです。たいていは家であるものを適当に。キッチンに立つ時はタスキ掛けと前掛けをします。油ハネしそうな時は割烹着も使います

午後もパソコンの前でひたすら仕事します。自宅のデスクワークは机が専用でないので姿勢が悪くなりがちです。しかし、帯がしっかりホールドしてるので腰痛は楽になりました。これは嬉しい収穫です。

仕事が終わったら、片付けて夕食と入浴です。お風呂から出たら脱いだ着物と帯ハンガーにかけ、襦袢はネットに入れて洗濯へ。明日の朝に他のものと一緒に洗います。

お風呂上がりは、普通にパジャマに着替えてビールを開け、寛ぎタイムの後に寝る支度をします。

普段着物での休日のルーティン

平日は仕事で家事ができないので、休日にまとめてやってしまいます。

朝、着物に着替えたら洗濯、掃除。この時は割烹着をすっぽり着てしまいます。

着物のたもとはドアノブに引っかけやすいのです。下手をするとビリッと行きます。もともと日本の建築は引き戸の文化で、ドアノブが無いのですから…こればかりは仕方ない。

動き回る時は、袖も帯もすっぽり包む割烹着を着ていたら安心です。

さて、スーパーに買い物に行きましょう。

マルシェバッグというか、いわゆる市場カゴを持って歩いてスーパーへ。1週間分の買い出しです。

足元は下駄で、一日10000歩くらいなら普通に歩けます。それ以上だと私はスニーカーでも辛いのですが。慣れないと下駄でたくさん歩くのは疲れるかもしれません。

スーパーから帰宅したら割烹着を再び着て、作り置きのおかずを作ります。

家事が一通り終わったら寛ぎタイムです。図書館に行ったりカフェに行ったり。

普段着物のメリットとデメリット

「外出」が非日常になる昨今、私にとっての普段着物は「ご近所ワンマイルウェア」になっています。その中での、普段着物のメリットとデメリットを考えてみたいと思います

メリット

洗濯物が少ない。アイテム数が減るせいか、洗濯物が減りました

腰痛がマシ。帯のホールド力のせいか、座りっぱなしでも少し楽です。良い姿勢がキープできてるのかも。

お腹が常に暖かい。上半身はかなり涼しく着付けても、お腹は布と帯が重なって暖かいです。しかし、脇の下がスカスカなので風が抜けて暑くはならないです。これから真夏になれば、何を着ても脱いでも暑いのでしょうけど。

気分が上がる。単純ですが、好きな物を着てるので気分が上がります。それは洋服でも同じです。

デメリット

着物は手洗い。少し面倒です。しかし、ニットも手洗いなので、手間はそこまで変わらないかもしれません。

脚立に登るのは不安。この1ヶ月で、一度だけ洋服を着ました。換気扇の掃除です。私は車を持っていませんが、洗車にも不向きだと思います。

リュックが背負えない。大荷物の時は少し面倒かもしれません。袖の構造上、リュックは難しいです。荷物が多い時はカートをコロコロするしかありません。

普段着物は楽しい

衣食住の見直しのひとつとして、この1ヶ月を着物で過ごしてみました。結局は楽しいのです。好きなものを着てるから。

何より嬉しいのは、楽しい事をするために時間が必要ではないというところ。

何か楽しい趣味のことをしたいと思ったら、それに費やす時間がどうして必要です。

「時間ができたらやりたいこと」はたくさんあります。私は、絵を描くこと、編み物、写経もやりたいです。でも絵を描きながら編み物は出来ませんよね。

でも「普段着物」は違うのです。

もちろん、美しい着物を非日常として着ることも素晴らしく素敵です。憧れます。

でも普段着物の良いところは、生活の中で「着る」という行為は絶対に必要です。それが「着物」になるだけなので、生活に必要な仕事、編み物などの趣味、人に会うことと「着物を着る」という楽しみを一度に味わえるのです。なんて時短なんでしょう!

新しい日常は自分で決められる

日常を自分で変えられるところから、少しずつ健康的に、楽しく変えていく。それが自分で自分の生活をコントロールするということ。

快適さを求めて、不便さを改善する工夫もスパイスです。それすら、自分のコントロール下にあるのだから。

確かに世界は不安定。その中でどう楽しく泳ぎ回るか。

私たちの日常は私たち自身で決めることができるのです。





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