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僕と彼女のラストデイズ ~STU48号惜別記~ [2021年制作記事]

▼この記事は、2021年8月5日(木)にアメブロに投稿した記事を転載したものです。
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▼この記事に掲載されている情報は2021年8月現在のものです。COVID-19等の影響で情報が変わることがあります。訪問の際は、あらかじめご自身でも情報をお確かめください。

終わりというものは、案外あっけなくやってくる。
そしてそれを失くしたしばらくあとに、ようやく失くしたことに気がつく。

今の僕が、まさにそれだった。


2021年4月1日撮影

瀬戸内エリアを基盤とするアイドルグループ「STU48」のアイデンティティとも言える存在だった、船上劇場「STU48号」。

今年2021年5月23日を以って、その役目を終えた。


このブログでも、彼女について様々に記してきた。
3つほど記事を紹介させていただく。

順に、
・2019年7月に広島で乗船した時の話(初乗船は2019年5月の高松)・
・船上劇場初公演となったゴゴリバの千穐楽について
・退役が発表された2020年7月に書いた記事
の3つだ。

結局2020年は一度も乗船することはなく、ゴゴリバ千穐楽のあった2019年12月20日の次に乗船したのは2021年3月31日となった。


今回は、そこからのことを記していきたいと思う。

(2023年補足)
2021年1月~12月の間は、転勤に伴い福岡県北九州市に住んでいました。


<53days left>

正直なことを言えば、感染症禍もあるし最後に1回ぐらい乗船できればいいやぐらいに思っていた。

しかし、思いのほか僕は諦めが悪かった。


2021年3月31日(水)、そして4月1日(木)。
2019年12月以来、1年数か月ぶりにSTU48号に乗船することになった。

当選したのは、3月31日のlittle Charming Tripの12時と16時の公演、そして4月1日の勝手に四国観光ガイドの12時公演。

しかも今回は、初めてヲ友達と乗船することになった。


ちなみに推しメンこと原田清花さんはこの少し前、3月11日に活動休止を発表した。

2月からしばらく休みがちだったので驚きはなかった。
とはいえ、正式に公式発表されるとどうしようもなさが募る。

それなので、推しメンが居ないにも関わらず律儀にリトチャの公演を見に来たわけだ。律儀にもほどがある。

(ただし3月17日の公演は自分1人だったので、キャンセルして返金してもらった)


四国ガイドを12時に見てすぐ北九州へ帰り、19時から夜勤といういつも通りの強行軍。

この時はどちらかというと四国ガイドが見たかったところがあるので、1泊の旅も悪くなかったかなと。

四国メン、とてもおつよい。


月末月初・年度末年度初めのド平日ということもあってか、客入りは正直芳しくない公演だった。

特にリトチャは推しメンが居ないから余計にだったと思う。

ただ、今までと違ってSTU48号で誰かとこの時間と空間を共有できた喜びは、推しメンの不在を補って余りあるものだった。


<46days left>

その1週間後、4月7日(水)。

今度は「SEPT×STU48 Selfish amity's 公演」、通称セルアミの有観客公演を見に行くことになった。

この日のセルアミに関しては、この記事に色々記している。


ちなみに夜勤明けの4月4日から5日にかけても別件で北九州から広島へ出かけていて、6日は北九州で仕事、そしてまた翌日に広島日帰りという強行軍をしている。
まじでなにしてんだ…。


限られた日数で希望休は出せるものの土日は基本的に仕事なので、STU48号でのラストツアーは翌月5月22日(土)の山口県下関市・下関港に焦点を絞っていた。
だから広島港に停泊するSTU48号を見るのはこれが最後になると思っていた。

この日、広島港を後にする時はやはり最後は寂しさが募った。


そんな時、ふと思いついたことがあった。

STU48号ラストツアーは土日ばかりで行けない日のほうが多いけど、その前日の船の移動日には休みの日がある。

これは彼女が瀬戸内海を翔けている姿を写真に収める絶好の機会なのではないのか?


気づけば、瀬戸内海でどのようにSTU48号が航路を辿っていくのかを調査していた。

地図を見ながら瀬戸内海の航路について知識を得て、船の速度や航路、距離を計算し、通過場所と予想通過時刻を割り出していく…

出かけた先でわくわくすることはあったが、僕は久しぶりに机上にありながらわくわくを感じていた。


<31days left>

4月22日(木)。
まずは予行演習として1泊2日の「STU48号追跡合宿」と銘打って、北九州でレンタカーを借りて広島へ向かった。

24日が高松港での公演なので、23日朝に広島港を出るSTU48号を呉市の音戸の瀬戸で押さえようと考えたのだ。

広島への途上、瀧野由美子さんの母校を訪れるなどした…


広島市内のホテルに一泊し、早朝に出発して7時には音戸の瀬戸付近のコンビニで待機。

広島松山航路の船も通るぐらいだし最短距離で音戸の瀬戸を通るだろう…と思っていたのだけど、これが完全に誤りだった。

STU48号は倉橋島の西から南を迂回する航路を選択していた。


音戸の瀬戸から急いで車を走らせ、何とか倉橋島の南岸で彼女を発見した。
この時の胸の高鳴りたるや、久しぶりに味わう興奮だった。


しかしこの予行演習はとても有意義だったし、船の速度や航路などの予習をすることができたのは大きな収穫だった。


<9days left>

その翌月、5月14日(金)。
満を持して、STU48号を複数個所で迎え撃つ「STU48号追跡合宿」の本番の日を迎えることとなった。

場所は四国。
香川県と徳島県を舞台に選んだ。


北九州から新幹線に乗り岡山へ行き、快速マリンライナーで高松へ。

高松駅前でレンタカーを借りたあとは、積年の念願だった「水曜どうでしょう」でおなじみ・山田家さんでうどんをいただいた。


ただ問題は、第1撮影ポイントである坂出市の瀬戸大橋記念公園とは真逆の方向に来ていることだった()


今回は坂出市の瀬戸大橋記念公園、さぬき市の大串公園、鳴門市の鳴門公園の3か所を撮影ポイントとして設定した。

これはSTU48号を撮影後に高速道路で追跡するため、インターからのアクセスが比較的容易で、かつ陸地からの距離が近く撮影しやすい場所を選んだ。

特に大串公園は県外民にはなじみのない場所ではあったが、以前2014年夏に水樹奈々のライブでテアトロン(野外音楽堂)に行ったことがあり、ロケーションを知っていたことが有利に働いた。


なお坂出にはギリギリで間に合った()


大鳴門橋は初めてで、駐車場だけでなくまさか展望台に行くエレベーターまでもが有料とは思わなかったけど、最終的には良い写真が撮れたと思う。


僕はSTU48号が本当に大好きなんだな。そう感じた1日だった。

STU48号を撮影している人はたくさんいたと思うけど、ここまで追いかけたヲタクはおそらく僕だけだ。

僕は相当にSTU48号のガチ恋勢だった。


そしてこの翌日、中国四国地方は梅雨入りを迎えた。
なんというタイミングだろうか。

もうここしかないという好天の下で撮影ができたのは、僥倖としか言いようがなかった。
あとは下関で有終の美を飾るだけ。


しかしここはさすがのSTU48号。そうは問屋が卸すわけがなかった。

ラストツアーでの下関港への入港が取りやめとなり、急遽広島港での開催となったのだ。


<My last day>

僕と彼女の、最後の日はやってきた。

2021年5月22日土曜日。
最後の乗船だ。

下関を最後の地と思っていたので、再び広島港で彼女を見ることができるとは思っていなかった。

とはいえ、やはり母港の広島港にたたずむ彼女の姿が、僕にとってもだし、たぶん多くのヲタクにとってもSTU48号の一番思い出深い姿だろうと思う。


僕にとって最後となったのは僕恋公演ではなくセルアミ公演だったのだが、もはや完全に泣いていた。

劇中の終盤で、皆が役名ではなく本名で呼び合って終わるという千穐楽にふさわしい素敵な演出があり、現実と虚構が入り混じって、僕はもう感極まりすぎていた。

観客としてこの世界観と間近で一体化できたこと、僕は本当に嬉しく思う。


僕と彼女のラストデイズは、幕を閉じた。


<The last day & after…>

あれから2か月とちょっとが過ぎた。
STU48号ガチ恋勢とか言っておきながら、そこまでひきずることはなかった。

公演を見るだけじゃなく、僕は存分に最後まで彼女を文字通り追いかけた。


だけど、ここ最近なぜか無性に彼女を思い出す。
そう、人は失ってから気づくことばかりだ。


そして何より悔やまれるのは、推しメンこと原田清花さんを船上劇場の舞台で見ることができなかったことだ。

これは終盤で推しメンが活動休止していたこともあり、推しメン自身も悔しい思いをしたと思う。


確かに船が終わってからの新しいステージで推しメンを推せばいい。

ただ、この船の舞台という唯一無二の場所ではもう見ることができない。それがただ悔しかった。


こんなことを言ってはどうかと思うが、船が終幕を迎えてからの公演はあまり魅力を感じることがなかった。

広島のクアトロやエディオン紙屋町ホールでの公演も、もちろん楽しいものではあるのだけど、少しの物足りなさを感じてしまう。


そして今STU48は瀬戸内各県を巡る夏のツアーを開催している。

今日8月5日時点では、僕は1つもツアーに行くことができないでいる。

だから思い出してしまうのかもしれない。


僕は本当にSTU48号が好きだった。

その想いを胸に抱え、それでもまたこれからも推しメンを追いかけていきたい。

(了)

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