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今、のらきゃっとが『アツい』

Vtuberとしてデビューしてからはや二年が経った「のらきゃっと」
私は今、彼女が最も「アツい」時期だと思っている
のらきゃっとファンである「ねずみさん」達の中では、のらきゃっとについて「概念」や「宗教」、「哲学」などとして捉える様々な考察が飛び交っており、彼女についてあらゆる視点で日夜語られている
今回はファンたちがありとあらゆる考察を交わす要因について語り、少しでも多くの人に彼女の持つ独特な「バーチャル感」を知ってもらい、私が最も「アツい」と思う理由に触れていただければ幸いである


今「のらきゃっと」(ここではVtuber「のらきゃっと」ではなくのらきゃっとの界隈全体を表す)には、「かつてない多様性」と「大きな変化」の節目へと差し掛かっている
これにはいくつかの要因が存在する
順を追って説明していこう

「のらきゃっと」の目指す夢と「ねずみさん」達が見る幻想

のらきゃっとはVtuberでなくともよい?

「のらきゃっと」を運用するプロデューサーである「ノラネコP」
そんな彼から「バーチャルYoutuberはキャラクターを顕現させるための手段であり、目的ではない」と何度か語られている

一番分かりやすいのはこの動画
動画からも分かる通り、自分の目的を果たすのに一番適していたのがVtuberだった、と語られている(のらきゃっとの在り方についても語られているのでぜひ最後までご覧いただきたい)
では、のらきゃっとの目的とは一体何なのか?
そこに迫っていこうと思う

「のらきゃっとの夢」

では「のらきゃっとの夢」とは何なのか?
それは「創作としてキャラクターに命を吹き込み、キャラクターそのものと交流してもらう」という夢
理想の創作キャラとして、まるで生きているかのように振る舞うことができる…まるでゲームやアニメのキャラが自由に自分たちに話しかけてくれるのような、そんな誰しも抱いたことのある夢

自分の考えた理想のキャラクターがこのバーチャル世界で現実と同じように存在させること
それこそのらきゃっとの、そしてノラネコPの夢”だった”

そう......”だった”のだ
何があったのか?

答えは簡単、それは叶ってしまったのだ

「ひとりの夢」から「みんなの理想」へ

ここで次の話をするための「のらきゃっと」の在り方の変化について説明する

最初こそ”ノラネコPの”理想の美少女を顕現させるという目標から始まったのらきゃっとだったが、途中からこのスタンスは変化していくこととなる

「ノラネコP一人だけの理想の美少女を顕現させる」という目標から、「ファン達の理想の美少女」「みんなに見せたい魅力的なのらきゃっとを目指す」というような方向性へと変化したのだ

きっかけは恐らくだが、のらきゃっとはVtuberとして活動していく中で、「モデル規約」「声帯変更」などの様々な問題にぶつかったことだろう

個人的に、この方針に大きな影響があったのは「顔バレ事件」についてだと思っている(このあたりの問題は掘り返したくない人もいると思うので読み飛ばしてもらっても構わない)

のらきゃっとのプロデューサーでアクターでもあるノラネコPは、もとより男性であると明言されていた
それにもかかわらず、彼女に対し「中身が男性である」と誹謗中傷が浴びせられることとなり、彼女は存在が消えてしまう一歩手前まで来ることになってしまったのだ

その時、支えたのがのらきゃっとのファン「ねずみさん」である
彼女にみんなが応援の言葉を掛け続けていたのを今でも鮮明に覚えている
その時ののらきゃっとも「存在をもっと多くの人に認めてもらう」と意気込んでいた

私はその時、私はその時、彼女の魂を感じた
しかも、あろうことか機械音声に感情の抑揚すら感じてしまったのだ

その後、のらきゃっとはしばらくの活動休止期間を経て、Vtuberとして復帰することとなる

その復帰配信で彼女が語ったのはファンに対する感謝の言葉であった

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消えていたかもしれない存在を繋ぎ留め、彼女の笑顔を取り戻した
その一件以降、ファンの結束力は大きなものとなった


恐らく、そのときだろう

彼女は多くのファンに支えられていることを強く実感し、たくさんの人との関わりの積み重ねによって今の自分が構成されていることに気が付いたのだろう
それをきっかけに「ファンであるねずみさん全員が魅力的だと思ってもらえるような自分」を志すようになったのではないだろうか

このように、のらきゃっとは「ひとりの夢」から「みんなの理想」へと変わっていったのだ

実際に例を挙げるとするならば、のらきゃっとの現在の義体だが、ファンによって製作されており、さらにファンのアイディアや理想をふんだんに取り入れた姿になっている

「のらきゃっと」が目指す「新たな夢」


ここで話を戻す
大きな夢の一つである「創作としてキャラクターに命を吹き込み、キャラクターそのものと交流してもらうこと」を達成したのらきゃっとは新たなる夢を目指すこととなる

それは

「いつの日か現実世界に行って、人工知能を積んだアンドロイドとして、ファンであるねずみさん達に会いに行くこと」

「遠すぎる夢だ」とか「実現できるわけがない」と思っただろうか?
ひとまずその感情は置いておいて私の話を聞いてほしい

この目標だが、気になる点が一つ出てくる
これは他のバーチャルYoutuberとは目標が真逆なのだ
他のVtuber達は現実からスタートし、バーチャルとして生きることを望むだろう

しかし、彼女はそうではない

そう、彼女も最初は他と同じようにバーチャルとして生まれ、バーチャルなキャラクターとして永遠に残るような存在を目指していた
だが、先程語った通り、のらきゃっとはその存在の在り方を変化させ、「ひとりの夢」から「みんなの理想」へと変わっていった

その結果、今の彼女という存在を形作ってくれた大好きなファンたちに会いに行きたくなったのだろう

私たちが彼女のことを大好きで、バーチャルで会いたいと願うのと同じように、彼女もまた、大好きな人たちに会いたいという気持ちが人一倍強く、アンドロイドとして現実に顕現し、ファン達と過ごすことを夢見てこの目標を選んだんだろう

そんな彼女だが、現在ノラネコPからAI化が実現するかもしれない、と仄めかされている

他にも音声ライブラリでファンの作ったのらきゃソングを歌わせることができるかもしれないという話もある

最近で言うとのらきゃっとフレグランスが製作され、彼女という存在に新たに「香り」という要素が付加されることとなり、より彼女の存在に厚みが増すのではないかと私は思っている

さらに、プロデューサーであるノラネコPからは、必ずしも自分が運用する必要がないとすら言っている


今も「いつの日か現実世界に行って、人工知能を積んだアンドロイドとして、ファンであるねずみさん達に会いに行く」という夢の実現に向かっていくための変化の節目である、ということ

これが「のらきゃっと」がアツい、と思う第一の理由

シェアワールドによって生まれた多様性、概念化するのらきゃっと

さて、ここからは彼女のシェアワールドが生み出す多様性、それが今急激に広まっている、ということについて語っていく(以前書いたnoteでも同じようなことを書いた)

彼女を取り囲む世界が多様性に溢れている要因は彼女のシェアワールドにある
彼女に最初に付加されていた設定はアンドロイドで、紅茶とモンスターエナジーを好むことくらいであった

彼女が活動を続けていく中で、BGMができて、銃と刀のモデルができて、たくさんの小説が書かれるようになり、多くの絵が描かれた

そしてそれぞれ視聴者が彼女の住む世界を自由に思い浮かべ、独自の解釈で自分だけの世界を作り上げるようになった

そしてついには本来ののらきゃっとには存在しなかったキャラクターまで生み出し、「のらきゃっと」自身がそのキャラクターについて言及し、取り入れることさえあった

これだけでも特殊なものに見えるが、シェアワールドはとある3Dモデルによって爆発的に広まり始める

量産型のらきゃっと

のらきゃっとより後期に開発された「のらきゃっと」の量産型モデルとして登場した“Mass”ProductionNora“Cat”
通称「ますきゃっと」3Dモデルが販売されることとなったのだ


これにより、私だけの「のらきゃっと世界」を作ることができるようになり、今まで文章が書けない、絵が描けないという理由で創作をしてこなかった人たちが、「3Dモデルの改変」という手段によって「のらきゃっと世界」に比較的簡単に干渉することができるようになった

さらに、ますきゃっとの登場により、改変したモデルをきっかけに小説を書く人も増えたように思う

そして改変例も多種多様
魔法系、ロボット系など、様々な世界で各々自分だけののらきゃっと世界を描いている

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実際の自分の改変モデル
こうしてユーザーが自由に改変することができ、写真一枚に収めるだけでも作品となりうるのがよいところ


こうして「のらきゃっと世界」のシェアワールド化が加速し、設定を共有していても、完全無視していても良いというそれを受け入れるだけのふんわりとした世界観が「ますきゃっと」によって構築されるようになった

そしてその流れは「ますきゃっと」だけに留まることはない

超巨大のらきゃっと合同誌

C97で配布される予定ののらきゃっと合同誌「のら!ちゃん!べりべりきゅーと!Ⅱ」

去年に頒布された「のら!ちゃん!べりべりきゅーと!」から一年、参加者はなんと81人から137人に増え、ページ数も300ページという超巨大合同誌で、なんとプロデューサーであるノラネコPも参加している

この合同誌、特徴的なのが「書いてあるのがのらきゃっとだけではない」というところである本編ののらきゃっととは関係ない「ますきゃっとの物語」つまるところ自分の書きたい創作の登場キャラをますきゃっとにして自分の書きたい作品を書いていたり、のらきゃっとについて考察する文章、前回の合同誌では「のらきゃっとゲームブック」や「のらショット」と呼ばれる「のらきゃっと」が考えた飲み物を使用したレシピなど、本当に様々なものが詰まった本だった
一冊読むだけでもおなか一杯になるほどのボリュームなのだ


この合同誌ではのらきゃっとの多様性を強く実感できると思う
機会があればぜひ手に取ってほしい


今回の特徴と言えば、原作者ともいえるノラネコPが参加している点である

ノラネコPは原作者ではあるが、忘れてはならないのは誰よりも「のらきゃっと」を愛するファンの一人なのだ

したがってノラネコPの寄稿する内容が公式設定となるわけではなく、ファンの一創作として扱われるのだ

あくまでものらきゃっとは視聴者側が自由に受け取っていいことを表しているとも言える

視聴者側が自由に受け取っていいという多様性こそ、私が彼女を推す理由であり、「のらきゃっと」がアツいと思う第二の理由である


ここでひとつ、ファンであるねずみさんの中で生まれた一つのコンテンツを紹介していこうと思う

のらきゃっとファンが送る、のらきゃっとファンのためののらきゃっとについてのラジオ、その名も「屋根裏ラジオ」である

屋根裏ラジオ

先程も紹介した通り、まさにのらきゃっとファンにはたまらないラジオ番組である

毎回、登場ゲストが「のらきゃっと」について語っていく番組で、あらゆる視点からのらきゃっとを捉えることのできる内容となっている

私が言いたいのは、「のらきゃっと」という存在について各々が思うがまま考えて、それを語る番組を作るほどの奥深さというものをのらきゃっとは持っているんだ、ということ

ファンにこれほどの影響を与えるのらきゃっとという存在
その無限の可能性に触れていただくことができたなら幸いである


さいごに

いかがだっただろうか

彼女の醸し出すバーチャルを感じ取っていただけただろうか

彼女の目標は、大きすぎて無謀ともいえるまさに夢と言えるようなものかもしれない
だが今までの彼女の努力を見て、様々なことを実現してきた彼女を見て
果たして本当に実現しないと思うだろうか?
確かに現実的ではない
これから何年も、下手したら何十年でもかかるだろう
しかし、彼女は本気で今それを成そうとして努力し続けているのだ
そんな果てしない道を進もうとする彼女を、私は誰よりもバーチャルらしいと思っている



だからこそ言おう



今、のらきゃっとが 『アツい』

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