月うた「きみのえがお」に救われた

2023年7月中旬、私は仕事を休職した。
休職の理由は適応障害、体調が限界だった。

7月の上旬、朝Eテレを付けていつものように支度をしていると軽やかな歌声が聴こえてくる。
きららん、きららん、から始まるやさしいお兄さんとお姉さんの歌声。私はおかあさんといっしょの歌を聴きながら、毎日仕事の支度と娘の幼稚園の支度をしていた。

しってる?きみのえがおって
ほんとうに すてき

こんな歌詞が耳に心地良かった。仕事に行くのは辛くてもテレビでこの歌を聴いているときは不思議と自分の心を取り戻せたみたいだった。

7月11日から数日間、娘の体調不良で仕事を休むようになる。
気を使って会社に休みの連絡を入れるのが怖かった。今思い出すのも辛い。
仕事を休んだ日もEテレを付けると、お兄さんお姉さんがあたたかい笑顔で迎えてくれる。

だってさきみのえがおは
あめにもまけない
だからわらってほしい

こんな歌詞に救われる。この時すでに鬱になっていて、何にも希望を見出せなかったけれど、この歌を聴いていると心がほっとした。たまに娘がこの歌を歌うと、それも可愛くて幸せを感じた。

7月15日にどうしても不安の波に押されて潰されそうで、これはまずいと思って精神科を受診した。先生はすぐに診断書を書いてくれた。会社に休職することを伝えた。

きららん きららん ららん らん、とお兄さんお姉さんが優しく歌ってくれる。
休職を会社に伝えて、会社の全員のラインに申し訳ありませんみたいなラインをして、それも気を使って疲れる作業だった。休職を伝えた次の日はぽかんとした、心にぽっかり穴が空いた気分だった。

仕事を休んでからもおかあさんといっしょの月うた、「きみのえがお」に癒された。

うふふ ふわふわ、
なんだか きょうも しあわせみたい

こんな可愛らしい歌詞にうつ病の私は救われた。
仕事を限界まで頑張りながら子育てと両立を目指していたあの時の自分に、優しく手を差し伸べてくれるような歌だった。

おかあさんといっしょ、だいすきです。

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