噛みしめる初夏
ようやく、父の不在を哀しめる余裕がでてきたのか、道端に停まった花屋の配達バンから白い花が民家に運ばれるのをみて泣いていた。
誰かに縋りたい想いもあるが、そうしたかった相手とはすでに疎遠なので、自分で自分を愛でることにし、建築や日本画や丁寧な懐石などで澱をとかしている。
都市部への会議出張の後、先輩たちにお茶に誘ってもらったことに気を良くし、そのあとこっそり一人で行くためにJazz Barの予約までとった。
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