書評#2|ビジネスエリートになるための教養としての投資

「投資家の思想」が日本を救う

『ビジネスエリートになるための教養としての投資』の書籍情報

タイトル:ビジネスエリートになるための教養としての投資
著者:奥野一成(おくのかずしげ)
発行所:ダイヤモンド社
第1版発行日:2020年5月27日

『ビジネスエリートになるための教養としての投資』の要点

■若いうちは、見識を深めるための自己投資を重視しよう。力が付き、経済的な余裕が出てきたら、その余剰分を株式投資に回そう。
■株式投資をすることで、自分が働いた分だけでなく、他の人が働いた分の一部も受け取れるようになる。著名な経営者に自分のために働いてもらうこともできる。
■自分で考えて株式投資することで、利益を得るだけでなく、会社の経営状況や産業構造、課題などを見定める力がついてくる。それにより、働き方にも良い影響が出てくるだろう。
■「投資」と「投機」は違う。その企業が将来どれだけの利益を生み出すのかに注視して株を買うのが「投資」。その株がいくらで売れるかに注視して株を買うのが「投機」。
■短期的な利益を求めて「投機」するのではなく、長期的に利益が伸び続ける会社を探して「投資」しよう。
■長期的に伸びる会社を見つけるには、その会社が3つの要素「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」を持っているかどうかを見定めよう。
■個人で資産形成する場合は、長期投資ができる仕組みづくりから始めよう。自動的に引き落とされて投資に回るような仕組みをつくるために、iDeCoのような確定拠出年金を活用するのも効果的。

感想

社会人になる前に投資について少し勉強してみようと思い、手に取ったのがこの本でした。
書店に並ぶ投資関係の本の帯やタイトルには「1,000万円貯めるための…」や「老後に備えた…」といったものが多い中、「教養としての…」という切り口の違う本書に興味を惹かれ、読んでみようと思いました。

読んでみて一番印象に残ったのは、長期投資のみを推奨するスタンスです。
株を買ってから長期で保有することを推奨する本や動画を見ることはありましたが、この本ほど買う前に会社や投資信託のことを徹底的に調べろと書かれているのを見るのは初めてで、驚かされました。
ただ、「投資」と「投機」の違いや、長期的に伸びる会社を見定めるための3つの要素の話を読むうちに、その驚きは感銘に変わっていきました。

この人生100年時代。時間を有効活用し、利益を着実に得つつ、自分も成長していくための投資手法を学びたい方におすすめの一冊です。
もし興味を持ったら、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

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