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天津に帰港したクルーズ船のコロナウイルス対応がダイヤモンド・プリンセス号のとあまりに違う

※船名と社名の日本語訳に間違いがありました、失礼いたしました。
それぞれ、「コスタセレーナ号」「コスタクルーズ社」と修正いたしました。(2020年2月24日)

日本はダイヤモンド・プリンセス船の一件もあり、新型コロナウイルス感染者が737人まで増えました。(2020年2月21日時点)

そして、クルーズ船の対応に関しての連日の報道には中国のみんなも驚いています、「日本は未知のウイルスに対して油断しすぎなのでは?」「イギリス管轄の船だった?とは言え、なぜこんなことに...」と。

いろんな背景があって対応が難しかったのかもしれませんが、結果は最悪では?世界中から非難され、感染者は拡大。検査・下船した人の中にも隠れた陽性がいることが予想されていますね。

実は先月、1月20日に天津から出港した大型クルーズ船でもコロナウイルス疑い患者が出て中国天津の港に帰港したのですが、中国の対応は日本のそれとは全く違っていたのを知って、感動したと共に、日本との差にショックを受けました。

この件、ググってみても日本メディアがほとんど報道してないですね。なので僕が書きます。経緯についてはWeiboでまとめられたものを拝借して訳しました。他の記事からも補足してます。

【1月20日】
観光客3706人と船員1100人を乗せた「コスタセレーナ号」は、天津国際クルーズ船の母港を出発し、5泊6日の日程で日本に向かった。
【1月23日】
クルーズ船は佐世保港に。そして佐世保港を出発した後、天津国際郵船母港に戻る。
【帰りの途中】
船に乗っていたうち15人、子供2人と外国人船員10人を含む人たちに発熱症状が。
【1月24日】
天津市の肺炎感染防止チームが「コスタセレーナ号」に関する報告を受けた。
【1月25日】
(午前1時)
天津の感染防止チームは、「コスタセレーナ号」クルーズ船に対して停泊地に停泊して入港しないよう指示。専門家や医療従事者が直ちに船に乗り込み、感染症に関する調査を展開した。また、天津国際クルーズ船の母港にあるすべてのクルーズ船の航路は欠航となり、渤海石油管理局にヘリの支援要請をした。
(午前3時)
浜海新区がクルーズ船の観光客の下船準備を整える。バス会社から緊急で54台のバスを手配、観光客の運送準備をした。一方、万が一感染が確認されれば、全乗組員が隔離できるよう準備を整え、護衛艇を派遣して生活用品などを調達準備。
(午前5時30分)
作業員がタグボートで「コスタセレーナ号」に乗り込み、2つのチームに分かれ観光客や乗組員全員の体温を測った。調査の結果、146人の湖北籍の観光客はすべて発熱の症状が現れず、最終的には17人の観光客と船員から発熱を確認。彼らはここ14日間、武漢での滞在歴がなかった事も判明。
(朝7時過ぎから10時45分の間)
ヘリが数回飛び、クルーズ船、そして関係作業船の案内を行った。 
(10時45分)
ヘリがクルーズ線から採取したサンプルを市内検査場所へ運送。 
(12時頃)
検査サンプルは天津市疾病管理センターに送られた。 
(15時頃)
17個のサンプルの検査結果はすべて陰性であり、新型コロナウイルスによる肺炎の感染の可能性を排除した。
(20:30頃)
観光客が続々と船を降り始めた。
(22:30頃)
乗客3706人全員が下船した。下船した後、600人余りの観光客は旅行会社の手配で出発し、1500人余りの観光客は区役所が提供したバスに乗って、地下鉄や新幹線の駅に送られた。また、1600人余りの観光客は家族や友人に迎えられた。
湖北籍の観光客35人は疫病の影響で一時帰郷できなくなり、区が用意したホテルに収容された。部屋ごとに体温計を配り、毎朝8時と午後4時に観光客の体温を測定。
「コスタクルーズ社」は、当初の予定では25日に次の乗船を予定していた観光客の船旅をすべて取り消し、払い戻しを行った。
【1月26日】
午前0時15分、天津政府はクルーズ船の応急処置をすべて終了したと発表した。この時、最初の命令が出されてからちょうど24時間。

別記事を見ると、武漢に戻れない武漢からの観光客や熱で一時的に隔離された乗客にも、市が用意するホテルで健康的かつ栄養が良い食事が用意されていて、フルーツもありました。

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↑中国の春節の習慣に合わせて水餃子、年寄りや子供に食べやすい麺類とかも用意しました。そして丁寧にルームサービスをしてくれました。

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また、専門者からの毎日2回の体温チェック↓

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まさに、日本にあるべきおもてなしじゃん。

中国は連日関連報道が多くて、うまく処理されたこのクルーズ船のことはほとんど話題にすらならなかった。

あんなに深刻になってしまった日本で、こんなに優秀なケーススタディが全くメディアに取り上げられてないのはなぜ?

病気進展の時期や事情など色々あるとは思いますが、対応が手遅れならないよう願います。対応失敗した武漢をなぞるではなく、対応成功している天津や河南省、浙江省を勉強してください。。

(参考資料)
https://weibo.com/1599229910/IvgRc4ztr?refer_flag=1001030103_&type=comment#_rnd1582298651820

http://www.tjyun.com/system/2020/01/28/037955295.shtml

https://www.costajapan.com/about-costa

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