【ショートショート】しゃべる未曽有#毎週ショートショートnote

「まあ、俺に任せとけって。一大ブランドにしてやるよ」

　未曽有が僕の肩を叩く。僕は畑で出来た自慢のカボチャを抱え、はあ、でも、と呟く。

「ほら、農家さんが困ってるじゃないか。お前はイメージが悪いんだよ」

　史上初が未曽有の手を払う。

「それを言ったらお前も詐欺師みたいなもんじゃねぇか。何史上だよ」

　前代未聞が鼻で笑う。

「それは、あなたが言えることではない気がしますが」

　控え目に発言したのは唯一無二だ。

「我々が口論してもしょうがないですよ。決めるべきは農家さんなんだから」

　独占の言葉に、最高峰と至高が頷く。

「農家さん、キャッチコピー、何にします？」

　比類なきの言葉に、みんなの視線が一斉に集まる。僕は途端に緊張し、手に汗を掻く。カボチャを落ちないよう抱き直し、あ、あの、と口を開く。

「あの、できれば、サトウのカボチャが良いかな、と。僕、佐藤ですし、甘い砂糖ともかけて」

　肩を落とす最上級表示たちに、すみません、すみません、と頭を下げる。

（４０９字）

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前回に引き続き、たらはかに（田原にか）様の企画に乗っかっています、のパート2。

今回のテーマは「しゃべる」「画像」ですが、裏テーマは「しゃべる未曽有」。

……なんのこっちゃ？