2024年3歳クラシック前線-牝馬後編-


前編では、桜花賞とオークスの振り返りを行った。

その上で後編では、夏競馬も含めて、今後期待できる馬についてまとめてみようと思う。


夏競馬の重賞秋華賞トライアル(紫苑SローズS)の時期になったら参考にしてほしい。



1.ステレンボッシュ
次走予定→秋華賞


阪神JF2着→桜花賞1着→オークス2着とG1直行ローテで全て連対していた世代トップクラスの牝馬であるステレンボッシュ。やはり、次走もG1直行で秋華賞へ挑むようである。

阪神JFは後述するアスコリピチェーノに敗れ、桜花賞では勝ったのでおそらくこの2頭の実力はほぼ互角。位置取りの違いや枠の違いによる着順の差であると考えて良さそう。

ステレンボッシュの魅力を考えると、ジョッキーを選ばないところだろうか。

阪神JFはルメールJ、桜花賞はモレイラJ、オークスは戸崎JとG1三戦で全て乗り替わっている。しかもテン乗り

このことから、クセの少ない(もしくはない?)馬なのだろうか?とも考えられる。

さすがにオークス2着も確保されたので、秋華賞も戸崎Jになりそうな予感はする。

というかオークスは1着馬の競馬が上手すぎたので2着は実質勝ちみたいなものでもある。

G1において、阪神1600mで1着と2着を1回ずつ、府中2400mで2着1回と安定しているので、もはや問答無用で秋華賞はステレンボッシュ軸で馬券を展開するのが良さそう。(気が早い)

距離を選ばず速い上がりを使えるのは世代トップクラスの馬である証拠とも言える。


2.アスコリピチェーノ
次走予定→京成杯AH(オータムハンデ)


昨年末の阪神JFの勝ち馬。そして、その後の桜花賞2着。マイル戦線においてはステレンボッシュと同格だろうか。

この馬は桜花賞で敗れた後、牝馬・牡馬混合の世代限定G1である、NHKマイルに挑み、ここでも2着であった。(1着馬がさすがに役者が違った)

そして、秋のローテだが、G3京成杯AHと、やはりマイル戦に挑むようである。


桜花賞2着でオークス回避した馬は過去にどれくらいいるのだろうか???
何にせよ、陣営がマイルでローテを進めようとしていることは明らかである。

京成杯AHの開催時期だが、例年9月2週目の日曜である。今年も例年通りである。

となると、ここで気にしたいのが、その後のローテであり、クラシックに再び挑むのか、古馬マイルG1に殴り込むのかどちらかということである。

おそらくマイラーであるアスコリピチェーノにとって、府中2400mのオークスは長すぎると判断され回避したのだろうが、秋華賞は京都2000mで、こなせそうな距離と思えなくもない

個人的にステレンボッシュと再戦してほしいので秋華賞で見たい1頭である。

もう1つローテでありそうなのが、11月3週目のG1マイルCSである。年齢制限のないレースなので、レベルは高くなるが、そもそも世代トップレベルなので、全然通用しそう

こちらは京都1600mで、適性を見ればこちらの気はする。

一応、この3つのレースはそれぞれ中4週ずつ空いているので、3つとも出れなくはないが、さすがに3歳秋にそこまで生き急がなくて良い気がする。

ここまで中距離を嫌っていると、秋華賞にも来なさそうだが果たして。

いずれにせよ、どのレースに出ても馬券は買っていきたい1頭であることには変わりない。

来年には、今年のマスクトディーヴァのローテで見たい。


3.チェルヴィニア
次走予定→秋華賞


オークス馬なので直行も納得の1頭。鞍上もそのままならあっさり二冠とりそう。桜花賞は様々な要因が重なって大敗してしまったが、オークスはそこからの逆転勝ちであった。


ただ、距離が長い方が良さそうにも見えるのでもしかしたら秋華賞→エリザベス女王杯のローテで後者を全力で取りにくるかもしれない。


オークスの最後の伸びを見ていると、さらに距離が延びても大丈夫そうなので、有馬記念に出ても面白そう。府中2400mならジャパンカップでもありだろう。


強い馬ではあるが、オークスで勝つまで運が悪く、やっと花開きそうな勢いが感じられる。

伝説の新馬戦とたとえられる、あの新馬戦で1番の出世頭になったのではないだろうか。

そこからレースに出られない期間もあったが、ここにきて覚醒とも捉えられる競馬をした彼女。

G1一勝馬では終わらなさそうである。

ここまで挙げてきた3頭はこの世代の3強だと考えており、

アスコリピチェーノ
ステレンボッシュ
チェルヴィニア

の順で短距離向きではないだろうか。

そして、この3頭の地位を脅かす猛者たちもピックアップしたい。


4.ライトバック
次走予定→新潟記念

桜花賞オークスともに3着のライトバック。気性は荒そうだが、実力はあり、どちらのレースも追い込みがよかった。

ただ、秋華賞に直行するタイプではないと考えていたので、トライアルの紫苑SかローズSのどちらかを使うのだろうなーと思っていたら、まさかの新潟記念

あまりクラシックで3着以内に入ったような馬が出走している事例が思い当たらなかったので、これは意外。

そういえば今年の新潟記念は昨年のエリザベス女王杯の勝ち馬、ブレイディヴェーグの復帰戦でもあるので、ライトバックにとっても楽ではない一戦といえそう。

力は強いので、ハンデもあるだろうから勝ち負けもあるかもしれない。

新潟記念の後は秋華賞に出てくれると思うので、どちらのレースでも馬券を買っておきたい


5.スウィープフィート
次走予定→ローズS


紹介5頭目にして、やっと出てきた次走予定トライアル。桜花賞4着、オークス6着で、その前にG2チューリップ賞を取っているので、トライアルの結果がどうであれ、秋華賞には出れそう。G1タイトルにはあとひとつ力量が足りていないのが現状なので、G2のタイトルを一つでも多く!という意味では、このローズSの出走はかなり有意義なものと思われる。

オークスは距離が明らか長く、桜花賞はむしろ短いような気がしたので、クラシックでは最も秋華賞が距離適性ありそう

ローズSは2000mなので、ここで彼女の真価が発揮されると信じたい


6.クイーンズウォーク
次走予定→未定


オークス向きと公言され、オークスでは勝ち負け見えた4着だったクイーンズウォーク。レースを見ても、川田Jの騎乗はこれ以上ないもので、ただ前3頭がそれ以上に強かっただけで、結果から悲観するものは何もないかと思われる。

そんな彼女の次走情報は、未定で、秋華賞には出るだろうから、トライアルのどちらかに出走するのではないだろうか?

現状、ローテのことは何もわからないが、今後も2000〜2400mくらいの距離のレースであれば、期待したい一頭である。

そう考えるとエリザベス女王杯に出ても期待できる


7.タガノエルピーダ
次走予定→未定


こちらも次走が未定。桜花賞はチューリップ賞4着で出走できなかったが、代わりに出走した忘れな草賞を勝ち、オークスには出走した。結果は16着だが、その数字ほど、この馬が力がないわけではなさそうで、ただ、距離が長すぎただけと見える。

G1朝日杯FS(フューチュリティステークス)で3着を取った実力は本物であることに違いはないので、おそらく1600〜2000mが適性距離だろう。

となると、秋華賞はオークスよりも期待できる。秋が楽しみである


8.ランスオブクイーン
次走予定→未定


オークスでまさかの5着のランスオブクイーンはそもそも登録馬が少なかったから出走できたので、このままいくと秋華賞に出走できるかは微妙である。というか、出走させるかが微妙である。クラシックには出ずに、条件戦で勝ち上がっていくというのが、一番ありそうな状況であるが、もし、トライアルに出て、出走権を獲得すれば、有力馬の一頭として台頭するかもしれない

未勝利戦上がりの馬の希望の星ともいえる彼女の活躍は、重賞であっても、そうでなくても期待し、楽しみにできるものである。



秋華賞で期待できる8頭をピックアップしたが、本番で掲示板に載る馬でこの中にいない馬がいるかもしれない

この夏にまだ見ぬ強者が現れ、春の猛者たちに挑戦状を叩きつける、そのような展開にも期待したい。

次は牡馬編を書く予定だが、おそらく今年の3歳世代は牝馬よりも牡馬のほうが力関係が複雑で曖昧であるように思われる

秋華賞馬は今の所、先ほど挙げた3強が有力候補だと思っているが、菊花賞馬は全くわからない。

それも含めて、次の記事から現在の見解を書いていきたい。





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