21. トイレの苦労

牽引されながらの入院生活で、最も苦労したことの一つ。それはトイレ(特に「大」)です。

変に神経質なところのある息子は、キャンプ場にあるような屋外の簡易的なトイレですら嫌がっていましたから、ベッドで寝たままでのトイレはかなりハードルの高いものでした。これからは、おしっこは尿瓶に、ウンチはちりとりのようなものをお尻の下に敷いてしなければなりません。

おしっこは、「やっちゃえ、やっちゃえ!!」とこちらが盛り上げてみたところ、何とか出すことができましたが、ウンチは頑なに嫌がりました。「トイレですわってやる!」

入院日はもちろん出せず、2日目、3日目になっても出したがりません。食欲は通常通り。

見かねた看護師さんが、「下剤を飲ませてあげましょうか?」と何度か提案してくれましたが、生まれてからこれまで便秘等になったことも無く、至って健康なお腹である息子に、下剤を飲ませる必要性がどうしても感じられなかったため、お断りしました。

下剤を飲ませることによって、本人の意思でなく無理やり出さなければならず、それは余計に本人の気持ちを傷つけ、ベッド上でのトイレに対する嫌悪感を増すことにしかならないんじゃないか。今は、緊張と頑なな気持ちによって出せないだけで、気持ちが落ち着けば、本人の意思で必ず出るという、母親としての確信がありました。

そんな私のポリシーを看護師さんも理解してくださり、無理に下剤を飲ませることはありませんでした。また、お腹のマッサージの仕方を教えてもらえたので、一日に何度かやりました。

それから、無事にウンチが出せたら、盛大にお祝いをしようということを何度となく言って聞かせました。

そして、入院5日目。

この日は主人が付き添いの日でした。私は家にいたのですが、LINEが来て、「うんちでたよ◎うんちが出たらLaQを買ってあげるという話にしたので、これから買ってきます。一生懸命踏ん張ってて、頑張ったなぁと胸が熱くなりました。」とのこと。

ただウンチが出た、それだけなのに、嬉しくて、感動して、家でひとり涙を流したことを覚えています。

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