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デブが一念発起してジムに通って痩せる話。

脂肪の多い生涯を送って来ました。

小学生時代には給食の前の時間に「健康優良児」というデブに配慮したそれっぽいネーミングで体育館に呼び出され、20分弱何らかのスポーツをさせられたこともある。

中学時代から導入された制服のサイズ合わせの時には洋品店が用意したサンプルではサイズが合わずに、街中の店までワザワザ出向いて制服や運動着を買わされる手間を親に払わせた。

高校時代にはおしゃれな服はサイズが無く、貧乏なアメリカ人のような格好(今だと割とオシャレに見えるもんだが当時はそんな事なかった)しかできず、街場のオシャレショップに友達と買い物に行っても楽しくも何ともない青春時代を過ごしていた。

ガソリンスタンドでバイトをすれば制服が特注になり、ネクタイを締めるような仕事を始めてからも年々徐々に肥大する身体に合わせてワイシャツをサイズアップしていく必要にかられ、衣服は店頭で買えず通販のみに頼る日が永遠に続くかと思っていたのである。

なぜこんな事になったかというと、これはデブあるあるで、全国で太ってる人の70%はコレに該当する(筆者調べ)のだが、とにかく「動きたくない」のである。
どう動きたくないかと言うと「全く動きたくない」のである。
普段の生活からいかに動かず目的を達成するかを考えているので、1個の動作で3個くらいの用事を済ませたい、良く言えば効率重視、悪く言えば怠惰なのである。
火星への移住計画で狭い閉鎖空間で何年も暮らす必要がある、というNASAの実験に応募しようとしたこともあるくらい動きたくないのである(英語力の関係で断念)。

いわゆるデブの標準イメージである大食らい、というタイプではないのだけれど、酒を飲んだ日の最後は当然のようにラーメンを食べるし、飲みながら何かを口にしていないと酒が飲めないタイプの酒飲みのくせしてタバコを早々に止めたこともあって常時何かを口にしている飲酒生活を25歳位から10年以上週3~4回繰り返していた挙げ句の果てのデスクワーク。
いくら勘の鈍い人にも太りはしても痩せる可能性は全く無いのがお分かりいただけると思う。

ただ、信じてほしい…太っていることを恥じてはいたのである。
何度も痩せようと試みるのもデブあるある。
朝バナナは痩せると聞けば朝はバナナを食べ、低糖質ダイエット知れば炭水化物を抜いてみたこともあった。
なんとか楽な方法で、できるだけ労力を払わず、なんなら金も払わず痩せれないかと目に入るネット記事を貪り読んだりしていたのである。

結果はまぁ予想通りの燦々たる結果で、過度な制限は反動のリバウンドを生み「太るにも才能がある」と言わしめる3桁台の体重への肥大を達成。
幸いデブの才能はあまりなかったようで、体重が110キロに到達した時点でそれ以上の大きな増加もなく、毎年の健康診断では「肥満」と「肝機能障害」を何年にも渡り記入され、「ああ、自分は一生太ったまま生きて行くんだな…」と、人生の折り返し地点で社会との解脱、悟りの境地へと到達したのである。
ブッタならぬブタの完成である。

そんな私が、一念発起してジムに通い、人間らしい体型を取り戻していく話…。

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