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短歌29「永遠ダンスクラブ」

燃える納屋死んでいるから火はよく出 明日のおかず考えていた

なくしたものを数える夜に足の裏 ゼムクリップを踏みつけた跡

アクリル板あるカフェに行きアメリカの刑務所ごっこ電話をくれよ

2階から目薬落とすぼくの恋行方は知らず君ものもらい

いいねしかリツイートしかしない事それでいいやと消しゴムで消す

瀬をはやみ別れた川の行方をぼんやり思う春の夕焼け

褒めてほしい帰れたことや眠れた夜 羊抱くよう毛を狩るように

ポテトツナマスタードのサラダかな 母の味せずわたしだけの庭

入りたい母のエプロン裾摘む 焼き過ぎたまごポテサラのリンゴ

還れない魂川に集まりて誰かの恋を見守ったりす

見覚えのないハガキ来て放置する 夜に泣くのでポストに返す

どうやって踊るかわからないけど永遠ダンスクラブに隔離

深呼吸カード引くよに息つめて 青がいいのにランドセル試着

油絵の凹凸愛す春の時 名前をつけてあの飴の味

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