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詩20「暑くて」

昨日は雷だったから
ビニルハウスが幾つか燃えた
焼けたみかん
誰も知らない女の遺体
そこで産まれたかのように
本当に誰も知らない
虹が消える頃
みんなは忘れた
暑くて

はつなつ晴れか雨かのどっちか
繰り返し繰り返しの
ベルトコンベアーの日々よ
輪廻転生飛び降りて
タクシーで家に帰りたい
おいしいパンケーキを作って暮らしたい
願い事を叶えて
生きられる気がしないの
暑くて

君の悲しみが
ぼく由来だったとしても
涙は拭わせて
虹は消えても世界のどこかにある
ソドムとゴモラの焼け跡で
見つけたウランガラスの破片
でたらめに光るばかり
眩しくてやりきれない
暑くて

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