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詩6「300円」

衝動的に出るママを
あなたの名前で誤魔化して
でも死にそうな時はママと言ってしまう

ママなんてどこにもいないのに

母だけがいる
ママと呼んだことはない
そんな甘い呼び方は

白いカーネーションが売っていたから欲しがったら
花屋のおばさんに言われた
あなたのお母さんは亡くなってるの?

驚いて何も言えなかった
お母さんを殺してしまった
300円握りしめたこぶしで

それ以来白いカーネーションは見たことがない

わたしはゴミ箱だと思って生きてきて
愚痴や蹴られたり殴られたりが普通だと思ったし
寄せられる好意すらその人のゴミを受け入れることだと

もうおうちに帰りたいってたまに思う
それってどこのこと
うちではない

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