アメリカでの転職(事の顛末編)

ずっと書こうと思いつつ、時間的、気力的、会社的に書かずにいましたが、アメリカでの転職がようやく決まったのでその記録を残します。
免責事項的に書きますが、あくまでも個人的な記録です。ビザは不法滞在などの問題に直結し家族や自身が物理的に不幸になることがあるのであくまでも参考です。絶対に100%信用しないでください。責任は負いません!!!

ちなみに前回記事は↓

どこに転職するのか

転職先は関係ないように思えますが、ビザ取得の上で転職先はめちゃくちゃ大事です。
ビザの厳しさについて後ほど触れますが、その時の話のわかりやすさの為に先に転職先を書きます。
会社名は National Renewable Energy Laboratory (通称NREL)です。
アメリカ政府機関である Department of Energy (通称DOE)の研究機関です。
ここが非常に重要なので改めて書きますが、国の機関です。

仕事的に言えば今熱中しているV2Gを包括するVGI (Vehicle Grid Integration)のシステム研究、検証(実験)です。

前回記事からの足取り

前回記事から時間経過したので何があったか改めて書きます。
ちなみに前回記事ではぼかしましたが、リファラーは今の仕事のお客さんであり、お客さんがHRに働きかけてくれました。
こういうコネがないと一般的には抽選ありのビザスポンサーはしてもらえないです。

  1. 3月上旬
    お客さんの会社から内定をもらい、H1Bの抽選登録をしてもらう。
    NRELからも同時期に内定をもらうがお客さんのサポートもあったのでNRELはこの時点でお断り。理屈的には可能だけど次回また応募したとしてもいい印象はないから気をつけた方がいい、とリクルーターから嫌味を言われる。

  2. 3月下旬
    H1Bの抽選結果が出るも、落選

  3. 4月〜7月
    EB-2(グリーンカード)のスポンサー経由での入社をお客さんに打診するも会社ポリシーとして受け入れられないとHRから拒否される。
    お客さんがカナダでの採用、欧州での採用を含めてお客さんが検討してくれるが、結局法人が異なる為できず。

  4. 8月
    お断りしたNRELのチームから再度連絡があり、再 engagementを開始。
    ポリシー的に内定から半年以内ならゼロから全ての面接プロセスを経る必要はなく、8月末に再面接を一回実施。
    給与ネゴと入社タイミングネゴを行い、12月中旬入社で内定をもらう。

  5. 9月
    ビザのタイミングとNRELの引越しサポートなど総務的なタイミング、そしてアメリカ政府機関の閉鎖の噂(政府の年度予算承認が議会で得られない可能性があった)もあり入社日が年明けに変更

  6. 11月
    一時帰国を10月にした為、11月中旬にUSCISにビザ申請

E2ビザからH1Bビザへは領事館プロセス(consular process)かchange of status(COS)の二通りの道がありました。
Consular processだとアメリカ国外(この一言は厳密には冗長ですが)のアメリカ領事館に訪問して、パスポートを数週間領事館に預け、パスポートにH1Bビザのシール(stamp)を貼ってもらう かつ ビザの登録をしてもらいます。
COSはアメリカ国内で完結するプロセスです。が、ビザのstampはアメリカ国内ではやってもらえないので、結局ビザstampのためにアメリカ国外のアメリカ領事館を訪問し、パスポートを預ける必要があります。

NRELのHRに聞くところによればビザはそもそもUSCISにより電子的に管理されているのでビザstampがなくても労働することは問題ないみたいです。
一方で入国審査(空港について質問されるあの緊張する場所)では明らかにパスポートのビザstamp (シール)を見ているので、労働許可が電子的に確認できていたとしても入国できるとは限らないと感じています。というか多分そう。
つまり、COSでビザを得て労働許可を得たとしても、結局アメリカ入国のためにはビザstampが絶対と言っていいほど必要なのだと解釈しています。

ということで明らかにConsular processの方が無駄がなくて良いようにみえます。
ただアメリカ国外で余裕を見て4週間滞在することを考えると明らかに日本に帰るしかないです。
日本に帰る費用、4週間日本にいる必要があること、そして日本滞在中にビザの切り替えがあるということはその間に現職をやめる必要があることを考えるとCOSが良いなと思い、COSにしました。

ちなみにGoogleで調べてもE2からH1BのCOSはヒットしないですが、一応可能みたいです。(本当に可能かはこれからわかるのですが)

注意点として記載すると、家族のビザはH1Bに紐づいたH4である点です。
H4自体は特に注意を要するビザではない(と思っています)ですが、紐づいているが故にH1Bの申請とH4の申請が同時になされた方がよいというのが注意点です。
たとえば僕のケースでいえば、10月末に一時帰国をしました。家族には極力日本でゆっくりして欲しかったので一時帰国からのアメリカ帰国をタイミングをずらしました。
僕のケースにおいて、僕のH1B申請がなされるのは家族帰国後になりました。
ということで、アメリカで転職する前に一時帰国はしないほうが良いです。

H1BのLotteryと回避方法(Cap Exempt)

さて、特にここまで何も書いていませんでしたが、なぜお客さんの会社へ入社しようとした時はH1Bの抽選(Lottery)があって、NRELではなかったのでしょうか。
H1BはLotteryが毎年3月にありますが、逆にいうと3月にしかLotteryは実施されません。つまり4月に内定をもらった、新規にH1Bビザが欲しい人は翌年3月まで待つ必要があります。
またそもそも Lotteryの倍率は今年度は約10倍です。Lotteryは純粋な運と言われていて自分の出身、経歴は関係ありません。(マスター取ってると少しだけ枠が広がりますが)
今回、NREL内定は8月末で入社は翌年1月です。

NREL入社はこれら全てをすっ飛ばしました。
なぜか。これは、H1Bにはcap exemptという例外が設けられているからです。
Cap exempt自体は色々条件がありますが、少なくとも僕の経験から確かなこととして言えるのは、アメリカ政府機関に属する組織に就職するのであればH1BのLotteryが不要である、ということです。
くどいですが、NRELはエネルギー省の研究機関です。これにより、Cap exemptを適用できLotteryなしでH1Bビザを得られることになります。

政府機関以外にもcap exemptの組織があるのでぜひ検索してみてください。
突然出てきましたが、cap = 上限という意味で、上限があるが故にLotteryがあります。exemptは除外的な意味合いです。

とはいえ。。。

ビザ取得のプロセスはNRELの委託する弁護士事務所とNRELのビザエキスパートみたいな人により進められます。
自分自身ができることは限りなく少ないです。したがって、日程のコントロールなんてほぼ不可能です。
アメリカの長期休暇シーズンで担当者が休みになるとプロセス(資料作りとかサインするとか)は止まります。こっちは引越し日が決まらなくてソワソワするのに担当者が休んで完全にプロセスが遅れていることを謝りもしません。さすがアメリカ。こういうところは全く好きになれない。

ということで、記事はここまでで次回は本当に無事H1Bが取れたのか、引っ越しは間に合ったのか、その他それにまつわるイラっとしたことを共有できたらと思います。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?