【コンセプトとターゲット】『Beep21』とはいったいどんなWebマガジンなのか?
『Beep21』の最初の予告に続き、ここでは
という話を公開していきます。
①『Beep21』とは?
『Beep21』とはいったいどんな媒体なのか?
歴代の刊行物と並べて解説すると、
以下のような「相関関係(位置づけ)」になります。
2004年3月に刊行された
『Beep復刻版』は
1985年~1989年に発行
された伝説のゲーム誌
『Beep』の誌面をそのまま
スキャンし、復刻した
メモリアル書籍でした。
また、2021年7月に発売された
『セガハードヒストリア』は
メガドライブ、セガサターン、
ドリームキャストの3世代に
「セガハード専門誌」として
12年間発売された約300冊の
雑誌を1冊1冊振り返る
『セガハード専門誌総覧』と
当時セガハードで活躍した
ゲームクリエイターたちが
20年前の当時を振り返る
特別インタビューを収録。
付録として
メガドライブシリーズの
精巧なミニチュアや
メガドライブソフト10本が
遊べる形で収録された
「限定生産書籍」として
発売されました。
どちらも紙の出版物をベースに
刊行された「書籍」でしたが
今回新創刊される『Beep21』は
「Webマガジン」として登場します。
②『Beep21』はなぜWebマガジンに?
2018年6月から実に3年がかりで
『セガハードヒストリア』を
制作してみてわかったことがあります。
セガが家庭用ゲームハードから撤退して
実に20年の歳月が経ちましたが
今もまだ、そこには
往年のファンや当時のクリエイターが
そのままそこにいた、ということを
『セガハードヒストリア』を作ってみて
あらためて実感しました。
ですが、その一方で
「書籍」という媒体の制約
といった「紙媒体」の制約も
あらためて感じました。
もちろん、本には本の良さ
があるのですが
一方で、一度その時点で
紙に刷ってしまったら、
そこから情報の更新はできません。
仮に、後日新しい情報が入手
できたとしても、紙の書籍の場合は、
当然ながら情報更新はできないわけです。
また、往年のファンが今もいたとしても、
こうした書籍は、商品化のタイミングが
限られた瞬間しかなかったりします。
もちろん、ページ数も無制限という
わけにもいきません。
本の良さは理解しつつも
現代のWebやネットの交流を
生かしたメディアの可能性も
検討してみたい。
そうした中、スタッフは
『セガハードヒストリア』を
制作しながら
2020年春頃から
『Beep21』の構想を
検討し始めました。
③本にはできないWebの良さ
本にはできないWebの良さ
と言えば、やはり
柔軟な企画ができる
ということが、まずは挙げられます。
たとえば紙の書籍で発売された
『セガハードヒストリア』には
メイン企画として17人+αの
インタビューを収録していますが
本来は、他にも「聞くべき人」
「収録したかった人」という人が
実はたくさんいました。
ですが、コロナ禍の状況もあり、
「本の締切」に間に合わすことが
できた人が、実際に書籍に収録
することができた方たちでした。
※とはいえ実際、奇跡的にタイミングが
合ったという方も、何人かいましたので
『セガハードヒストリア』自体は
本当に運が良いタイミングで
制作できたとも言えます。
また、こうした書籍の場合
記事のボリュームも、「紙媒体」
というスタイルに合わせて
「編集」もしています。
尺の長いインタビューですと
収録時間は3~4時間というものもあり、
テープ起こしにして7万文字を超えた、
という方もいらっしゃいましたが、
実際に本に収録する際は、
「編集」をして、2万文字弱にした、
というケースもありました。
これを本にそのまま全部載せると
1人のインタビューに20ページ
近くも使うことになり、さすがに
全体のバランスから言っても
そうしたスタイルは取りにくい
という制約が、書籍という媒体にはありました。
最終的には
本の体裁とバランスを取って
あの形として完成したのが
『セガハードヒストリア』
だったと言えます。
今回『Beep21』を
「Webマガジン」にした理由は
そうした数々の制約を受けにくい
スタイルにすることで
より完全な形で記録に残し
届けたい、というのが
出発点としてありました。
もちろん、インタビューも
単純に活字印刷からデジタルデータに
変換する、というだけでなく
たとえば動画や音声なども収録し、
より臨場感あふれる形で掲載する
ことも、デジタルならば可能です。
さらに、今の時代は
やはりネットワークありきの時代ですから
TwitterなどのSNSを通じて
ファンや読者の方との交流も
誌面で交えつつ、
よりクリエイターの人と
ファンの方の距離を近づけるような
企画を盛り込んでいこうと
思っています。
『Beep21』では
そんな、新しいスタイルを
少しずつ見せていければ、
と思っています。
後世に記録として、より多くの人を交え、
常に情報を更新していく形で残す
そんな意味も込め
『セガハードヒストリア』に掲載した
特別インタビュー記事の数々も、順番に
「コンプリート版」として再編集して
『Beep21』に掲載していく予定です。
Webマガジンだから
一度本にしたらそれで終わり…
ではなく、
始まった瞬間から
永続的にファンに届け続けていく
そして、ずっと更新をし続けていく…
そんな「紙の本」にはできない
デジタルマガジンならではのスタイルを
形作っていければと思っています。
④『Beep21』のメインターゲット
『Beep21』のメインターゲット層は
往年のセガファン、
そして往年のゲームファンです。
旧『Beep』には当時、他のゲーム
雑誌にはほとんど載っていなかった
セガのゲーム情報が掲載されて
いたことから、セガファンが
ここに集まり、「セガ人(びと)」
「Beeper(ビーパー)」と言った単語が生まれ、
一部のマニアの方が今もたまに使っています。
『Beep』の名前はその後
メガドライブ専門誌の
『BEEP!メガドライブ』に
受け継がれ、そこから3世代(約12年間)
『セガサターンマガジン』
『ドリームキャストマガジン』と
「セガハード専門誌時代」が続きました。
2021年7月に発売された
『セガハードヒストリア』では
そのセガハード専門誌時代を中心に
当時のスタッフが「あの時」のことを
振り返っていくスタイルがとられましたが、
『Beep21』の記事も
「あの当時のことを知るメンバー」が、
当時のことを今の時代に明らかにしていく
というスタイルを取っていきます。
現代は、まわりを見回すと、すでに
多数のゲーム系Webメディアが存在し、
個人のブログやSNS発信も盛んです。
そんな時代に新創刊する
『Beep21』は
あの時のことを知っている
スタッフや関係者が
あの時のことを書いていく
振り返っていく
未公開の事実を明かしていく。
そんなスタンスを軸に置くことで
他のゲームメディアとは
違った内容に自然となっていく
と考えています。
そうした片鱗は
『セガハードヒストリア』で
お見せすることができたと思いますが
今回の『Beep21』は、
印刷物のような「物理的制約」が
いろいろあった本(書籍)ではなく
Webというデジタル媒体だからこそ
柔軟に企画をし、物理的な制約も少なくし、
可能性は無限に持って
新しいスタイルの『Beep』を目指す
そんな『Beep21』にしていきたいと思っています。
『セガハードヒストリア』を買った人も
高くてちょっと買えなかった人も
ある意味、マニアックで
誰も知らなかった話
ネットで検索をしても
絶対出てこないような話
当時のことを深く濃く知っていた
関係者だから書くことができる記事
そして『Beep21』だからこそできる記事
そんな誌面にできればと思います。
実は、デジタルでやる理由の1つとして、
こんな将来イメージも少しだけあります。
みなさんもご存知の通り
セガは海外では(日本以上に)人気が絶大です。
セガのメガドライブ(=ジェネシス)時代を中心に
アメリカ(南米も含む)やヨーロッパでのセガの人気、
セガファンの多さは、日本以上のものがあり、
日本から見ていても、なかなかそれは
伝わってこない部分がありますが、
デジタル化しつつ
SNSも積極的に利用していき
ファンの方々と交流できる場を作る
そんな『Beep21』のスタイルは
将来的には収録したインタビューや
記事などを海外向けにも翻訳し、
海外のセガファンとも
交流できるような場にしていく
これはちょっと先の話に
なると思いますが、そんな将来の夢も
少し考えていたりします。
もちろん、最初の出発点は
わたしたちのいる今の場所から
日本のセガファンの方々と
スタートしていきます。
そこは少し長い目で
温かく見守ってもらえれば、と思います。
➄第一期と第二期の二段階、そして『Beep21』の発刊サイクルについて
『Beep21』はセガネタしかやらないのか?
そんな声も聞こえてきます。
『Beep』の名前を冠しているのですから
そこはもちろん柔軟にしていこうと思っています。
最初のスタート地点は
『セガハードヒストリア』コンプリート期
まずは『セガハードヒストリア』で
できなかったこと、できたけれどそれを
「より完全版にしていく時期」を
「第一期:セガハードヒストリア・コンプリート期」
として考えています。
1号ごとに、
新規にインタビューを収録しつつ、
並行して
『セガハードヒストリア』に掲載した
インタビューの完全版も掲載していく。
文字数や写真点数など
あまり制約を意識せず
Webならではの自由度の高い
記事として再構成・再編集した上で
順番に掲載していく予定です。
これも『Beep21』では
順に始めていこうと思います。
ちなみに『Beep21』の発刊サイクルは
そんなペースで考えています。
特に12月下旬に創刊する最初の1号目は「パイロット版」としてリリースし、公開できるようになったところから記事を「少しずつ、順に公開」していく予定でいます。
そして、各記事は
一度公開した後も
読者のみなさんの投稿
(※質問や応援メッセージ等)を交え、
継続的に更新していきます。
クリエイターの方、漫画家先生など
それぞれの記事や連載企画の中で、だんだん
小さなファンコミュニティができていき、
クリエイターや漫画家先生の方々とも
より近い距離で交流できる場が
『Beep21』の中にできていく
イメージでいます。
最初の1年ほどは
(※もしかしたらもう少し長く?…)
セガファンを軸にした記事を展開し、
そこから先は、「第二期」として
『Beep21』としてより門戸を開いた
ある意味「何でもアリ」だった
昔ながらの『Beep』的なノリも
やっていこうと思っていますので
(あせらず)気長に温かい目で
ご期待いただけるとうれしいです。
◆『Beep21』のコンセプトキーワード
実は『Beep21』を作る際
関係するスタッフや
クリエイターの方々に
『Beep21』のコンセプトキーワード
というものを伝えています。
どんな記事をやるにしても
どんな企画をやるにしても
「頭の隅に置いておく」ための
『コンセプトキーワード』
それは
というキーワードです。
スタッフにはもう少しくだけた言葉として
「アントキのセガ」
なんて単語で話しています。
(アントキの猪木みたいですが…)
たぶん創刊号パイロット版の
企画をご覧いただいた時には
みなさん【アントキのセガ】と
いう言葉を感じてもらえるん
じゃないかと思っています。
⑥『Beep21』の名前の由来は…
さて、『Beep21』の発表後、
微妙に「発毛のリー〇21か」
というツイートをたくさん
いただきましたが
いちおう『Beep』に「21」をつけた理由は
2021年に始動する
だから『Beep21』
というのがありました。
『Beep21』のTwitterのアカウントは
2020年8月に作成したものでしたが
こちらをご覧いただくとわかるように
「@Beep2021」とあることからも
1年以上前から、
2021年にスタートしようと思っていた
というのがあります。
もちろん、「21世紀版Beep」
だから『Beep21』だ、という
意味合いもありましたが
という決意がスタッフの中にはあります。
始めた年の2021年を忘れないように
誌名(『Beep21』)を見て、
常に(始めた時の)初心を忘れないように
そんな思いがそこにはあります。
実は『セガハードヒストリア』の企画を
最初に出版社から打診された際に
と、始めの頃は何度か断っていました。
ですが、ふと考えた時に、10年後の年齢は
みんな60代あたりになっていて、その頃には
話を聞けない人も出てくるかもしれないな…
と思い直し、3年がかりであの本の制作を続けた…
という経緯がありました。
実は非常に残念な話なのですが
『Beep』から『ドリームキャストマガジン』
まで活躍し、セガ専門誌時代には
編集長も担当していた近藤裕が
先日急逝する、という
悲しい出来事がありました。
近藤編集長については
『セガハードヒストリア』の中でも
取材を元気に受けていただき、
その一部はこちらの記事でも
春先に掲載していただいていたのですが
完成した『セガハードヒストリア』の
見本誌を手にした直後あたりで、
緊急入院され、その後亡くなられて
しまわれました…。
あまりに急な出来事に
ショックも大きかったのですが
もうわたしたちは
かつてのように若くはなく
今できるうちに記録に残せるものは残すべき
そんなタイミングにきているんだ…といった
深い想いと使命感を感じています。
セガの家庭用ハード撤退から20年
当然ですが、当時若かったわたしたちも
今はおそらく40代、50代…と
年月の分、歳を重ねてしまっています。
そんな時に
残りの余生を振り返りながら
読者のみなさんと一緒に楽しめる、
『Beep21』はそんな媒体に
していければと思います。
それでは『Beep21』創刊号(パイロット版)に
収録する予定のコンテンツリスト(連載漫画含む)と
各記事の内容と解説は以下の記事をご覧ください。
どうぞよろしくお願いいたします!
『Beep21』は2021年12月24日に創刊!
創刊号は新しいスタイルの
「パイロット版」としてスタートします。
▼『Beep21』創刊号【パイロット版】はこちらから!
▼最新の目次はこちらです
また、こちらのサイト(note)も
フォローしていってください。
どうぞよろしくお願いいたします!
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