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コムハニー

最近は朝食にコムハニーを食べています。トーストにそのまま乗せたり、ヨーグルトにトッピングしたり、紅茶に入れたり。コムハニーというのはミツバチの巣に溜まったハチミツの事で、はちみつと巣を一緒に食べます。サクサクした食感が意外とクセになって、コムハニーに食べ慣れると、ハチミツだけ食べる事に対して何か物足りなさを感じるようになってきます。

私は養蜂を生業としていますので、ハチミツは毎日普通に食べていますが、コムハニーを日常的に食べる事はいままでありませんでした。しかしながら、こうして毎日コムハニーを食べてみて、なるほど、こういうハチミツの食べ方もあったのかと新鮮な気持ちになりました。

産業革命以前、つまり遠心分離機が発明される以前のハチミツ食はおそらくコムハニーが主流だったはずで、ある意味では前時代的ではありますが、どこか本質的な質感を感じる事も出来ます。1850年代にラングストロースが枠式巣箱を発明し、フルシュカが遠心分離機を開発した事で近代養蜂は飛躍的に進化発展してきましたが、それが本当に自然の摂理に合っていたのかは今後検証されてゆくと思います。

ところで、コムハニーに関しては本やインターネット等でいろいろと解説してありますが、私が感じるコムハニーの魅力は、栄養価云々よりむしろ「巣のままハチミツを食べる」というプリミティブな感覚にあります。皮を剥かずに果物を食べるとか、骨ごと魚をたべるような感覚に近いかもしれません。

ところで、私のガレージには遠心分離機が3台もあり、さらにハチミツのタンクも大小3台あって、狭いガレージを占拠しています。それらは養蜂業には必要不可欠な道具だと思っていましたが、コムハニーを専門に作れるようになれば必要なくなるのではないかと、ふと想像してしまいました^_^


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