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Dolphin Danceはもっとシンプルかも

ハービー・ハンコックの曲の中でも難曲扱いされやすいDolphin Danceですが、この曲は多分「アッパーストラクチャートライアド(以下UST)を使ってみよう」というコンセプトで作られた曲です。

(電子書籍もあるのでスマホに忍ばせておくと時々役に立つ)

特に後半です。

sus4はすべて♭Ⅶ/Iとして作られたんじゃないかと思います。あるいはⅣ/Ⅴと言ってもいい、同じことです。

例えば下から4段目の|F7sus4 |F7(♭9)|なんかは、

E♭△→D△→E♭△

という半音の上下をするトライアドのアイデア。

難しい最後の段ですが、なんとなくFm→E△(G#が共通している)からの、E△→C△(Eが共通している)という共通音を利用したアイデアなんじゃないかなぁと。

バークリー音楽院のジャズコンポジションの授業でも「USTを使って曲を作りましょう」という課題があった。ジャズ作曲にとって大事なのはこういったテクニックやアイデアをどう美しく落とし込むか、だと思います。

USTはいわゆるコードトーン(1・3・5・7)が揃わない現象が発生するという特徴があるので、即興をする際は自分で合間を埋めたり埋めなかったりする自由度が生まれます。「オルタードテンションがあるからオルタードスケールを弾こう」ではなくて、「このトライアドはオルターどテンションになるな」という発想ですね。

思索のメモでした。要するに書いてある譜面に謎があったら検証してみようってことで。


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