見出し画像

SNSと都議選

エコーチェンバーって知ってますか。周りに同じ意見の人が集まるとそれが世界全体の意見だと勘違いするという、人の心のバグみたいなものです。
SNSは同じ意見や嗜好の人を探すのにはもってこいのツールなんですが、同時にエコーチェンバーが起きやすいことも知られています。知ってましたか?最近ではフィルターバブルといってSNS側がユーザーに”合った”情報を提供するようになっているので、特にその傾向が強まっています。


2000年頃に小泉構造改革といって、テレビやメディアを懐柔した小泉純一郎のエンタメ型キャンペーンでもって選挙を大勝ちしたことがありました。その時代はネットはまだ黎明期で、マスメディアによる情報がほぼすべて、という状況でした。
YouTubeやTwitterが政治に力を及ぼし始めたのは2011年の震災後からだと思います。でも当時はまだまだマスメディアが強く、ネット界隈はあくまでアングラでした。昔から桜井誠なんかはネットを使って活動してて、今もやってるのは偉いなぁと思います、政策面で支持はしませんが。

そして現代、SNSで情報発信するのは当たり前になりました。


SNSの影響力はどれほどか?

とはいえSNSでの影響力は軽微なままだと感じていて、今回の都知事選挙で石丸候補が得票数を伸ばしたのはあくまで自民党系グループによる選挙活動によるものだと思うし、蓮舫候補と同じ流れで得票数を伸ばしたに過ぎないのではないでしょうか。「これからはSNSで頑張れば勝てる!!」みたいなことは、軽々に言えないでしょう。SNSの力で得票数を伸ばすのはやはり難しかったと言わざるを得ないです。

だってハッピーなサイレントマジョリティ、マイルドヤンキー的な人は政治とか難しいことにタッチすることはないからです。政治問題って基本的にハッピーではない人にしか届かないですから。
若年層の多くが石丸候補に投票したことを危険視する見方もあるようですが、そもそも投票した母数が小さくそれが若者全体の傾向とはとても言えない。むしろ『意識高い系』の、近場の人から煙たがられるような集団から距離を取りたいと感じるのが今の若者の傾向でしょう。(面倒な人から距離を取ろうって訴えが浸透しているのはいいことですね)

今もNHKが「石丸さんが得票を伸ばしたことは影響がある」と伝えていますが、これは勘みたいなもので恐縮ですけど、そうではないと思います。だってステルス自民が動いただけでしょって話ですから。石丸候補はそういうグループから支持を受けていたので。
ネットの力だすごいぞ!って思っているなら、それはきっとエコーチェンバーでやられていますよ気をつけて。


これからは『ある』に変わる

エコーチェンバーは「不幸」「残念」「疑惑」といった、ネガティブな情報が混入している状況で発生しやすいです。政治はまさにそういった問題点を取り扱うので、どうしても周りに同じ意見しか集まらなくなります。ネット上でなくても同様です、政党ってそういうものですからね。

でも今回、エコーチェンバーの枠をぶち破って2人の候補者がタイムラインに現れたのは良い兆候なんじゃないでしょうか。安野候補と暇空候補はSNSの機能である「おすすめ」に登場することに成功して、インターネットによる選挙活動に新しい側面を見せてくれました。

なので、影響力は「これからは『ある』」になるんじゃないかと思います。問題点の可視化はSNSの得意分野ですからね。

逆に既存政党は「自分たちはエコーチェンバーに囚われていないか?」と猛省すべきです。自民党も野党連合も、周りにイエスマンばかりになっていないか?を問わなければ、あと10年もしないうちに支持してくれてた団塊世代はいなくなり、別の勢力に入れ替わってしまうでしょう。

以上が今回の都知事選挙を遠目に見た感想です。
政治は時間軸を長く見ていないと分からないことが沢山ありますよね。だから僕は「初見さんこんにちわ」って気分で、新しいアレコレを眺めています。歓迎です、どの候補を支持するとかじゃなく、この国を支持しているのでしょうから。




サポートなんて恐れ多い!ありがたき幸せ!!