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山健斗です。【自己紹介】【UP Life】【株式会社ARCE】

連日の猛暑を水道水がぶ飲み作戦で乗り切っている山です。

ありがたいことに、ここ1〜2年でフォロワーが700名近く増えたり各学会で知り合いが増えたりしています。
恐らく「予防に特化した何かしらの事業をしている奴」でご認識いただいていると思いますが、具体的に何者か存じ上げない方がほとんどかと思います。

今回は今までの自分を振り返る意味も込めて、自己紹介をしていこうと思います。
最後まで読んだ方は良い情報が手に入るかも・・・?

①どこの人間?

私は鹿児島県の与論島というコンビニもない、電車もないような島で育ちました。多くの方に「沖縄?」と聞かれますが、一応ギリギリ鹿児島県になります。
正直、沖縄といっても良い気がします。

そこから理学療法士を目指して埼玉の大学へ行き、初めての職場は東京都の回復期病院に勤めました。
今は趣味である滷肉飯(ルーローハン:豚バラを甘辛く煮込んだやつ)を妻に飽きられながらも作り続ける日々を過ごしています(おそらく年間100回くらい作ってます)。

②今は何をしている人?

26歳の頃から神奈川県相模原市にある株式会社ARCEに入職し、31歳になった現在はサービスと人事(採用・育成・評価など)の統括責任者であるCHRO(Chief Human Resource Officer)として働いています。

株式会社ARCEは「セルフメディケーションを当たり前の文化にする」というコンセプトの予防に特化したヘルスケア企業です。

Speakerdeckの「UP Life施設紹介」より

事業としてはLIFit.というエビデンスベースの健康情報サイトの運営やLife Science Communityという研究初学者・熟練者などが集まる学術コミュニティの運営を行っています。

その中でもメインの事業となるのが、生活習慣病予防に特化したオーダメイド型デイサービスであるUP Lifeです。
あとで詳しく紹介しますが、このUP Lifeのサービスの質向上やスタッフの育成、店舗の発展課題に対するテコ入れ、地域の介護予防事業戦略などを担当しています。

あとは、ほんとたまに地域高齢者の目標や組織戦略による人的資源への影響に関する研究をしています。基本的には事業に関係のある内容を中心に研究しているので、利用者や地域のニーズ調査や会社の組織戦略に対する意思決定に関連する要因分析が多いです。

他にも研修会の企画作家をしたり記事の監査をやったり組織課題に対する相談に乗るようなことをしたりと、ぼちぼち色々なことをやらせていただいています。

③UP Lifeとは何なのか?

各学会に顔を出させていただいた際に、多くの方から「UP Lifeって何やっているの?」「どんなことをやって介護予防に取り組んでいるの?」と尋ねていただく機会が増えてきました。
とても嬉しいので、誰でも何回でも聞いてきてください。

UP Lifeは2019年9月に神奈川県の相模原市にオープンしてからもうすぐで5年が経ちます。現在は同じ地域に3店舗開設しており、スタッフも非常勤を合わせると20名近くいる状態です。

UP Lifeのコンセプトは「セルフメディケーション能力を身につけて、自分の健康を自分で管理できるようになる」です。

Speakerdeckの「UP Life施設紹介」より

そのために大事にしていることが5つあります。

1.メニューは全てオーダメイドであること
2.目標設定およびメニュー作成に利用者が参加すること
3.スタッフは"指導"から"支援"に、"専門家"を"一般化"にすること
4.成果を見える化すること
5.目標達成による卒業を前提とすること

1. メニューのオーダメイド化

従来のデイサービスのイメージは、全員で集まって棒体操だと思います。最近だとメニューをAIが作成してくれるツールも増えてきたので、準オーダーメイドの施設も増えてきたのではないでしょうか。

UP Lifeではサービス時間3時間のうち、2時間は運動、15〜20分は健康に関する座学(ミニ講義と呼んでいます)を行います。
この2時間の運動を機能訓練だけで埋めるのはもったいないですし、卒業を前提としている以上は目標課題に対する介入は必要になります。

以前に症例報告をしましたが、疾患に限らず課題指向型アプローチのように目標や課題に近い環境での運動や機能訓練は、運動機能のみならず精神的な要素にも作用して社会参加を促進する要因になる可能性があります。

機能を良くするだけでなく「その人の課題解決のために必要な要素を詰め込む」ためにオーダメイド性のあるサービスを行っています。

2. 目標設定およびメニュー作成への参加

介護保険は利用者がサービス使用の有無や種類に関して主体的に自己決定することが基本になります。
それはサービスを卒業するか否かの判断もそうです。つまり、専門家が主体となっていつまでも「○○しましょうね」と言うのは主体性を削ぐため、望ましい形ではないと言えます(性格や病態を加味しなければ)。
ただ、従順にさせた方が経営は安定しやすいのでジレンマが生まれますが。

また、SDMに近い考えではありますがメニューや目標の方針に利用者が参加することでアドヒアランスや主体性は向上すると思います。

3. "指導"から"支援"に、"専門家"から"一般化"に

こちらも②と同じように依存を生まない工夫になります。最初の方はラポール形成や病態由来の機能低下が起きていることも多いため、"専門家"としての"指導"によって細かいケアであったり個別の時間を多くとる場合があります。この時期は利用者も「先生」と呼ぶことも多い気がします。

しかし、状態の回復に合わせて少しずつ自分でできることは自分でやってもらわなければなりません。そこで、目標となる動作ができるように設定された環境の中で運動を反復していきます。この時期は痛みや状態の増悪につながらなければ多少の動作エラーが出ても見過ごすこともあります。

この時に私たちは本人が「できた!」という感覚が得られるように"支援"をしつつ、自己管理ができるように専門的な知識を"一般化"して、利用者が自己活用できるようにしていく必要があります。

4. 成果を見える化

UP Lifeでは運動・精神機能、社会参加関連など数十種類にわたる評価指標を計測しています。

2024年8月の老年療法学会でも報告させていただきましたが、目標動作が日常生活でどの程度できているのかといった指標(COPMの遂行度など)などは、本人にとって大きな意味を持ちます。

それらに関連する項目は専門家の一経験だけでは説得力に欠けたり読み間違えたりすることもあります。
そこで、利用者本人が目標達成に対しての現在地が分かるように見える化しています。

5. 卒業が前提

リハビリ業界では介護保険の卒業が一つのテーマとして扱われることがよくあります。みなさんはその理由を考えたことがありますか?

私個人が考える卒業が大切な理由は、介護保険サービスが必要ないと本人が感じられる主観的な健康感を持って生活できる状態になることです。
ここでは、よく社会保障費の抑制など経済的効果が取り上げられますが、そこら辺はよく分かってない以上言及するのは難しいです。

私の経験上、高齢化していくことで通院は必要な状態になり、薬は飲み、誰かの手を借りなきゃいけないという望まない社会保障の恩恵を受けて続けると、利用者が「患者化」していく印象があります。
運動機能の回復も大事ですが、主体的健康感も同時に回復していかなければ、活力のある生活は得られないのではないかと考えています。

その一つの基準として卒業です。少しでも社会保障からの脱却を図り、生活の自立だけでなく生活の主体感を取り戻すことが大事ではないかと思います。

④で、UP Lifeで何してるの?

簡単にまとめると2つです。

1. 組織戦略の企画・実行
2. 地域単位の介護予防事業の開発

1. 組織戦略の企画・実行


UP Lifeでは現場に出ると言うよりは、先ほどまでのサービスが適切に行われているかをモニタリングしたりサービスの質を上げるための各人材課題に基づいた育成計画を管理者と行ったりしています。

ですので、介入技術はそこまでありませんが、これらを優秀なスタッフ達がより高い能力を発揮して利用者に届けられるようにサポートしています。あとはBBQや花見などの飲み会企画担当です。

個人的には介護予防が専門というより、介護予防を行う組織作りや組織戦略を作るのが専門だと思っています。

2. 地域単位の介護予防事業の開発


また、近隣の地域包括や行政と連携して介護予防事業の企画・実施も担当しています。

最近では私以外のスタッフも事業作成が行えるようになってきていますが、一般的な介護予防教室から測定会、福祉用具の体験会、地域サロン、小学生向けの認知症講座など5年間で100回以上の介護予防事業を行ってきました。

事業企画は「はい、これやりましょう!」だけではできません。財務情報や戦略性に基づいた企画や上司が納得いく材料の用意、事業を動かすチームづくりなどいくつかの壁を乗り越える必要があります。

それを0から作るのも私の仕事です。今まで何十個も企画書を作りましたが、採択率は10%も無いような気がします。

⑤おわりに

本当はサラッと書くつもりでしたが、自分を紹介する上でUP Lifeは切り離せなかったので長くなってしまいました。
ここまで読んでいる方がどれくらいいるか分かりませんが、自分のことを少しでも知っていただけると嬉しいです。

最後に2つ宣伝です。

最後の方に介護予防事業に関することを書きましたが、老年療法学会主催で2024年8月24日(土)10:00〜12:00介護予防事業の作り方に関する研修会を行います。
講師には私やOTでありつつ病院で介護予防事業を行っている小渕浩平先生、行政と連携して介護予防を行った経験が豊富な森優太先生で行います。

0から介護予防に取り組む方向けの内容で、経験者の方も質疑応答の時間を長く設けておりますのでそちらで現在の課題などをぶつけていただけると嬉しいです!

お申し込みのリンクを下に貼っておきます。


もう一点は、UP Lifeの求人についてです。直近で募集はしていませんが、今後も事業展開を加速させていきたいのでUP Lifeへのjoinを検討してくれる方を求めています。

雇用条件などはDMでお答えしますが、まずは施設の見学をオススメしますので、ぜひご検討ください!UP Lifeの詳細についてはこちらからご覧ください。


では、長くなってしまいましたが以上で自己紹介を終わります。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!

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