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東京の民泊は多い?安い? 世界4都市、民泊比較

民泊ってもう飽和状態なのでは?とお考えのみなさん。世界の民泊事情はご存じですか。

欧米の大都市を比較してみると、東京の民泊はまだまだ伸び代がありそうです!

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4都市のデータをチェック

今回は世界の4都市、東京・ロンドン・パリ・ニューヨークの民泊を比較してみます。

Inside Airbnbのデータ(2024年4月執筆時点)をまとめると、各都市におけるAirbnb掲載数・年間平均稼働数・一泊平均価格・利用期間・貸し出しタイプは下記のようになりました。

Inside Airbnbを元に筆者作成

東京は少数精鋭!?

順番に結果をみていきましょう。

まずはAirbnb掲載数

東京は13,725件。他の3都市、ロンドン 91,778件・パリ 74,329件・ニューヨーク 39,319件と比べると、ダントツで少ないことがわかります。

その差は都市の人口と比較すると、より明らかです。東京の人口は1,396万人と4都市中1位。パリの6倍以上が暮らす大都市にも関わらず、民泊の数はその1/5以下。部屋の供給量・都市のキャパシティという意味でポテンシャルは高いはずなのに、それが民泊に活かされていない状況といえそうです。

次に、年間平均稼働数

これは、東京が84泊で1位です。ロンドン(46泊)に比べると1.8倍もの利用があります。

民泊の営業ルールは国・地域ごとに異なるため一概には比較できません。しかし東京では、区によっては週2日しか稼働を認めないなど、厳しい条例も多くあります。そのような条件下でも1位ということは、実質の稼働率は世界的にみてもかなり高いと考えられます。

以上のことから、東京は、数少ない民泊の制限された稼動可能日をフル回転させている、いわば少数精鋭状態。ややもすると泊まれる場所をゲストが奪い合っている状況にありそう、ということがみえてきます。

他の3都市と比較すると、需要に対して供給が足りていない可能性が高いです。

東京の民泊はまだまだ少ない

価格、期間、タイプは同じ傾向

続いて一泊の平均価格です。グラフの数字は、円安真っ只中の2024年4月現在のレートで計算しました。

東京の平均価格は一泊あたり29,142円ロンドン(33,519 円)・パリ(32,975 円)より少し安い程度で、大きな差はないことがわかります。

参考までにマクドナルドのビッグマック(単品)を引き合いに出すと、東京では450円なのに対し、ロンドン 938円(£4.89)・パリ 1238円(€7.50)2倍以上の開きがあります。

この2〜3倍という物価の違いを仮に前提として考えると、東京の民泊の値段は日本の一般的な相場に比べて割高=利幅が大きいといえそうです。

宿泊期間についても、東京はロンドン・パリと同様の傾向にあります。いずれも1ヶ月未満の短期貸しが大多数を占めている状況です。

一方、短期貸しに対し厳しい条件が設けらているニューヨークだけは、むしろ長期貸しが優勢です。一泊の平均価格も他の3都市と比べるとかなり安いことから、東京でいう賃貸のような長期貸しありきの物件が多く掲載されていると思われます。

最後に貸し出しタイプです。

これは4都市全て同じ傾向で、1位に一軒家もしくはアパートをまるっと貸し出すスタイル、2位は部屋貸し3位は部屋をシェアするドミトリーのような共同タイプ、4位にホテルの部屋貸し、となりました。

東京の民泊は、ロンドン・パリと近い価格帯

一軒貸し・長期貸しを狙おう

ここまで、東京の民泊は、その価格や利用のされ方、貸し出しタイプについては他の都市と大差ないこと。一方でただ1点、掲載数だけが極端に少ないことがわかりました。稼働数も多いことから、どうやら東京の民泊はもっと増えてよさそうです。

開業のための作戦としては、まず、世界共通の傾向として、一軒家・アパート貸しが人気であるため、丸ごと貸し出せるような物件を根気よく探していくのが吉と思われます。

でも、どこの物件を?一体どうやって見つければ?という方は、ぜひ関連記事を参照ください。
[参考] 東京での民泊開業。狙うべきは〇〇区! /X 投稿「民泊の開業物件探しについて

さらに、開業後の作戦としては「 長期貸し」が挙げられます。

現在、東京の1ヶ月以上の長期貸しの割合は2.3%と4都市中最下位です。つまり東京ではまだあまり普及していない民泊活用スタイルですが、ゆえに逆に狙い目です。

長期貸しは、民泊新法の日数制限にカウントされないなど、お得なメリットもあります。
[参考] マンスリー予約で民泊経営を効率化 / 民泊新法の施設で、合法的に365日営業する方法

長期貸しを見据えた民泊戦略を!

最後に

今回は、Inside Airbnbのデータを4都市にわたって比較し、東京の民泊の現場を俯瞰してみました。

ポイントは、

  • 東京の民泊数は、他の都市と比べてかなり少ない

  • 稼働泊数は1位であることから、もっとニーズはありそう

  •  一泊平均価格は物価の違いに反して同程度

  • 全都市共通で人気の一軒貸しスタイルを確立し、長期貸しを狙おう

以上4点です。

東京の民泊は、まだまだ成長の余地があります!

文=町田紗季子

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