近隣施設の活用で、ホテル並みのサービスを!
民泊の設備投資にお悩みのみなさん。近隣施設の案内はゲストにしていますか? 地域の施設の徹底紹介で、5つ星ホテルに負けないサービスを提供しましょう!
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民泊ゲストの不満足感はどこから?
以前紹介した学術論文「民泊VS.ホテル、なぜゲストは泊まるのか?」によると、民泊を利用するゲストの不満足感に最も影響する項目は、1位・追加のサービス、2位・地域の施設の設備、3位・スタッフとのやりとり&プロ意識でした。
また同研究では、民泊とホテルは、基本的に同じ必要十分条件をもとに宿泊先として選ばれていることが明らかに。ビジネスだからホテルへ、家族水入らずで過ごしたいから民泊へ、などといった両者の垣根は今やほとんどなく、それぞれが相互に代替できる時代が来ているといえそうです。
ということは、満足感のある滞在を提供できれば、民泊はより選ばれる宿泊施設になれるはずです。 逆に、民泊だからホテルと違うのは当然と甘んじていては、ゲストはホテルに流れてしまいます。
旧来のホテル利用者があえて民泊を選び、民泊利用に慣れたゲストが今後も民泊を利用し続ける。そんな環境を作るために、民泊オーナーは何ができるのか——。
ここでは、上記で挙げた民泊ゲストの不満足感影響力1位の「追加サービス」を、同2位の「地域の施設の設備」を利用して補うアイデアを紹介したいと思います。
地域への外部委託がカギ
ポイントは、民泊施設という点で戦うのではなく、地域という面を活用することです。つまり、観光施設の案内だけではなく、滞在を快適にする近隣情報の紹介にも力を入れよう!ということです。
そもそも宿泊施設に望まれている「追加サービス」とは、どういったものでしょうか。
試しに高級ホテルの代名詞である東京の「帝国ホテル」の施設・サービス一覧を見てみると、下記のとおり大きく8つのカテゴリーがあります。
さすがに民泊がこれら全てのサービスを同等に提供することは難しいですが、しかし、「地域という外部に委託できないか」という視点で考えてみると、案外可能で且つ低コストであるように思えてきます。
では、具体的にどんな紹介内容がいいでしょうか。 順番にみていきましょう。
①朝食
朝からやっている近所の喫茶店。「営業時間は7時〜。トーストが無料でついてくるモーニングセットは500円!」といった営業時間やメニューの情報を添えて紹介しましょう。かしこまったホテルの朝食会場へ行くより、のんびりと心地よい朝時間が過ごせるかも!?
②備品・アメニティ
これは民泊でも最低限準備できそうなので割愛。困った時に役立つコンビニの紹介があると◎。
③ランドリーサービス
近場の安くて早いコインランドリー。マシーンが日本語表記だけの場合も多いので、写真付き&多言語で使い方を紹介するとより親切です。混み合う時間帯なども意外と貴重な情報に。
④ルームサービス
Uber Eatsの活用。アプリをダウンロードを促し、近隣のおすすめテイクアウトや地元のグルメ情報を紹介しましょう。「夜の22時、夜食を食べたくなったら〇〇屋!」「地元名物〇〇焼きそばを手軽に試すなら、ここ!」のような感じで。出前館など他のデリバリーサービスももちろんあり。先日のXでのアンケートの結果、取り組んでいるオーナーはまだまだ少なそうなので、ぜひおすすめしたいところです。
⑤アニバーサリーオプション
民泊の記念日利用の可能性も踏まえ、地元のケーキ屋さんや特別感のあるレストランもリサーチし、紹介できるようにしておきましょう。
⑥その他サービス
いわゆる駐車場やインターネット接続など。駐車場については過去の記事「駐車場の有無で売上の差は出る?」をご覧ください。
⑦マッサージ
近年あちこちで増えている、もみほぐし処。リーズナブルで安心して利用できる場所を紹介できるとよいかもしれません。
⑧ホテル施設
プールやサウナは公営施設を案内。最近はアクセスもよく、住民でなくてもビジターとしてワンコインで利用できる施設もあったりします。また大浴場は、近隣の銭湯や日帰り温泉施設を紹介しましょう。
いかがでしょうか。いずれも民泊そのものへの投資は不要です。近隣情報をしっかりと整理するだけで、自信を持って案内できる追加サービスへと変わります。
「地域の施設の設備」が満足度を下げているというのは、言い換えれば、設備が十分に案内されていない、ゲストが使い方を知らない、とも考えられます。
これらの地元の施設を旅行者が最大限活用する方法を、地元目線で徹底的に紹介することは、その地域にある民泊だからこその付加価値、そして、泊まる+αのサービスへと繋がるはずです。
最後に
今回は、昨年発表された研究結果を踏まえ、民泊がホテル並みのサービスを実現する方法について考えてみました。
ポイントは、
民泊ゲストの不満足感に最も影響しているのは、「追加のサービス」と「地域の施設の設備」
コインランドリー、喫茶店、ケーキ屋、プール、銭湯など、観光地以外の施設の紹介を充実させることで、宿泊施設の追加サービスに
食事の選択肢として、Uber Eatsなどのデリバリーサービスやメニューのおすすめを紹介するのも◎
近隣施設の紹介&活用で、高級ホテル並みの装備を実現させよう!
以上4点です。
地域を知り、ゲストに活用してもらえるよう、アシストしていきましょう!
【参考文献】
Sánchez-Franco. M., & Aramendia-Muneta. M. E. (2023). Why do guests stay at Airbnb versus hotels? An empirical analysis of necessary and sufficient conditions. Journal of innovation and knowledge, 8 (3), 100380 https://doi.org/10.1016/j.jik.2023.100380
文=町田紗季子
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