0時35分、デパ地下通が「世界一おいしい!」と叫んだお稲荷さん
午前0時35分。枕元においたスマホに、デパ地下通の友人からメッセージが届きました。
「夜分にすみません。めちゃ朗報!!!」
彼女が以前「世界一おいしい」と絶賛していたお稲荷さん屋が、とある百貨店の催事に出店するとのこと。
こんな夜中に?
お稲荷さん情報??
・・・ふはは!いいじゃん。買いに行きましょう、夜が明けたら。
彼女は「超」がつくおいしいもの好きで、デパ地下通。マスコミに取り上げられることも多い料理人のパートナーでもあります。
そして、彼女に「おいしいから」と勧められたものに裏切られたことは一度もないのです。
その名は、<だしいなり 海木>だしいなり
夜中に知らせたくなるほど彼女を興奮させたのは、<だしいなり 海木>だしいなり。福岡で創業37年。日本料理屋<海木>の食事の〆に出されていたお稲荷さんです。
九州圏では馴染み深い油揚げ「南関揚げ」を特製出汁で煮含め、酢飯を巻いた俵型。あまりの人気に、現在は日本料理屋は閉め、だしいなり1本に絞っているそうです。メニューはこれだけという潔さに自信のほどがうかがえます。
1個、なんと300円。
値段にのけぞり「高級食材が入っているの?」「大きいの?」と思いましたが、写真を見る限り、見た目もサイズもごくごく普通。特別な食材を使っている様子はありません。
普通のお稲荷さんと、何が違うの?
がぜん興味がわいてきました。
<だしいなり 海木>だしいなりは、普通のお稲荷さんと何が違うのか?
<だしいなり 海木>だしいなり、4個入り1,296円。高級感あふれる木目調パッケージのふたを開けると、お出汁と醤油と油揚げの香ばしい香り。黄金色のお稲荷さんが、礼儀正しく収まっています。箸でつまむと、お出汁を吸ったお揚げの弾力が指先に伝わってきました。
「いただきます」
・・・ううぅ、ほおおぉぉ・・・!
コク深い特製出汁をたっぷり吸ったお揚げはもっちりジューシー。
持ち上げてもお出汁がこぼれないギリギリの表面張力状態。
瑞々しいのに崩れることなく、5口で食べきる間、最後まで箸でつまんだ状態をキープできました。
この動物性の旨味は・・・鰹出汁!
「上品」という名の薄味ではなく、がつんと鰹の旨味がきます。しかしながら洗練された味わいなのは、日本料理の道を永年歩み続けた匠の技でしょう。
お揚げに使う南関あげは、揚げ職人と共に開発しただしいなり専用品。九州産大豆で作られています。南関あげは一般的な油揚げより水分が少なく簡単に割れますが、そのぶん出汁がしみやすく、食感がふっくらジューシーに仕上がります。
作りたてはほんのり温かく、口の中でじゅわっとジュースがこぼれるんですって(食べたい!)。お店のオススメは完成から数時間たったもので、そのほうが味がまとまるから。私が食べたのはまさにそのタイミングで、国産米のシンプルな酢飯はほんのり甘酸っぱく、お出汁の旨味を受け止めていました。
鰹出汁、醤油、酢飯、油揚げの、優しい味わい。素材に飛び道具はないのに、私は心をつかまれてしまいました。お弁当に休日のランチに、さんざん作ってきたお稲荷さん。でも、これは自分では作れない。シンプルな料理だからこそ、作り手によって差がでることを思い知りました。
「自分は大切にされている」と思わせてくれる味
食べ進めるうちに、お出汁や素材の味わいはもちろん「丁寧に巻き上げられたお揚げ」が肝なのだ、と気づきました。
丁寧に巻き上げることの効果は3つ。
一つ目は、形が崩れないのでお揚げと酢飯を終始最高のバランスで味わえること。
二つ目は、お揚げが折り重なった部分に独特の食感があり、その歯ごたえがたまらないこと。
最後に、一口食べれば「経験を積んだ職人がその技を生かし、丹精込めて作っている」ことが伝わることです。
例の伝染病によりこの1年半、おうちご飯担当の私は、それまでの倍以上の時間、キッチンに立ってきました。
「作るの疲れた・・、自分が作るご飯、もう飽きた・・」
そんな時にこんなものを食べたら「自分以外の誰かが作ったものを食べるのって最高!」とテンションアップして当然です。
どうでもいい服を着た日は自分に自信を持てなくて、お気に入りを着た日は胸を張って歩ける。それと同じ感覚で、丁寧に作られたものを食べると、丁寧に扱われた気分になりませんか。自分のために、こんなにも手間暇をかけてくれた人がいることに幸せを感じました。
ご自愛フードに貢ぎ物に最適!「もらったら絶対に嬉しいやつ」
だしいなりは、4個でご飯一膳分。大人のランチにちょうどいいボリュームです。木目調のパッケージは高級感があふれますが、使い捨て容器なので洗い物の必要はありません。1個300円という値段はデイリーではありませんが「もらったら絶対に嬉しいやつ」です。
おうちご飯担当の方はご自愛フードとして、ご家族の方は担当者への貢ぎ物にいかがでしょうか。
店舗は、コレド室町テラスの日本橋店と福岡本店のふたつ。時々、百貨店の催事に出るので気になる方はチェックしてみてください。貢ぎ物にするならひと手間かけないと買えないプレミア感もアピールポイントになりますよ。
ちなみに、日本料理店時代は、〆にみそ汁と一緒に提供されていました。大豆と大豆で相性ばっちり。インスタントでも良いので、一緒に差し出したら、おうちご飯担当者は泣いて喜びます(聞いていますか、夫よ)。
さてと。
ごちそうさまでした!
元気出たわ。
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この記事は、noteのサークル「創作をまなびあう会」でお題を決めて書いた記事です。今回のお題は「#買ってよかったもの」
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#noteフードマーケット にも参加してみました。
このおいしさの感動、どなたかと共有したいです。
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