見出し画像

老人と海

『老人はたった1人で漁に出た』

はじめて老人と海を読んだのはまだ10代の頃。
それから今までで3回くらい読んでいます。


もしかしたら私には読むのが年齢的に早すぎたのかもしれないと最近になって思いました。
物語としては頭に入っているし、じわぁっと
心になにか言葉にならない感情は浮かぶのだけれど
真に理解が追いつかなかったのです。

いつもどおりの『☺️?????』

なぜ老人はたびたびライオンの夢を見るのかな?とか
とびうおのやたらと不味そうな描写とか、サメめー!とか。
浅い浅い感想だった気がします。

私は本をたくさん読む方ではありません。
なので最近本に絡めて文章を書いていますがすぐネタ切れになると思います。

先日から読んでいると言っている斜陽も全く進んでいないし、読み始めると前回どこまで読んで何があったか全く思い出せないこともしばしば…
自分の頭の不出来を嘆くばかりですが
そんな私でも雷に撃たれるような衝撃をうける
一文に出会ったりします。

もう、そこだけ覚えていれば私の読書はそれで
100点なのではないかと、ハードルをググッと下げました。

以下斜陽より

三十歳までで、女の生活は、おしまいになると平気でそう思っていたあの頃がなつかしい。
腕輪、頸飾り、ドレス、帯、ひとつひとつ私のからだの周囲から消えてなくなって行くに従って、私のからだの乙女の匂いも次第にうすくうすれて行ったのでしょう。

まずしい、中年の女。おお、いやだ。
でも中年の女の生活にも、女の生活が、やっぱり、あるんですのね。このごろ、それがわかって来ました。

引用終わり

まぁ!…まぁ。(この本の内容的にこの部分は恋文で
私の思ったこととは少し違うのだけれど、そこはスルーで)
私も若い頃、もしかしたら、同じように思っていたかもしれない。
まるで別の人間にでもなるような、気がしていた。
いい意味で言えば、誰もが歳を重ねれば精神も大人になれると、そう思っていました。
ところがどうでしょうか。

恥ずかしながら相変わらずはしゃぎ、相変わらず幼稚で、不安で無鉄砲。

それはいくらかは、大人になったかもしれないけれど…
あの頃見ていた、大人の女性には程遠いです。
身体だけは、一丁前に衰えていくというのに!

私のデザインのテーマの中に、『年代を問わない』
というものがあります。

私はなにか購入を検討する中に、それらを求めていることが多いです。

経年変化が楽しめたり、なるべくベーシックで全年齢的。いくつになっても大切に使いたいお気に入り。

InstagramやTwitterでたくさん見てもらうには、
もう少し色数を増やしたり、カラフルにしたりの改善点を自分で解っているつもりです。
(その他の欠点も、もちろんたくさんありますが😂)

でも、これから先も私は燃え盛る熱い炎よりも、お線香のように、細く長く自分のデザイン、そして性格と付き合っていきたいのです。

だって人生は長いのですもの。

私はおばあちゃんまでとは言わずとも、あと10年、20年後も今の作風を続けても飽きない不変的なデザインを選んだのです。

自分の衰えをいよいよ実感して、やっと老人と海の
真のテーマが理屈でなくじわじわと理解できてきたところです。

『老人はライオンの夢を見ていた。』

自分の年齢が作中の少年より老人側に近づいた今、4回目に読むあの物語はリアルな実体験と感情が込み上げてきっと、泣いてしまうと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?